700

Monday, March 25

午前4時20分起床。外は小雨模様。朝食、半熟卵、ベーコン、サニーレタスと紫玉葱と人参とトマトのサラダ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

豚肉やら鶏肉やらの炒め物以外の品を週末に常備菜として準備し、毎朝弁当箱に詰めることを日課として繰り返してきたが、おなじものばかりで味が単調になるのは否めないので、常備菜と朝の調理を組み合わせて変化をつけるよう試みる。というわけで早朝における台所仕事を踏まえての本日の弁当は、白米、鮭の味噌焼き、ほうれん草と舞茸の酒煎り、玉子焼き、ブロッコリー、人参の胡麻炒め、梅干し。

読書。夜眠る前に手に取ると数ページで睡魔に襲われるので通勤電車内で読むこととしたマルセル・プルースト『失われた時を求めて 1 スワン家のほうへ Ⅰ』(吉川一義/訳、岩波文庫)。『失われた時を求めて』再訪。吉田健一の助言によればプルーストの文章は「読み易い」(『東西文学論』)ということになっているようだが、松浦寿輝・沼野充義・田中純『徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術』(講談社)の冒頭で『失われた時を求めて』が検討されているのを確認してみたならば、プルーストの文章は始まりからかなり妙なことになっていると松浦寿輝は云っている。

ご存じのように、『スワン家のほうへ』は「長いあいだ、私は早く寝るのだった (Longtemps, je me suis couche de bonne heure.)」(鈴木道彦訳)という一文とともに開かれるのですが、ここでの複合過去形の使用は小説のナラティブの時制としてはやや異常で、単純な言葉遣いによる簡明な短文と見えて、考えれば考えるほどわからなくなる一文です。そのわからなさは結局、語り手の現在が不分明であることから来ているわけで、その不分明さはさらに言えばこの一文の冒頭の一語、「長いあいだ Longtemps」の、本質的な曖昧さに集約されることになる。いつからいつまでが「長い」と言っているのか、さっぱりわからないわけですね。しかし、その不分明、曖昧のゆえにこそかえって、作品生成の過程の歳月の流れまで取り込んで、意味をますます重層化・豊穣化させてゆくことが可能になるとも言える。(pp.22-23)

夕食、クリームコロッケ、絹ごし豆腐とほうれん草と長葱の味噌汁、「丸八製茶場」の焙じ茶。

Tuesday, March 26

朝食、目玉焼き、豚肉炒めと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、豚肉の炒め物、いんげんの酒煎り、玉子焼き、ブロッコリー、人参の白胡麻炒め、梅干しのお弁当。夕食、春キャベツとベーコンのパスタ。「TOKYO CRAFT ペールエール」を飲む。

読書。原田裕規『評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家』(中央公論新社)を読む。2010年代以降の「ネタ」として消費される存在と化したラッセンのことを知らなかったので参考になる。参考になったところで一体何の得があるのかとの考えが頭をよぎりつつも、さしあたり参考になったということにしておきたいと思う。著者がラッセンと日本における文脈の類似性を論じているなかで、シティポップ、村上春樹、新海誠との比較がなされる箇所にはそれほどピンと来なかったのだが、チームラボとラッセンの立ち位置は似ているとの指摘には膝を打つ。

大衆的な人気も高く、名実ともに日本を代表するアートコレクティブである。にもかかわらず、国内の業界人からは「あんなのはアートではない」という声も頻繁に聞かれるなど、ラッセンに近い位置づけの作家でもある。(p.297)

Wednesday, March 27

朝食、目玉焼き、豚肉炒めとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、パンコンブレとクリームチーズとストロベリージャム、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、豚肉の炒め物、春キャベツと舞茸の蟹汁煮、ブロッコリー、人参の白胡麻炒め、梅干しのお弁当。夕食、小籠包と柚子ぽん酢、長葱と茗荷と絹ごし豆腐の味噌汁、「丸八製茶場」の焙じ茶。

読書。平島正郎・菅野昭正・高階秀爾『徹底討議 19世紀の文学・芸術』(青土社)を読む。以下に引用する松浦寿輝・沼野充義・田中純『徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術』(講談社)の冒頭に掲げられているコメントを読んで、図書館から借りたもの。初版は1975年で、2000年に新装版が刊行されているようだがこちらも既に絶版状態。近所の図書館が所蔵しているのは初版本のみだったので、書庫から提供されたのはだいぶ色褪せた紙の束。青土社にはこの機会にもう一度再販してほしい。

この企画には、ある意味で継承してみたいと思っているモデルがありまして、それは1975年に青土社から出た『徹底討議 19世紀の文学・芸術』という、菅野昭正、高階秀爾、平島正郎の三氏による連続シンポジウムの記録です。これは当時『ユリイカ』の編集長だった三浦雅士さんの名企画ですが、ロマン主義とは何だったのかという問題から始まって、西欧の19世紀の文学・芸術の変遷をめぐって、相当突っ込んだ議論が展開されています。お三方、それぞれまだ四十代の気鋭の研究者だったこともあり、若々しい気負いや気概がみなぎっている、とてもいい本で、私など学生時代に読んで多くを教えられ、また鼓舞されたものです。(p.8)

Thursday, March 28

朝食、目玉焼き、豚肉炒めとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、豚肉の炒め物、いんげんの酒煎り、ピーマンと茄子の炒め物、ブロッコリー、人参の白胡麻炒め、梅干しのお弁当。夕食、蛍烏賊と菜の花のパスタ。近所の「ローソン」で買ったオーストラリアの赤ワイン「Cabernet Sauvignon」を飲む。

読書。マルセル・プルースト『失われた時を求めて 1 スワン家のほうへ Ⅰ』(吉川一義/訳、岩波文庫)を最後まで。つづけて第2巻を本棚から抜き取る。

Friday, March 29

朝食、目玉焼き、豚肉炒めとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、豚肉の炒め物、牛蒡と蓮根のきんぴら、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、人参の白胡麻炒め、梅干しのお弁当。夕食、鶏肉と人参とパセリのピラフ、トマトとケールのスープ。近所の「ローソン」で買ったフランスの赤ワイン「La Chartreuse de Cénac」を飲む。

午前は大荒れの雨模様で午後は温暖な陽気という極端すぎる天候。先日病院でおこなった麻疹の抗体検査の結果をメールで受信する。過去麻疹に感染したか予防接種を受けたかの記録も記憶もないなかで、以前にMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を接種したのは2016年9月のこと。ワクチンは2回接種しないと完全な防御体制にならないようなので、このたび抗体検査を実施してみたところ、結果は十分な麻疹抗体が認められるため追加接種は不要とのこと。幼少時に感染もしくは接種したのだろうか。

Saturday, March 30

掃除と洗濯。朝食、目玉焼き、豚肉炒めとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトとパセリのサラダ、キャロットラペ、パンコンブレとクリームチーズとストロベリージャム、ヨーグルト、珈琲。

晴れ。春を通り越して初夏の陽気となる。午前中は在宅にて年度末の仕事。昼食は無印良品の「レッドカレー」。午後から外出。山手線で新宿駅にて下車。「QBハウス」で髪を切ってから、「スターバックス」でキャラメリーミルクコーヒーフラペチーノを飲んで、「ルミネ新宿」の「ブックファースト」に向かうと、店舗は閉店していた。調べてみると「ブックファースト」が「ルミネ新宿」に開業したのは2004年8月のことでおよそ20年間営業していたとのことだが、ということはつまり、「青山ブックセンター」が突如閉店して瞬時に「ブックファースト」が出店したときから20年も経過したことになる。

取り壊された「小田急百貨店」を横目に「モード学園コクーンタワー」内の「ブックファースト」に移動して『ラジオ英会話』4月号(NHK出版)を買う。本日、当初の予定では「新宿御苑」に赴くはずが、現在週末の「新宿御苑」は事前予約制を敷いており、しかも予約はすでに埋まっている状況だったので、行き先を美術館に変更する。「SOMPO美術館」で「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」展を鑑賞。

丸の内線で新宿駅から赤坂見附駅に移動する。「AUX BACCHANALES」の紀尾井町店で早めの夕食。初夏のような陽気なのでテラス席は満席。鴨のコンフィ、若鶏のオーブン焼き 新玉葱とバジルのヴィネグレットソース、ニース風サラダ、フレンチフライ、ギネス、ハウスワインの赤。

Sunday, March 31

朝食、目玉焼き、ベーコン、サニーレタスとトマトとパセリのサラダ、キャロットラペ、パンコンブレとクリームチーズとストロベリージャム、ヨーグルト、珈琲。今月で最終回を迎える「松永良平の6時だョ!3345ー!」(KBS京都ラジオ)を聴きながらアイロンがけ。

本日の天気は昨日よりもさらに初夏っぷりが増す。暑い。自転車に乗って九品仏まで。店の外まで行列ができている「Comme’N TOKYO」に赴いてパンを買う。「成城石井」で食材や調味料を買う。田園調布の「SAVEUR」でケーキを買って帰途に就く。昼食は「Comme’N TOKYO」のパンと珈琲。クロックムッシュ、生ハムとカマンベールのサンド、クロワッサン。近所のスーパーマーケットまで徒歩で向かって、食料品の調達を済ませる。暑い。

「SAVEUR」のケーキと紅茶。片寄明人の「洋楽グロリアスデイズ」(NHKFM)も今月で最終回。読書。平島正郎・菅野昭正・高階秀爾『徹底討議 19世紀の文学・芸術』(青土社)を最後まで。夕食、白米、豚汁(豚肉、人参、大根、牛蒡、長葱、焼き豆腐、しめじ)、胡瓜の中華風マリネ、鮪のたたき。「水曜日のネコ」を飲む。