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Monday, February 12

振替休日。昨晩は普段であれば睡眠に入る時間帯に帰宅したため、本日の朝は少し遅めの起床時刻。午前5時30分に目覚める。朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、ソーセージと粒マスタード、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

洗濯と掃除。「LES ANGES」の焼菓子と「GLOBE COFFEE」の豆で淹れた珈琲をお供に京都旅の計画を練る。二月の京都は例年天気がすぐれない事実に宿を予約したあとになって気づく。悪天候にならないことを祈る。昼食、蛍烏賊と貝割れ菜のパスタ。「Brew Tea Co.」のアールグレイの紅茶を飲む。

読書。柔らかな哲学エッセイではなく骨太な哲学談義を予感させる鷲田清一『所有論』(講談社)を読みはじめる。夕方、映画鑑賞。『凱里ブルース』(ビー・ガン/監督、2015年、中国)を見る。アイロンがけと常備菜づくり。夕食、白米、ほうれん草と玉葱の味噌汁、南瓜と蓮根の煮物、蛸の刺身と貝割れ奈、鯖の塩焼き。「エチゴビール」の「のんびりふんわり白ビール」を飲む。

Tuesday, February 13

朝食、半熟卵、サニーレタスとベーコンと紫玉葱とミニトマトのサラダ、人参のマリネ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、お茶漬け、絹ごし豆腐とほうれん草の味噌汁、ふろふき大根、南瓜と蓮根の煮物。「月ヶ瀬健康茶園」の青柳番茶を飲む。

まだ二月中旬にもかかわらず暖冬が暖冬力を発揮している。東京地方の最高気温は17度。小澤征爾の追悼としてSpotifyで音源を漁り、もの凄く久方ぶりに武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」を聴く。

読書。先週末に「芥川龍之介と美の世界 二人の先達 ─ 夏目漱石、菅虎雄」(神奈川県立近代美術館 葉山館)を鑑賞したのを受けて、芥川龍之介の短編小説を再訪。芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫)を読む。

Wednesday, February 14

前日の夜にお酒を飲まないと目覚めがよい。午前4時20分起床。朝食、半熟卵、サニーレタスとベーコンと紫玉葱とトマトのサラダ、人参のマリネ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、鶏の唐揚げ、南瓜と蓮根の煮物、ふろふき大根、絹ごし豆腐とほうれん草の味噌汁。「エチゴビール」の「のんびりふんわり白ビール」を飲む。

読書。芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』(新潮文庫)を読む。

Thursday, February 15

前日の夜にお酒を飲むと目覚めが悪い。朝食、半熟卵、サニーレタスとベーコンと紫玉葱とミニトマトのサラダ、人参のマリネ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、蛸焼き、南瓜と蓮根の煮物、ふろふき大根。「琥珀ヱビス」を飲む。

読書。鷲田清一『所有論』(講談社)のつづき。「所有」という概念をめぐってこれほど多様な議論が可能なのかと感心しながら鷲田清一の論考を読み進めていると、長井真理『内省の構造 精神病理学的考察』(岩波書店)について詳しく言及している箇所がでてくる。1991年刊行の本書の存在を知ったのは随分前のことで、いつ絶版になったのかは詳らかではないのだが、知った頃にはすでに古本屋で見つけても定価以上の値段が付けられていたように記憶している。現在、岩波書店の「オンデマンド出版」で定価7,040円にて入手可能とのことだが、本書は「岩波現代文庫」あたりに入れて広く一般に読まれる土壌を提供するのが版元の責務ではないかと思うのだが。

Friday, February 16

朝食、半熟卵、サニーレタスとベーコンと紫玉葱とミニトマトのサラダ、人参のマリネ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。会社からの帰宅途中に五反田駅で下車。「おにやんま」にて鶏肉と竹輪の天ぷらを添えた温かいうどんの夕食。

「五反田東急スクエア」の「ブックファースト」にて新刊本を瞥見。トマス・アクィナス『精選 神学大全2 法論』(稲垣良典、山本芳久/編、稲垣良典/訳、岩波文庫)、中沢新一『精神の考古学』(新潮社)、『読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房)、『BRUTUS』(特集 JAZZ IS POP!! 2024年、あなたが聴くべきジャズ250、マガジンハウス)を買う。会計時に店員から袋の要不要を尋ねられて不要と返答するも、合計金額が5,000円を超えたので無料で紙袋に入れてくれる。自宅に戻ると郵便受けに「Amazon」で注文した『年表 昭和・平成史 1926-2019』(中村政則、森武麿/編、岩波ブックレット)が届く。

読書。本棚から抜き取った『芥川竜之介随筆集』(石割透/編、岩波文庫)を再読する。2014年の刊行当時も違和感があったのは芥川龍之介の名前を「竜之介」と表記していることで、常用漢字表の通用字体を適用しているのだと云われればそれまでだが、芥川は「竜之介」ではなく「龍之介」だろうと思う。

Saturday, February 17

朝食、半熟卵、サニーレタスとベーコンと紫玉葱とミニトマトのサラダ、人参のマリネ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。部屋の掃除。

「LES ANGES」の焼菓子と「GLOBE COFFEE」の豆で淹れた珈琲をお供に『BRUTUS』(特集 JAZZ IS POP!! 2024年、あなたが聴くべきジャズ250、マガジンハウス)、『LifeWear magazine』(ユニクロ)、『メトロポリターナ』2月号(産経新聞社)に目をとおす。昼過ぎまで読書。鷲田清一『所有論』(講談社)を最後まで。

午後は自転車に乗って洗足池に向かう。「cafe 634」にて午餐。ランチセットに加えて、デザートに金柑チーズケーキも注文。「FROM NOUGAT SHOP」でヌガーサンド、「MY’S」で花を買う。自宅に戻ってドラッグストアとスーパーマーケットで日用品と食料品の調達を済ませる。夜、「cafe 634」で食べ過ぎたので夕食は削って、「プレミアムモルツ」を飲みながら「山田五郎オトナの教養講座」を視聴する。「ゴシック」についてのためになる話。

Sunday, February 18

常備菜づくり。茄子の醤油煮、小松菜の蒸籠蒸し。朝食、生卵を添えた白粥、ほうれん草の味噌汁、「一保堂茶舗」の玄米茶。洗濯。

読書。『読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房)を読む。みすず書房のPR誌『みすず』の休刊にともない今後は書籍として刊行されることになった「読書アンケート」。編集部による巻頭のコメントにはかつて存在した「5冊まで」という縛りの文言が見あたらないので、冊数の制約は辞めたのだろうか。とはいえ慣例に従ってなのか大抵の執筆者が挙げている本の冊数は5冊。

昼食、レモンを添えた鰤とルッコラのソテー、ベビーリーフとミニトマトと紫玉葱とベーコンのサラダ、人参のマリネ。「エチゴビール」の「のんびりふんわり白ビール」を飲む。アイロンがけ。「自由が丘さんぽ」特集の『OZ magazine』3月号(スターツ出版)と「ショートケーキ、シュークリーム、ドーナツ」特集の『Hanako』3月号(マガジンハウス)を読む。

集英社文庫から出ている芥川龍之介の作品集には文庫解説とはべつに「鑑賞」という枠があって、二冊のアンソロジーにおける「鑑賞」の執筆者は北方謙三と夢枕獏というやや意想外な人選なのだが、印象ぶかく記憶に残っている。該当の文庫本は処分してしまったのでインターネットで検索したところ、ほかの古典作品の「鑑賞」も含めて『作家24人の名作鑑賞 私を変えたこの一冊』(集英社文庫)として本になっていると知ったので、近所の図書館に出向いて読み返してみた。

二十代のころ、私は自分の文体をどう作っていくか、たえず原稿用紙の上で格闘していた。書いた枚数を思えば、格闘という表現がぴったりである。
とにかく書いてみる。百枚ほどの作品を、何度も何度も書き直してみる。文章の末尾を『る』にするか、『た』にするかで、一時間以上考えこむ。気が遠くなるような作業であった。その気が遠くなるという感覚は、いまだに明瞭に思い出すことができて、時には夢にさえ見る。夢の中で、私の文章はいじりにいじって、どうにもならない代物になっているのである。大袈裟でなく、汗をかいて眼醒めてしまうのだ。
そんな時期に、私がやったトレーニングに、ほかの作家の文章を原稿用紙に写すというのがあった。あえてトレーニングなどという言葉を使うのは、修行という言葉があまりに嵌りすぎて、ほとんど切なくなってしまいそうだからである。
何人かの作家の、作品を書き写した。梶井基次郎、中島敦、志賀直哉、などいまでも憶えている一節があるぐらいだ。中でも志賀直哉と芥川の作品は、再三再四、書き写した。
(北方謙三「トレーニング」)

驚いた。
いつの間にか、ぼくは、芥川の死んだ歳を追い越していたのである。
ぼくは今、四十一歳である。
芥川は、三十五歳で、自らその生命を断っている。
もう、ぼくの方が、芥川よりも、六年も多く生きてしまっているのだ。そのことに、今回あらためて気づき、驚いた。
こんなこともあるのだ。
なんという奇妙な感覚だろうか。
ぼくは、今、彼と同業者で、質はともかくとしても、その量に関する限り、すでに彼よりも多くの原稿を書いてしまっている。
感慨を込めて、今、この稿を書いている。
(夢枕獏「哀しみの河童」)

それぞれの前振りから、芥川作品の読解に進んでいく。

夕食、おでん(鶏肉、茹で卵、魚河岸揚げ、焼竹輪、蒟蒻、餅入り巾着、はんぺん、牛蒡巻き、合鴨入りつくね、がんもどき、昆布)。「琥珀ヱビス」を飲む。