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Saturday, March 18

本日、ついに相鉄線・東急線の相互直通運転が始まり、東急新横浜線が開業。この日を迎えるまでSNSではかなり盛り上がっていたけれど、記念グッズとかでもうしばらくはお祭りムードかな。

朝一番で美容院を済ませて、渋谷で夫と落ち合う。ヒカリエ8階のd47食堂でランチ。カキフライと牡蠣飯定食。めちゃめちゃおいしくて最高だったので、あと2回くらい食べに来たい(期間限定ランチなのでこのメニューがいつまで続くかわからない)。

恵比寿。東京都写真美術館で「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」、「土門拳の古寺巡礼」を観る。深瀬昌久は名前はもちろん知っていたものの“私写真家”という一辺倒な理解しかしていなかった。実際に作品を観てみると、作品のバリエーションがとても豊かだということがわかり、とてもよかった。そもそも土台に撮影技術がしっかりある人だったんだなあ。奥さんを撮ったシリーズもとてもいいし、鴉をテーマにした写真も凄みがある。あと、ニューヨークの街を写した写真も素敵だった。ニューヨークの、あの曇天の、寒々しい感じ。

閉店してしまった恵比寿三越の跡地の現状を知らず、フロアに初めて足を踏み入れてこんな感じになったのか、と驚く。TODAY’S SPECIALの店舗面積がずいぶん広い。イマドキのお店がたくさん入って良い感じ、とワクワクするものの、やはりもう百貨店というのは本当にオワコンになってしまったのかもしれない…。自分の人生が本格的に始まりつつあった1990年代半ばに開業した恵比寿ガーデンプレイスは、オープン当初の記憶もあいまって思い入れが強く、大好きで、三越も落ち着いた雰囲気で好きだった。生まれ変わったフロアを歩きながら、あのエレベーターを上がって書店に行ったんだよなあ…と思い出したらなんだかとても寂しくなってしまった(あの書店は何だったっけ…と後から調べてみたら八重洲ブックセンターだった。平成は遠くなりにけり)。

WINE MARKET PARTY、大型店舗のライフ、アトレ恵比寿で買い物して帰宅。夜は、ホタルイカと小葱とレモンのパスタ、チーズ、バゲット、ルーマニアの赤ワイン。

Sunday, March 19

上野の国立西洋美術館で「憧憬の地ブルターニュ モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」を観る。山田五郎が『日経おとなのOFF』の「2023年必見の美術展特集号」で、コロナ禍で海外からの作品の借り入れが難しくなったことで企画力で勝負の展覧会が増えたのは怪我の功名であり、まさにこのブルターニュ展はその最たるものだ、と語っていたとおり、作品はほとんど国内から集めたものだけれど素晴らしい絵が豊富で大変楽しめた。モネやゴーギャンもよいが、エミール・ベルナール、モーリス・ドニ、シャルル・コッテの絵が特に印象に残った。モーリス・ドニの《ハリエニシダ》という絵はハリエニシダに囲まれた男女を描いた作品で、遠くには海と岩場が見える。エニシダの花が大好きなので喜び、澁澤龍彦が『フローラ逍遥』でエニシダについて書いた章の冒頭を思い起こしたりした。この3名の作品はポストカードにもなっていたので購入した。あとルドンが描いた浜辺の岩の絵は、ルドンといえばの奇怪なモチーフが描かれているわけでもないのに、それでもどことなくルドンみがある…と感じた。

お昼は上野精養軒本店レストランでエビフライセット。大きなエビが3つ! すっかり満腹。上野の森美術館で「VOCA展2023 現代美術の展望 新しい平面の作家たち」を観てから、桜を愛でつつそぞろ歩いて、古書木菟へ。最近本を買いすぎているので、今日は文庫本2冊だけにしておく。マルグリートでプリンを食べてひとやすみして、帰途に着く。