588

Monday, January 31

1月が終わる。毎年言ってるのだけど、1月って長くないですか? 「1月は行ってしまう、2月は逃げてしまう、3月は去ってしまう」には全面的に賛同しているわたしだが、1月は毎年、いつまでも終わらない気がしてしまう。(←全面的に賛同してない)

Tuesday, February 1



わたしは「クルクルミラクル」がリリースされて「HEY!HEY!HEY!」に出演して知名度が上がってお茶の間に爪痕を残した1996年は彼女の持つパワーに怯んでしまったものの、落ち着いたストレートヘアで『Olive』の表紙を飾った1997年にはぐんぐんと篠原ともえという人が好きになっていて(にぎやかさの裏の真面目さや繊細さが感じ取れるようになったし、いわゆる“シノラーファッション”をじょじょに解除して落ち着き出した彼女の佇まいが好みだった)、それからはもうずうっと大ファンなわけだが、その篠原ともえが岩波書店のPR誌『図書』最新号に寄稿しているというのでいそいそと読んだ。染織史家・吉岡幸雄にまつわる回想録がゆったりした穏やかな文章で綴られていてとてもよかった。粉雪舞う京都・伏見での紅花の染色体験の様子とか、情景が目に浮かぶようだった。この人は本当に勉強家であり素晴らしいオタクだなあ、自分が興味を持ったものごとに対してはやはりこうでなくては。

彼女の創作活動はなるべく追いかけるようにしており、版画などさまざま新しい学びを得ている様子が垣間見れるのだけど、最近は新たにカリグラフィーを習い始めたとのこと。きっとこれからのデザインに生かされることだろう。ちなみに篠原ともえがレッスンを受けたのは日本カリグラフィースクールとのことだが、実はわたしも短い期間だけどこのスクールに通っていた。子どもの頃からカリグラフィーに多少興味があったからなのだが早々に挫折してやめてしまった。でも篠原ともえがあそこにいるのかと思うとちょっと嬉しい。

Wednesday, February 2

『みすず』2022年1/2月号「読書アンケート特集号」が届く。外岡秀俊さんのお名前あった、やはり、目次の最初のブロックにあった。

モニカ・ヴィッティ逝去の報せ。誰もが言うように、モニカ・ヴィッティは本当に素敵な女優さんだった…。『赤い砂漠』はときどき無性に観たくなる映画だ。

Saturday, February 5

朝ごはんを食べて家事を終え、函館洋菓子スナッフルスのクッキーと珈琲をいただきつつ、リュドミラ・ウリツカヤ『緑の天幕』を読み始める。700ページ超えの鈍器本。ごはん、ちりめん山椒、豆腐とほうれん草の味噌汁、しめ鯖、白菜漬けのお昼をはさんで午後も読み進める。ちょっと小休止してTwitterをのぞいたら西村賢太の訃報が流れていて仰天する。先日、『週刊読書人』で新庄耕と愉快そうに対談していたばかりなのに…。

夜、鱈と焼き豆腐と白菜の鍋(〆はうどん)、ビール。山田五郎のYoutubeのアンリ・ルソーの回がめちゃめちゃ面白くてずっと笑いながら視聴する。『みすず』読書アンケート特集号をぱらぱら読んで就寝。

Sunday, February 6

タコとほうれん草のパスタのお昼を食べながらエリック・ロメールの短編を観る。『ヴェロニクと怠慢な生徒』(1958年)、『ある現代の女子学生』(1966年)、『モンフォーコンの農婦』(1967年)の3本。ロメールは「勉強」が好き。モニカ・ヴィッティの追悼上映会もしたいところだが、ひとまずザ・シネマメンバーズのロメールの短編集の鑑賞を進める。