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Saturday, August 1

8月になった。

朝、パン、目玉焼き、ウィンナー、トマト、ベビーリーフ、ヨーグルト、珈琲。珈琲は、最近は最初はブラックで、途中からミルクを入れて飲んでいる。いずれにしてもとても美味しい。

支度をして出かける。東京駅で下車して、東京ステーションギャラリーで「開校100年 きたれ、バウハウス ー造形教育の基礎ー」を観る。バウハウスが現代の文化・芸術史上に極めて大きな功績を残しているのは自明だけれど、わたしはこの教育機関とその実績に関して何を導きの糸に理解を深めればよいのかといつも迷う。今回の展示では、創設者である建築家のヴァルター・グロピウスをはじめ、ヴァシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、ミース・ファン・デル・ローエら講師陣の授業内容を紹介している。ミース・ファン・デル・ローエの手掛ける建造物は大好きだけれど、建築は専門的なことはまったくわからないし、デザインもそこまで興味があるというわけではない。ということで写真と織物に特に注目して展示を観てみた。わたしにとってバウハウスといえば、やはりモホイ=ナジ・ラースローの存在が大きい。

観賞後、とても久しぶりにOAZOの丸善をのぞいて、書籍と雑誌あわせて2冊購入。UNIQLO TOKYOで花を買う。品揃えがよいので選ぶのが楽しい。1束390円、3束990円のところ、6束買う。おなじみのヒペリカムやバラ、ソリダゴに加え、ベロニカという種を知る。バラはくすんだピンクグレーの色合いでとても可愛い。

外出途中、一瞬Twitterを見たら、関東地方、梅雨明けの報。8月の梅雨明けは13年ぶりだそうだ。

帰宅して、遅いお昼。ハムとチーズとサニーレタスの鯖サンド、珈琲。少し読書してから、『Baxter Vera Baxter』(マルグリット・デュラス監督、1977年)を観る。印象に残りすぎるほど残ったのが、バックグラウンドで終始かかり続けている軽快な音楽。あの音楽はどういう意味があるのだろう。わたしにとっては、あの音楽があるおかげで作品世界に肉薄しすぎずほどよい距離を保つことができて、つまりは心地よかった。

夜、牛肉のバターソテー、トマト、グリーンリーフ、キャベツと紫玉ねぎのスープ、くるみパン、赤ワイン。食べながらJ-WAVEの「Sociedad Gastronomica」を聴く。今回のテーマは台湾スイーツで、台湾スイーツにはまったく興味がないのだが(台湾料理は大好き)、話が面白いので今回も楽しく聴く。

Sunday, August 2

公園を散歩する。一晩寝たら一気に季節が変わって、夏本番が始まってしまった。予行演習もろくにしていない気がするのだが。夏の陽気に煌く樹々の緑と木漏れ日、水面を眺める。もう本当に長い間、こうした美しい景色を一点の曇りもない気持ちで見つめるということができていない。寝ても覚めても、頭のひとところに、本日の感染者数…3密を避けて…新しい日常…といった特定のフレーズが澱のように沈殿している。

お昼は、ごはん、豆腐と小松菜の味噌汁、刺身、しらす。『図書』2020年8月号(岩波書店)読了。きのうマルグリット・デュラスの映画を観たので、建築とデュラスの映画について堀江敏幸が小さな文を寄せている『建築と日常』創刊号を本棚から引っぱり出して読み返したが『Baxter Vera Baxter』については触れられていなかった。