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Saturday, July 18

内澤旬子『着せる女』(本の雑誌社)を読む。著者のまわりにいる、スーツに縁のない“出版界の“男性たちのスーツ購入のお世話をする顛末を描いており、バーニーズ・ニューヨークのスーツ・ソムリエなる店員さんが重要な役回りとなっている一冊で、めっぽう面白かった。スーツを新調することになったとある男性がこういう感じになりたいとイメージする場面で、最初は芸能人などを挙げていたのが、平凡社でも筑摩書房でも藤原書店でもなく、法政大学出版局を目指したい! 東京大学出版会だとちょっとちがう、白水社でもなく、でももし白水社だったら文庫クセジュ、そして東洋文庫は絶対ちがうという、喩えが版元になった途端生き生きする&みんなすっかり納得、というくだりに爆笑。

ベルンハルト・シュリンク『オルガ』(松永美穂訳、新潮社)読了。