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Monday, May 4

予想通り、東京都における緊急事態宣言の期限が5月末まで延長された。「新しい生活様式」として、専門家会議がコロナ後の人々の生活様式を提案している。途方に暮れないように踏みとどまって、とにかく思考を止めないようにしなくては。

ザ・シネマメンバーズで『満月の夜』(エリック・ロメール監督、1984年)を観る。前に一度観たのに、信じられないくらい何もかも覚えていなかった。これっぽっちも記憶していたシーンがなかった。気持ちいいくらいに。室内に飾られた花に目が留まる。

このところ、ロメール作品を立て続けに観るたびに、パリのことを想う、パリだけでなく、ロンドンや、ブリュッセルや、ベルリンや、ヘルシンキやワルシャワ、ウィーンにミラノ、マドリード、訪れた街を思い出して、訪れたことがない街は想像して、以前の、無防備で陽気な、清濁あわせ持つあの様子、いまは失われてしまったあの景色に焦がれる。

Wednesday, May 6

きょうで連休最終日だけど、あれこれ出かけていろいろ遊んだわけでもなし、あしたから出勤するわけでもなし、「始まった感」がないのと同様に「終わってしまう感」もない。

Sunday, May 10

外出自粛、在宅勤務の日々で家にいることが増えて、いろいろ不安はあれど、その一方で外に出ないことで心と身体がリラックスしているせいか、以前より珈琲を飲めるようになった。これまでは朝挽きたてを一杯飲んで、それ以上飲むと気分が悪くなることが常だったけれど、いまは仕事中に珈琲を美味しく飲んでいる。自分はつくづく、一歩家の外に出ると神経をすり減らして生きている人間なんだなと実感する。でも、それでも、街が好き、わたしは自宅も街も大好きだ、2つに引き裂かれる魂。

お昼、アボカドとトマトのパスタ。美味しい。食後、きょうは『緑の光線』(エリック・ロメール監督、1986年)を観た。この映画はもう何度も観てるし、また主人公がグチグチメソメソグチグチメソメソしていてイラつくし、もういいや、と思ったのだけど、やっぱり観るか、と思って観た。結果として、観てよかった。グチグチメソメソグチグチメソメソっぷりがよかった。