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Monday, January 13

祝日。朝、Anderson .Paak「Ventura」を聴きながら食事の支度。いつもの朝食の食材を切らしているので、和食の朝ごはんにする。おにぎり、絹ごし豆腐と長葱の味噌汁、白菜の漬物、佃煮、煎茶。味噌汁は先日購入した岡山「馬場商店」の備州白味噌を使ってみる。

オフィスビルの乱立する大崎駅周辺の土日祝日は人影がまばらで、駅近くにある「TSUTAYA」と合体したスタバは閑散としたもので、この場所を見つけたときは穴場発見と喜んだものだが、それはもう昔の話。人びとが、こちらとおなじく偶々見つけたのか情報網を駆使して見つけたのかは詳らかではないが、いまはもうまったく穴場ではなくなり、朝早くから賑わっているスタバになってしまった。しかし、買うほどの内容ではないけれども目をとおしておきたい雑誌を立ち読みならぬ座り読みができるのは重宝で、月に一度くらいは大崎駅まで通うようにしている。Spotifyで音楽を聴きながら、カプチーノを飲みつつ、雑誌のページをめくる。聴いたもの、Georgia「Seeking Thrills」、showmore「too close to know」、DE DE MOUSE「Nulife」、TAWINGS「TAWINGS」。読んだもの、『Casa BRUTUS』『GINZA』『POPEYE』『& Premium』(以上マガジンハウス)、『FUDGE』(三栄)、『CLUÉL』(THE BOOKS Publishing)、『SPUR』(集英社)、『GISELe』(主婦の友社)。途中、追加で珈琲を注文。

『Casa BRUTUS』を読んだら「nendo」の佐藤オオキが住宅設計をしているのだが、その住宅の施主は「nendo」設立時のメンバーであり同社のマネジメントをしている伊藤明裕だった。この『Casa BRUTUS』の記事だけを読むと、売れっ子デザイナーが超スタイリッシュな住宅をデザインした事実以外に読みようのない気取った風情でしかないのだが、佐藤オオキがやっていたJ-WAVEのラジオ番組を聴いていた者からすると、胃腸が弱くてすぐにお腹を壊すふたりがここまで辿り着いたのだなとしみじみ味わいながら読むことができる。文章の読解には背景知識が必要である。

五反田駅から池上線に乗って戸越銀座駅へ。「ストン」でレモンバターチキンカレーを食べる。ラーメン好きとおなじようにカレー好きも、好事家のあいだではどの店舗がおいしいかについて侃侃諤諤の議論が交わされているのだろうが、カレーに対してさしたる思い入れのない人間の一意見としては、「ストン」のカレーがいちばん口に合っておいしいと感じる。

せっかく戸越銀座商店街に来たので買いものをしようと、食パン専門店「LA・PAN」を訪れてみるも本日分のパンはもう売り切れだった。「KALDI」で菓子と白ワインと鴨のテリーヌの缶詰を買う。「compass coffee」で珈琲豆を買う。「compass coffee」は生豆から焙煎するお店だったので、焙煎が終わるまでのあいだに周辺を歩いたら「小川書店」という古本屋を見つける。軍事関係の本が充実している。バルザック『谷間のゆり』(宮崎嶺雄/訳、岩波文庫)を買う。戸越銀座をあとにして、池上線に乗って洗足池駅へ。西日が差し込む少し前のひととき、洗足池公園をぐるっと散歩する。

自宅に帰る途中、図書館に寄ったりスーパーで食材の調達をしたり。なんやかんやで荷物が増えて、歩いて帰るのは大変でバスもなかなか来ないのでタクシーを掴まえて帰る。いま東京でタクシーに乗ると、料金の支払いで交通系ICカードやクレジットカードを使えないほうが稀だと思うが、京都のタクシーはどうしてあんなに現金至上主義なのだろう。

夕方、遅めのおやつ。本日購入した豆を挽いて珈琲を淹れ、「IFNi ROASTING & CO.」の珈琲羊羹を食べる。

晩ごはん、鱈と白菜と長葱と絹ごし豆腐の白だし鍋、卵雑炊、麦酒。夜、図書館で借りた『SWITCH』(スイッチ・ハブリッシング)のオーディオ特集を読む。

Tuesday, January 14

早朝地震が発生したらしいがまったく気づかず。

朝、Solange「When I Get Home」を聴く。朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、トマト、ベビーリーフとわさびドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。辻邦生『モンマルトル日記』(集英社文庫)を読む。先日読んだ平岡篤頼『パリふたたび』(小沢書店)によると、辻邦生がパリで暮らしたアパルトマンに平岡篤頼が引き継いで住んだらしいので、この二冊をつづけて読むとある種の連続性を感じとれる、と思いきや肌触りのまるで異なる二冊の本。平岡篤頼がわりと軟派な雰囲気の筆致なのに対して、辻邦生の文章は内省的で硬質なリリシズム全開で、知り合い同士の同時期のパリ体験とはとても思えない。

タワーレコードから送られてくるメルマガで、吾妻光良 & The Swinging Boppersによる過去のアルバムがレコードで発売されることを知る。でも値段が高いので購入するかどうかは未知数。

晩ごはん、白米、絹ごし豆腐とほうれん草の味噌汁、南瓜の酒蒸し、鮪の刺身とわさびとかいわれ、麦酒。

夜、Rachael Dadd「FLUX」を聴く。好みの音楽。

坪内祐三死去の報せ。死因は急性心不全とのこと。直接的な原因の特定は難しいと急性心不全についてはよく言われるが、坪内祐三に関しては長年の過度な飲酒が理由ではないかと意見が一致しそうではある。

Wednesday, January 15

ベートーヴェンが生誕250周年ということはヘーゲルの生誕250周年でもあるわけだが、ヘーゲル研究界隈では多少は盛りあがったりしているのだろうか。

朝、Raphael Saadiq「Jimmy Lee」を聴く。朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタスとわさびドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。山田稔『コーマルタン界隈』(編集工房ノア)を読む。単身者がヨーロッパで暮らす模様を描いた随想を好んで読む傾向があると気づく。

晩ごはん、豚肉とトマトとほうれん草のパスタ、赤ワイン。レコードを聴く。John Coltrane「A Love Supreme」とKeith Jarrett「The Köln Concert」。

Thursday, January 16

朝、PJ Morton「PAUL」を聴く。朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、トマト、ベビーリーフとわさびドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。コンラッド『闇の奥』(中野好夫/訳、岩波文庫)を読む。何度繰り返し読んでもよくわからなくなる『闇の奥』。

晩ごはん、鶏肉の酒蒸しとほうれん草のおひたしと長葱とかいわれと生卵をのせた白石温麺、麦酒。

Friday, January 17

朝、Tank And The Bangas「Green Balloon」を聴く。朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、トマト、ベビーリーフとわさびドレッシング、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

阪神・淡路大震災の発生当時にスマートフォンがあったらと仮定して、地震発生後に起きた事象を時系列で再現した朝日新聞社によるサイトを見る [1]。当時の状況を確認できる視聴覚的資料として。

午後半休を取得。会社近所の鮨屋で昼ごはんののち、理髪店で髪を切って、スーパーで買いものを済ませ、耳鼻咽喉科の病院で花粉症の薬を処方してもらう。帰り道に花屋で桜の枝を買う。

晩ごはん、白菜と鶏肉とうどんの白だし鍋、麦酒。

Saturday, January 18

朝、BJ the Chicago Kid「1123」を聴く。朝ごはん、スキレットでソーセージと粒入りマスタード、目玉焼き、トマト、サニーレタスと柚子胡椒ドレッシング、胡桃とレーズンのパンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

「豊島屋」の鳩サブレーと珈琲をお供にきのう届いた『MONOCLE』2月号を読む。

窓の外は軽く雪が舞っている。昼食の準備をするついでに常備菜もつくる。豚肉の味噌炒め、小松菜と油揚げの胡麻油炒め、キャベツと茄子の豆板醤炒め、大根と人参の白だし煮、蒟蒻の醤油煮の計5品。昼ごはん、梅干しと胡麻塩のおにぎり、茄子と小松菜の味噌汁、「京つけもの 西利」の漬物、「LUPICIA」の抹茶黒豆玄米茶。

読書。阪本博志『大宅壮一の「戦後」』(人文書院)とアニエス・ポワリエ『パリ左岸 1940-50年』(木下哲夫/訳、白水社)を読む。

映画鑑賞。『アンナ・クリスティ』(クラレンス・ブラウン/監督、1930年)を見る。グレタ・ガルボが出演した初のトーキー映画だが、ガルボよりも酔っぱらった年配の女を演じる役者のほうが気になり、確認するとマリー・ドレスラーという60歳を過ぎてからハリウッドスターになった女優だった。

晩ごはん、牛モモ肉のステーキ、茹で卵と馬鈴薯とトマトとサニーレタスのサラダと柚子胡椒ドレッシング、バゲット、赤ワイン。

Sunday, January 19

ウラディーミル・アシュケナージが引退を表明。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、ミニトマト、サニーレタスと柚子胡椒ドレッシング、胡桃とレーズンのパンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

空気は冷んやりしているが青空の広がる快晴。街にでかける。渋谷へ。Bunkamuraザ・ミュージアムで「永遠のソール・ライター」展を見てから、松濤にあるポルトガル料理の店「Manuel Cozinha Portuguesa」で昼ごはん。サラダとスープと4種の前菜盛りに加えて、主菜とデザートを選択するコースメニュー。豚とアサリのアレンテージョ風とプリンを選んで、赤ワインを注文。

松濤美術館に移動して「サラ・ベルナールの世界展」を鑑賞する。久方ぶりの松濤美術館。松濤美術館の黒のソファに座るとだんだん眠くなってくる事象は健在。渋谷駅周辺に戻って、もうすぐ閉店してしまう東急百貨店の東急東横店で「東横デパートの思い出展」を見る。閉店と聞くと残念な気もするが、現在の渋谷スクランブルスクエアと並んで屹立する姿は東急百貨店の建物の古さが一層際立ち、これはさすがに建て替えたほうがいいだろうとの感想がでる。ちなみに「東急フードショー」は継続して営業し、「東横のれん街」は渋谷ヒカリエに移動するとのこと。

銀座線で渋谷駅から表参道駅に移動する。スパイラルには何度も来ているのに5階に「ミナ ペルホネン」の店舗があることを今更知ったので行ってみる。洋服や生地や雑貨や食品を売っている「Call」という店を覗く。カフェも併設されているが、激混みの行列で入れる気がしない。オオヤミノルの焙煎した珈琲豆が売られていたのでそれを買って店をでる。2階の「spiral market」でワイングラスを購入。先日割れてしまったワイングラスの代替として、丈夫そうなものを買う。商品説明に割れにくいと書いてあるドイツのZWIESEL社のものを選ぶ。1階での展示「matohu 日本の眼 展」を見てから、「フランセ表参道本店」のカフェで休憩。生菓子のパニエと珈琲。

近所のスーパーで食材を調達してから帰宅。晩ごはん、茹で卵と馬鈴薯とトマトとベーコンと蛸とグリーンリーフをフレンチドレッシングで和えたニース風サラダのようなもの、バゲット、赤ワイン。

  1. 1.17 再現-阪神・淡路大震災 []