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Monday, September 16

休日。クローゼットに収納されている洋服の整理だけをするつもりが大掛かりな大掃除へと発展し、なんやかんやで夕方までかかる。満を持して秋冬を迎える体制が整ったものの、明日も休みにしたいくらい体力を消耗。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタスとサラダほうれん草、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、蒸し鶏肉と長ねぎとかいわれをのせた温かい蕎麦。京都の「京山城屋」で買った七味をかける。晩ごはん、じゃがいもの白ワイン蒸し、生ハム、サラダほうれん草、トマト、バゲット、麦酒。

本日の音楽、Moonchild「Little Ghost」、Bell and Sebastian「Days of the Bagnold Summer」、(Sandy) Alex G「House of Sugar」。夜、黒麦酒を飲みながらRobert Frank『THE AMERICANS』(STEIDL)のページをめくる。

Tuesday, September 17

夏日。朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、ミニトマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、白米、茄子とかいわれの味噌汁、ねぎとろ、竹輪ときゅうり、枝豆、麦酒。

夜、Ryan Keberle & Catharsis「The Hope I Hold」を聴く。

続編が刊行されるというので、読み逃していた金成隆一『ルポ トランプ王国 もう一つのアメリカを行く』(岩波新書)を遅ればせながら読了。大統領選挙中のトランプ支持者の集会を取材したつぎのくだりが、しみじみとよい。

開始時間までもう少しある。会場の外で列を作っていた支持者の取材を始めた。すると、ちょっとしたトラブルに巻き込まれた。
「あなたリベラルなの!」
「ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の記者なの!」
支持者の女性を取材中、近くにいた別の女性が大声で騒ぎ始めた。すごい剣幕だ。
彼女の視線は、私が首からぶらさげていた入館証に向けられていた。私の勤務先の朝日新聞ニューヨーク支局は、NYT本社ビルに間借りしているため、入館証はNYTビルのもので「ニューヨーク・タイムズ」との記載がある。
これが誤解を招いた。ニューヨーク・タイムズ。この言葉はトランプ支持者の間では禁止用語に近い。トランプの問題点を追及する調査報道の記事を連発していたためだ。CNNやワシントン・ポスト紙に比べても、より激しい憎悪の対象になっている印象だ。
女性の騒ぎをきっかけに、周囲の人々が一斉に「あなたとは口をききません」と言い始め、取材を拒絶するようになってしまった。ここまでやって来て、トランプ支持者の取材なしに手ぶらで帰るわけにはいかない。慌てて事情を説明した。
アサヒシンブンはニューヨーク・タイムズと建物は同じだけど、まったく別の新聞を作っています。見て下さい、これが国務省発行の外国人記者証です。私は日本人です。とにかく思いついたことを何でも言ったが、なかなか信用してくれない。
「そもそもニューヨーク・タイムズの記者の英語がこんなに下手くそなわけないでしょ!」。
悲しいかな、こう叫んだら「言われてみれば」「確かにそうね」という雰囲気になり、理解者が現れた。

Wednesday, September 18

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、きゅうり、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、鱈と玉ねぎの白ワイン蒸し、レタスときゅうりとトマトのサラダ、レモンパスタ、麦酒。

夜、Kindness「Something Like A War」を聴く。木村伊兵衛『パリ残像』(Crevis)を読む。

Thursday, September 19

Shura「foreher」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、きゅうり、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、鶏肉とほうれん草と玉ねぎのコンソメスープ、麦酒。

夜、映画鑑賞。ビリー・ワイルダー『恋人よ帰れ!わが胸に』(1966年)を見る。無駄に運動量の多いジャック・レモンの挙動が愉しい。

Friday, September 20

東急線のフリーペーパー『SALUS』の発行元が、鉄道事業分社化にともなって東京急行電鉄株式会社から東急株式会社に変わっている。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、きゅうり、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、和幸でとんかつ。晩ごはん、牛肉のステーキ、クレソン、レモン、タコとオリーブ、バゲット、赤ワイン。

春夏コレクションが始まっているので、プロジェクターでその模様を見物する。最近の各ブランドは自社のホームページにコレクションの動画を実施後すぐ載せるので、自宅で勝手に「ファッション通信」が可能だ。「Prada」「Jil Sander」「Marc Jacobs」「Burberry」のコレクションを見る。

夜、Frankie Cosmos「Close It Quietly」を聴く。

Saturday, September 21

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。

近所の床屋で髪を切ってから渋谷へ。昼ごはんは渋谷の「本家しぶそば」で簡単に済ます。海老天そば。キャットストリート方面まで歩いて、白山眼鏡店で眼鏡を新調する。フレームを選んで検査を終えてできあがりを待つまでのあいだ、最近開店したらしい「cocoti SHIBUYA」のスターバックスでスイートポテトゴールドフラペチーノを飲む。スタバが芋を提供する。あたりの洋服屋を少しめぐって、ツタヤでDVDを借りて、レコードショップを覗いて、眼鏡を受け取って、帰宅。秋の空にふさわしく天気予報があまりあてにならず、折りたたみ傘を持参して外出するも、降られずに終わる。中沢新一『レンマ学』(講談社)を読み終える。

アイロンがけをしながら上原ひろみ「Spectrum」を聴く。晩ごはん、ほうれん草とベーコンのペペロンチーノ、梨、麦酒。

夜、赤ワインを飲みながらプロジェクターでミラノコレクションを鑑賞。ハイファッションの動向を追うのをやめてひさしいので、デザイナーもモデルも誰が誰やら感あふれつつ、「Marni」「Moschino」「Bottega Veneta」「Fendi」のコレクション動画を見る。

Sunday, September 22

天候は下り坂だと予報は伝えているが、午前中は爽やかな初秋の陽気。朝ごはん、ベーコン入りのスクランブルエッグ、サニーレタス、トマト、レモン、バゲット、ヨーグルト、珈琲。食後、部屋の掃除と片づけ。昼ごはん、ざる蕎麦。目黒の「とんかつ とんき」が表紙を飾っている『メトロミニッツ』(スターツ出版)に目をとおしてから、混沌としているクローゼットの断捨離作業を手伝う。夕方から雨粒が落ちてくる。お弁当のつくり置きとして、豚肉の味噌炒め、かぼちゃの醤油煮、人参とじゃがいもの蒸し煮、キャベツの白ワインビネガー蒸し、小松菜の胡麻油炒め、しめじと茄子のガラムマサラ炒め、をつくる。晩ごはん、蒸し餃子、わかめスープ、麦酒。夏のあいだ休眠状態だった蒸籠のひさしぶりの出番。夜、ミラノコレクションを見る。「Alberta Ferretti」「Missoni」「Armani」「Versace」を見る。最後に見落としていたニューヨークでの「Ralph Lauren」のコレクションも見る。ランウェイのあとのジャネール・モネイによるパフォーマンスのインパクトが強すぎて、コレクションの洋服がどんなだったか忘れる。

ユニクロを軸に最近の日本のファッション事情を解説する、米澤泉とMBの対談を興味ぶかく読む。
ユニクロが私たちの中で「ダサくなくなった」のはいつからか
インスタとユニクロで日本人の「おしゃれ」が変わった

読み進めていると、最後のほうにつぎのようなやりとりが登場する。

――月曜から金曜までスーツを着ている男性の中には、何十年もスーツ以外の服を全然買ってこなかったという人も多い。おじさんが土日に着る私服がひどいという話はよく聞きます。
MB:男性は結構危機感を持っていますよ。僕がやっているファッション指南のメルマガ読者は、当初から上の年代を狙っていたんですが、蓋を開けてみると思った以上に多かった。65歳で定年を迎えて、スーツを脱いだ瞬間に何着ていいかわかんなくなるんですよ。
米澤:65歳か。もうちょっと早く気付けなかったんですかね。
MB:いやあ、男は毎日スーツを着ているうちは、どうでもいいやって思っちゃうんですよ。だけど、いざ定年して第二の人生となった時、自分の服装ってこれでいいのかな?って思うけど、そんなにお金もかけられない。だからユニクロでかっこよくなる方法を教えてくださいって、僕のところに駆け込み寺のようにやってくるんです。

文脈の流れ上このように言っているだけで、おそらく対談者ふたりとも認識済みの事柄かと思うが、スーツばかり着ているその男性たちのスーツの着こなしがばっちりきまっているかといえばそんなことはない。全然ない。というか、大抵ひどい。文化的土壌と気候を踏まえてはたして日本人がスーツを着用する意味があるのかという根本的な問題はあるのだが、それはさておき、ある程度決まった方程式の計算間違いをしなければ、スーツを着こなすのはさほど難しくないはずだが、ぱっとしないスーツ姿の男性で世の中はあふれている。スーツでそうなのだから、いわんや私服をや。一般に、大人になってからあなたの格好がいかに駄目かを容赦なく指摘してくれる人なんてまずいないので、仕方のない話ではあるけれども。