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Wednesday, May 1

今年はバウハウス100周年なので、ベルリンを旅するついでにデッサウを訪れてバウハウス校舎を見学する計画を立てていたのだが、結論からいうとドイツ鉄道のせいでデッサウには行けなかった。ベルリン中央駅に到着した列車の座席につき、スマホのアプリで運行状況を確認しながら発車を待っていたら、信号機故障だとかでなかなか出発しない。現在運行中の列車のなかに乗り継ぎなしでデッサウに向かう路線がなく、ルターシュタット・ヴィッテンベルク駅で乗り換えをしなければならないのだが、アプリを見ていたらその駅に「Stop cancelled」との警告が。遅延ならまだしも、目的の駅に停車すらしない。慌てて列車から降りて、駅ホームにいた係員に確認すると、ルターシュタット・ヴィッテンベルク駅には止まらないのでべつの行き方を紹介してくれる。しかしそのルートは事前に調査済みで、ドイツの田舎駅まで列車で行ってからバスで1時間弱かけてデッサウに向かう方法で、リスクが高すぎるしそもそもデッサウ滞在時間が狂いまくるものだから、やむなくデッサウは諦めることにした。無念。それにしても予定している停車駅をすっ飛ばすって、日本の鉄道の常識が染みついている身には、想像を超える話である。

気を取り直して、当初の計画では漏れてしまったベルリンの行きたかったところに赴く。電車とバスを乗り継いで、ベルリン中心部から離れた場所(といっても郊外というより緑豊かな場所に瀟洒な住宅がならんでいるので軽井沢みたいな雰囲気)にあるブリュッケ美術館を訪れる。ドイツ表現主義の作品を展示するこじんまりした心地よい美術館。このたびの旅行では巨大な美術館ばかりを見てきたので、なんだかほっとするスケール。

バスと電車でベルリン中心部に戻ってくる。本日はメーデーなので一部の飲食店などをのぞき、ほとんどの店舗がお休み。ベルリンでは活発にデモをおこなうようで、プラカードをもった人がどんどん電車に乗り込んでくる。

博物館島のそばにあるDDR博物館を訪れる。旧東ドイツの生活ぶりがわかりやすく展示されている。展示方法も凝っていて、楽しい。ショップで東ベルリンの中心部にあった共和国宮殿について解説するビジュアルブックを買う。

ベルリン最後の晩ごはんとして選択したのはラーメン。トラムに乗って「匠 NINE」を目指す。日本人が日本語で接客してくれる。札幌味噌ラーメンを注文したところ、値段はともかく(高いのだ)、味は日本のラーメン店とじゅうぶん張り合えると思えるもので、とても美味しかった。

夜、ホテルの部屋でテレビを見ていたら、例年どおり、クロイツベルク地区のメーデーのデモは一部暴徒化したらしい。