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Monday, February 18

インフルエンザ発症から回復したての身体は、症状として列挙できるようなマイナス要素など存在しない健康体であるにもかかわらず、どことなく違和感が漂う。心身がちぐはぐ。

青柳いづみこ『ドビュッシー最後の一年』(中央公論新社)を読む。

夜ごはん、白米、鮭と長ねぎの味噌汁、白菜の漬物、麦酒。

Tuesday, February 19

『みすず』(みすず書房)の読書アンケート特集から気になった本をメモし、これから読む書物のリストに順次追加している。いま読んでいるのは、アンケートで複数人が薦めていたダニエル・ヘラー=ローゼン『エコラリアス 言語の忘却について』(関口涼子/訳、みすず書房)。ところで、今年の読書アンケートでいちばん印象に残ったのは、増田聡によるつぎのくだりだ。

丸山真男『日本の思想』岩波新書、1961年
ほぼ30年ぶりに再読した。学生時代に読んだ際には全く意義がわからず、特に第1章は何のために何を論じているのか理解すら及ばなかった。恥ずかしながら50歳手前になって読み返すと首が痛くなるまで頷く指摘ばかりである。何故、こんにちの日本でネット右翼がはびこる一方で、文科省が大学にくだらない空論に基づく指示ばかり下すのか。予言的なまでに明瞭に説明している。「近代主義リベラルの権威」という箱にほうり込んだまま、再読もせずボーっと人生の過半を過ごした無能の私はようやく後悔を噛み締めている。
本書は大学1年の教養課程の授業「社会思想」の課題図書であった。現代思想かぶれの若造が本書をロクに読めもしないまま批判らしきことを書きつらねて提出したレポートに対し、担当の大林信治先生が赤字で「この思想は時代遅れということでしょうかねえ」と皮肉を記し返却してくれたことを思い出す。30年近く経ってようやくその意義が沁みる授業もある。気づくのが遅すぎる。

夜ごはん、白米、玉ねぎと大根の味噌汁、焼き魚(ほっけ)、しらす、芽キャベツ、白菜の漬物、干し柿、麦酒。

Wednesday, February 20

カール・ラガーフェルド死去の報せ。

インフルエンザ感染以降、ただでさえ疲れやすい身体が、余計に疲れやすくなっている。

フリーペーパーを二冊。『メトロミニッツ』(スタース出版)と『SALUS』(東急電鉄)。

夜ごはん、白米、大根と大根の葉の味噌汁、豚の角煮、麦酒。

Thursday, February 21

会社帰りにTSUTAYAとスターバックスが合体した店で、さくらフルプラペチーノを飲みつついくつかの雑誌を流し読み。目をとおしたのは、『GINZA』『& Premium』『POPEYE』『Casa BRUTUS』『FUDGE』『CLUÉL』『OZ magazine』。

Friday, February 22

夜、自宅シネマ。『善き人のためのソナタ』(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク/監督、2006年)を鑑賞。公開当時気になりつつも放置しつづけた映画を今頃になって見る。とてもいい映画だった。

Saturday, February 23

図書館と食材調達で出掛けた以外は、終日自宅にて。フランスを特集している『MONOCLE』3月号を読む。

夜、自宅シネマ。『宗方姉妹』(小津安二郎/監督、1950年)を再見。この映画のタイトル、ずっと「むなかたしまい」だと思っていたのだが、「むねかたきょうだい」と読むらしい。

Sunday, February 24

ドナルド・キーン死去の報せ。日本人が自国の文化に冷淡であることをドナルド・キーンはしばしば憂いていたが、じぶんの生まれた国の文化を誇りに思う義務などまるでないと思っているので、その主張にはあまり首肯できず。もっともそれはそれとして、ドナルド・キーンに対して親しみをおぼえるのは、以前にわたしが住んでいた場所とドナルド・キーンが住んでいた場所がわりとご近所だったからだ。ちかくのスーパーでその姿を見かけたこともある。東京新聞に掲載されたエッセイ [1]にじしんの住まいについて書いているけれど、旧古河庭園を借景とするマンションといわれれば、この地域に土地勘があると、嗚呼あのマンションか、とすぐにわかる。

自宅で読書。小川原正道『小泉信三 天皇の師として、自由主義者として』(中公新書)、清水真人『平成デモクラシー史』(ちくま新書)、三井徹『戦後洋楽ポピュラー史 1945-1975 資料が語る受容熱』(NTT出版)。

近所の花屋で観葉植物と梅の枝を買う。

夜ごはん、豚肉のステーキ、グリーンリーフのサラダ、フライドポテト、赤ワイン。

今週聴いたもの。
・A Foreign Sound / Caetano Veloso
・Todas as Coisas e Eu / Gal Costa
・Mozart: Complete Works for Violin and Orchestra / Henryk Szeryng
・Bach: Keyboard Works / Helmut Walcha
・Portrait in Jazz / Bill Evans Trio
・Waltz for Debby / Bill Evans Trio
・Assume Form / James Blake

  1. ドナルド・キーンの東京下町日記:一目ぼれして38年同じ部屋 []