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Monday, July 16

海の日。les mille feuilles de libertéで購入したほとんど蕾だったユリの花が咲き誇りはじめる。

FIFAワールドカップでフランスが優勝し、歓喜というよりほとんど暴動寸前のような群衆が渦巻くパリの映像を前に、あらためてフットボールという競技の野蛮さを思う。徹頭徹尾、野蛮極まりないスポーツである。パリの光景を見ると、渋谷のスクランブル交差点で暴れている者たちなど子供のお遊戯でしかないが、日本はお遊戯のままでよいのではとも思う。

『リュミエール!』(ティエリー・フレモー/監督、2016年)を見る。リュミエール兄弟が10年間のうちに製作した1422本の短編作品から108本を選んで再構成したもの。どの映像も構図が素晴らしい。リュミエール以後の映画の歴史が、はたしてどれほどリュミエールたちが残した構図を超えられただろうかと思ってしまうほど、見事な構図。

夜ごはん、トマトグラタン、トマトとレモンとサニーレタスのサラダ、赤ワイン。

Tuesday, July 17

堀江敏幸『オールドレンズの神のもとで』(文藝春秋)を読む。例によってさまざまな媒体に執筆してきた文章をまとめたもの。ただしエッセイではなく小説。つまりは短編集。堀江敏幸の書くものは小説よりもエッセイのほうが好きだったのだが、最近のエッセイの文体はかなりのしつこさなので、小説のほうが好ましいのではないかという感想を抱きはじめている。

ウラジオストクとハバロフスクを特集した『Maybe!』vol.5(小学館)を読む。

夜ごはん、牛肉のソテー、サラダほうれん草、トマト、チーズ、アボガド、麦酒。

Wednesday, July 18

地獄のような暑さがつづく。2020年の夏に実施するという東京オリンピックについては、「馬鹿なの?死ぬの?」との侮蔑表現がこれほどぴったりあてはまる事例もないのではないかという気がしてくる。

山本義隆『近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻』(岩波新書)を読む。本書における山本義隆の歴史叙述はどこか単線的な印象を受け、すべてが最終章の原子力批判に向かって書かれているように読めてしまう。ところで、駿台予備校のホームページを参照すると、直近の大学合格者の声として「山本先生にお世話になりました」との記述があって、いまだ現役で予備校の教師業をやっていることにおどろく。

夜ごはん、素麺、キムチ、枝豆、麦酒。

Thursday, July 19

熱中症への注意喚起がさかんに喧伝されているが、炎天下のなか数十分歩いて虫取りにでかけたり、運動部の部活動を強行したり、エアコンのない体育館で講演会をやったりと、小中高の教育機関における融通のきかない低脳なふるまいが話題になっているという。自身の来し方を振り返ってみて、教師なんて声のでかいことだけが取り柄の中身がからっぽな連中ばかりだったことを思い起こせば、「学校の先生」と呼ばれる人びとの大半が滑稽な存在であることに別段おどろきはない。教員採用試験に合格しただけの人びとに、なにかを期待するほうが間違っている。ところで聞くところによると、水分補給を必要とする季節であるにもかかわらず水筒の持参を禁止している小学校もあるらしい。意味がわからない。水筒が禁止ならばスキットルはどうだ。スキットルをランドセルにしのばせる小学生。

ピーター・ロス・レンジ『1924 ヒトラーが“ヒトラー”になった年』(菅野楽章/訳、亜紀書房)を読む。

夜ごはん、ちらし寿司、しめじと万能ねぎのお吸いもの、麦酒。

Friday, July 20

午後半休を取得。渋谷のツタヤでDVDを借りてから、ヒカリエに向かってd47食堂で昼食をとる。帰りの電車での移動中に池上俊一『フィレンツェ 比類なき文化都市の歴史』(岩波新書)を読む。帰宅後、あまりの暑さに身体が音をあげたため、しばし仮眠。どっと疲れる。

夜、鶏肉と玉ねぎとセロリのコンソメスープを食べながらの映画鑑賞。『くたばれ!ヤンキース』(タンリー・ドーネン、ジョージ・アボット/監督、1958年)を見る。

Sunday, July 22

新宿ニュウマンにある「SUSHI TOKYO TEN、」で昼ごはん。メニューのない鮨屋ですべておまかせ。若い寿司職人が全員坊主頭で、なんだかコスプレっぽい。お鮨はどれもおいしくて満足。

新宿から竹橋に移動し、パレスサイドビルのスターバックスでしばし休憩。毎月食をテーマにした特集を組むフリーペーパー『メトロミニッツ』(スターツ出版)の今月号は、表紙の写真が古書往来座で特集は池袋。コンセプトが変わったのだろうか。

東京国立近代美術館で「ゴードン・マッタ=クラーク展」を見る。ギャラリートークにも参戦。ラフな格好で現れたくるぶし男子二人(本展を企画した学芸員の三輪健仁と設営デザインを担当した建築家の小林恵吾)の話はとてもおもしろかった。会場や図録に記すほどでもないけれど設営時に意識したことなどが語られ、そのうちのひとつに、フェンスで囲まれた展示場所のサイズはゴードン・マッタ=クラークがニューヨークで購入した土地の広さと同じになっているというのがあって、それは積極的に説明したほうがいいんじゃないかと思った。言わなければ誰もわからない。

夜ごはん、レモンとライムをのせた冷麺、牛肉とほうれん草の炒めもの、麦酒。

Sunday, June 23

暑すぎるので家から一歩も出ないで過ごす。

『ディオールと私』(フレデリック・チェン/監督、2014年)を見る。クリスチャン・ディオールのアーティスティックディレクターに就任したラフ・シモンズが、オートクチュールのコレクションを発表するまでを追ったドキュメンタリー映画。この数年後ラフ・シモンズは突如退任することになるのだが、真相は不明だけれど辞めたくなる気持ちもわからなくはないくらい凄まじいプレッシャーとの戦いであることが本作を見るとよくわかる。

うなぎの絶滅が危惧されているので、いまこの時期にうなぎを食べるなんて良識的な人びとの感情を逆撫でするような行為だと聞いたので、今夜の夕食はうな重とお吸い物と麦酒。