335

Monday, August 7


クラクフ(ヴィエリチカ)

雨。

[朝]ホテルのレストランにてバイキング

ホテルのレストランには観葉植物がたくさん置かれている。今朝もモリモリ食べる。ホテルを出ると、旧市街を囲む道路は絶賛工事中だ。道路ごと掘り返している。クラクフ本駅前には大きなショッピングセンター、ガレリア・クラコフスカができていてすっかりイマドキの街なのだが、駅構内やコンコースには昔ながらのパン屋が変わらずある。12年間で変わったのは、昔は暇そうにぼうっとしていた店番の人たちが、いまでは暇な時はみなスマホをいじっていること。

・ヴィエリチカ岩塩坑

きょうはヴィエリチカ岩塩坑を観光する。ここにもまた来ることができるなんて、しかも夫と、といちいち感激して自分でもうざったい。雨降りだけど、本日はしばらく地下にいるのでよしとする。世界遺産でもあるヴィエリチカ岩塩坑は地下約330mに位置する採掘坑なのだ。岩塩坑内ではとにかく、歩いて歩いて歩いて、歩いて歩いて歩く歩く。シャンデリアがぶら下がる大広間に出ると、やはり壮観で、感激する。大勢の観光客と一緒に、写真を撮る。また今回も売店で塩を買った。出口までもまた延々歩く。騙されているのでは? と不安になるくらい歩いた。おまけになんだか辺鄙なところに出て、駅にたどり着くまでちょっと難儀した。ヴィエリチカ岩塩坑観光にはもうひとつ、坑夫の服に着替えて採掘体験をするという本気の観光ルートがあるのだが(12年前にあっただろうか? そんなマニアックなコース…)、そちらの出口に出されたような感じだった。よくわからないけれど。

・旧市庁舎の塔
・聖マリア教会
・織物会館

クラクフに戻り、中央広場へ。聖マリア教会の内装はポーランドの至宝ですね。これは一度は見たほうがいい。絢爛、壮麗の極み。

[昼/夜]Restauracja Jaremaにて、ボルシチ、ピエロギ、ペリメニ、ビール

ボルシチの中にはワンタンのようなものが浮かんでいて、ペリメニかと思いきや後ほど調べるとこれはウシュカというものらしかった。違いがよくわからない。ピエロギとペリメニは飴色玉ねぎのソースやサワークリームを添えて食べる。とにかく美味しい。もっといろいろ食べたくて仕方ないのだけれど、さすが量が多く、すぐにお腹いっぱいになってしまう。どうやら2人で2500円くらいとのこと。安すぎだろう。昼下がり、窓からは暖かい西日が射し込んでいて、ここはcozyという言葉がぴったりな、長閑で、親密さにあふれていて、時間帯もあってそれほど混み合っていなくて、店員さんも親切で、心から寛げる、また絶対訪れたいレストランだった。

・ショパン・ギャラリーにてショパン・コンサート

いったんホテルに戻り、夜は、旧市街にあるショパン・ギャラリーでショパン・コンサートを聴く。旅行者向けというか、あらたまった服装で来る必要もなく、極めてラフに1時間ほどピアノ演奏を聴けるコンサートだ。12年前はオペラを観たけれど、こういうこじんまりとしたコンサートも素晴らしい。エントランスにいた若い男性に上階に進んでくださいと丁寧に案内され、受付では陽気なギャラリーのおじさんにどこから来たの? 日本から? ワァオ! と歓待され、サケ! サケ! と連呼された。シャンパンの1ドリンク付きだからね、って言いたかったのかな? 日本語知ってるよ、のアピールだったのかな。コンサートは知っている曲もたくさんで、わたしの好きな曲も数曲聴くことができてとてもよかった。旅先で音楽を聴くのは本当にいいな、これからも必ず音楽のイベントを行程に組み込みたいものだ。

コンサート終わり、また中央広場に戻る。中央広場は陽気な音楽を演奏する若者たちに人だかりができていたり、大道芸をやっている団体がいたり、お祭り状態で、幸福感に包まれている。夜になっても遊びつづけろ。いつまでも佇んでこの景色を見ていたかった。後ろ髪をひかれる思いでホテルに戻る。途中、店内で道化師がダンスをして大いに盛り上がっているレストランの前を通りがかった。中にいるのは日本人旅行客のように見えた。