335

Monday, August 7

クラクフではホテル・フランクスキに宿泊。旧市街を囲む道路が工事中との情報は仕入れていたが、道路を丸ごと掘りかえす壮大な工事だとは予想していなかった。バルバカンを写真に収めようとすると目の前は道路工事である。

午前中はあいにくの雨模様だったが、本日の目的地はヴィエリチカ岩塩坑なので問題ない。ずっと採掘坑のなかにいるので外の天気は関係なし。世界遺産に登録されている観光地だが、3時間くらいずっと岩塩坑の内部を歩かされるので観光としては結構たいへんな場所である。渡航前、クラクフを観光した人の旅行記を読むと、ヴィエリチカ岩塩坑とアウシュヴィッツ強制収容所を一日のなかで抱き合わせで訪れている人がわりといて、すごいと思った。体力のない人間には無理な話である。ところで、ヴィエリチカ岩塩坑までの行き方を紹介しているウェブサイトはたくさんあるのだが、帰り方のほうが重要である。ヴィエリチカ岩塩坑の観光ツアーには、坑夫の服装に着替えて採掘や運搬を疑似体験できる「Miner’s Route」というものが存在し、そもそもの入場口が異なるのだが、どうやら帰りはそっちから出されたっぽい。入口と出口は一緒だろうと思っていたので、知らない街で駅がどっちにあるのかわからず少し迷う。

午後は晴れる。クラクフ旧市街に戻って、旧市庁舎の塔と聖マリア教会と織物会館をめぐる。聖マリア教会の壮麗な装飾が素晴らしい。ワルシャワで訪れた教会と同様、この教会も完全に観光地化されているが、祈りを捧げている現地のポーランド人と思しき人がいる。こんなに観光客が賑やかななかで神に祈りはつうじるのかと余計なお世話なことを考える。

昼食兼夕食としてRestauracja Jaremaでポーランド料理を食べる。ポーランドは食事の物価が安く、レストランで満腹になるまで食べて飲んでも、ひとり3000円を超えることはまずない。Jaremaではスープとピエロギとビールを注文したのだが、ふたりで86ズウォティである。1ズウォティ=30円で計算すると2580円。安すぎである。

夜、旧市街にあるショパン・ギャラリーでピアノ演奏を聴く。一年を通して毎日午後7時からさまざまなピアニストがショパンの曲を演奏するギャラリー。1時間ほどショパンの楽曲に耳を傾ける。受付の陽気なおじさんに日本から来たと伝えると、サケ! サケ! というので何かと思ったら1ドリンク(シャンパン)つきなのだった。