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Monday, June 20

品川駅で山手線の車両から煙が出ているとのことで、朝の通勤時間帯のダイヤが大幅に乱れる。疲弊。通常と異なる迂回したルートを経たら会社への到着が30分程遅れ、やる気が限りなくゼロに接近する。

東京都市部の交通網の凄惨さを体験した日にモノクル誌による毎年恒例の都市ランキングを確認したところ、昨年にひきつづき今年もまた東京が1位であった [1]。日本に好意的すぎる媒体によるランキングなのである程度さしひいて捉える必要があるけれど、東京は、書店の数が世界のどの都市よりも群を抜いて多いことがこのランキングを見ているとよくわかる。

朝食、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、蛸とベーコンのパスタ、赤ワイン。

Tuesday, June 21

行きの通勤電車で吉見俊哉の都市論集成とでも呼ぶべき『視覚都市の地政学 まなざしとしての近代』(岩波書店)を読んで、帰りの通勤電車でおなじく吉見俊哉の『「文系学部廃止」の衝撃』(集英社新書)を読んだ。

朝食、ピザトースト、茹で卵、珈琲。昼食、弁当。夕食、ざる蕎麦、ほうれん草のおひたし、塩辛、漬物、枝豆、麦酒。

Wednesday, June 22

朝食、目玉焼き、トマトとかいわれのグリル、トースト、ブルーベリージャム、珈琲。昼食、弁当。

衣食住のうち「住」に問題が発生して不動産屋と相談。なんやかんやで疲れて夕食は近所のカフェで。

Thursday, June 23

夏目漱石の『行人』(岩波文庫)を読み始めるも、住居の問題が気にかかって読書はあまり捗らず。

朝食、パンケーキ、珈琲。昼食、弁当。夕食、ナポリタン、バゲットとツナ、麦酒。

Friday, June 24

朝食、ベーコンポテトドッグ、ミニトマト、珈琲。

iPadでエコノミスト誌の更新を確認すると冒頭に編集部からの通知があり、EU残留/離脱を決めるイギリスの国民投票の結果が判明する前の更新なので、結果が判明したら記事を追加するからいったん今週号を削除して再ダウンロードしてほしいとのこと。デジタル版ならではの手法。

午後半休を取得して六本木へ。Fjordでチキンカレーを食べてから、AXISビルに足をのばして荒木経惟の展覧会をふたつ見る。IMA CONCEPT STOREでの「センチメンタルな旅 コンプリート・コンタクトシート」展とタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムでの「写狂老人A 76齢」展。近年のアラーキーの写真の随所に登場する怪獣や蛇のおもちゃがいつも気になる。

AXISビルに向かう途中、スヌーピーの絵柄の入った袋をもった若い女性グループとすれ違い、そういえばこのあたりにスヌーピーミュージアムが存在したはずだと探したら、東洋英和女学院のそばにあった。ミュージアム入口の警備員のおじさんは、警備をしている人というより、渡されたカメラで来場者たちの記念写真を撮る人と化している。半年ごとに展示の入替があるというのを考慮しても、ミュージアムの中身は六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで以前に開催されたスヌーピー展のほうがはるかに充実しており、このたびのミュージアムの料金が2000円というのは高すぎる。そして当然のごとく会場の最後に待ち受けていたのは、物販フロア。

ピラミデビルに移動。WAKO WORKS OF ARTで「Gallery Show」、YKG GalleryでNerhol「multiple – roadside tree -」、ZEN FOTO GALLERYで楠哲也写真展「American Monuments」を見る。

六本木ヒルズのフランツィスカーナーでドイツビールを飲みながら休憩中に、イギリスの国民投票の結果を知る。

森美術館で「六本木クロッシング2016展」を鑑賞。おもしろい作品が多かったが、なかでも藤井光の映像作品「帝国の教育制度」がよかった。帰りに展望台に寄ったら、外国人観光客が数名いるだけで閑散としている。

夕食は近所の焼鳥屋で。

Saturday, June 25

イギリス国民投票の結果が大々的に報道されて、EU脱退の結果を受けて急激な円高と株価の下落が生じたからだろうが、そんなに日本で関心があったのかと驚く。キャメロン首相が国民投票の実施を公約として掲げた当時、これは危険な賭けだと評する記事が存在したが、その予想は現実のものとなった。選挙結果は、感情が合理的思考を超えてしまった印象。離脱派の票が伸びた要因として、経済的な困窮にあえぐ労働者層によるエリート層への反発が大きかったと論じるものがあり、ある程度妥当な指摘だとは思うが、しかしながらEUを脱退したところで経済問題が解決するわけではない。むしろEU離脱によってイギリスがこれから経験するのは試練ばかり、というのが穏当な合理的判断であろう。

本棚の整理と生活雑貨の買いもので一日が終わる。

朝食、チーズトースト、茹で卵、珈琲。昼食、お粥、漬物。夕食、白米、油揚げと茗荷の味噌汁、焼き茄子、エシャレットと味噌、鯵の干物、小松菜と油揚げの炒めもの、麦酒。

Sunday, June 26

VOGUEのInstagramにいまよりずっと若い頃のビル・カニンガムの写真が掲載されていて、もしやと思ってニューヨーク・タイムズ紙のウェブサイトを確認したら、訃報欄に彼の記事があった。

快晴。布団を干す。終日ラジオ。

日本経済新聞を読んだらファイナンシャル・タイムズ紙の翻訳を含めイギリスのEU脱退の分析記事がならんでいたのだが、いちばん印象に残るのはテレビ欄の文章の酷さで、いまのテレビ欄はこんな事態になっているのかと驚く。エクスクラメーションマークを多用しすぎである。

朝食、ソーセージ、目玉焼き、サニーレタス、バゲット、珈琲。昼食券夕食、焼肉、麦酒。

  1. MONOCLE / Top 25 cities, 2016 []