252

Monday, January 11

朝ごはん、ロースハムとミニトマトとほうれん草のグリル、バゲット、ヨーグルト、珈琲。『お引越し』(相米慎二監督、1993年)を観る。この傑作がやっとやっとDVDになって、本当によかった。レンコがあのシーンでカメラ目線になるって、今回観て初めて気づいた。

ロースハムとキャベツとケッパーのアンチョビパスタ、しらすのグリーンサラダ、ビールの昼食をとり、支度をして出かける直前、デヴィッド・ボウイの訃報がTwitterに流れてきて、あっという間にタイムラインはボウイ一色になった。こんなにみんながボウイ大好きだって知らなかった。もちろんわたしだってボウイはものすごくカリスマ的な魅力を持った人だってわかっている、が、みんな普段そんなにボウイの話してないのに! もっと普段から自分の好きなものや人の話をしようよー!(してる?)

夜は、鶯谷にある東京キネマ倶楽部で二階堂和美の大新春祭 with Gentle Forest Jazz Bandに参戦。二階堂和美とビッグバンドって絶対相性いいだろうなと感じていたが、想像以上にドンピシャではまっていて気持ちよかった。

Saturday, January 16

今年最初の美容院の後、近くの公園を散歩してから、新宿に出て諸々の買い物。帰宅すると、先日unicoで注文したひとりがけのソファと(文机的な)ローテーブルが届いて、室内にセッティングされていたのでワオ! と小躍りした。(文机的)ローテーブルを見て、これは読書が捗るなーと考えて、そういえば子どもの頃から、炬燵で、ぺたりと座った状態で、本を読んだり日記を書いたりしていて、結局その姿勢に慣れているのだなあとあらためて思った。いま、炬燵は要らないけれど、(文机的)ローテーブルは本当に求めていたもので、嬉しい。

図書館に行き、『文學界』2016年2月号(文藝春秋)の「蓮實重彦 まだ十五歳でしかない彼女の伏し目がちなクローズアップの途方もない美しさについて ──山中貞雄監督『河内山宗俊』 」と、『新潮』2016年2月号「原節子と戦後/四方田犬彦」の、2つの原節子追悼原稿を読む。

京都の「ヌーヴェル・ヴァーグ」の中心人物だった山中貞雄のこの作品は、昭和十一年、すなわち一九三六年に撮られた。それは、一八九五年に映画が生まれてからまだ四十年しかたってはいない時期の映画なのだが、山中貞雄のここでの雪をめぐる演出は、内外のどんな巨匠たちのそれにも劣らず、文字通り天下一品というほかはない。いまから八十年も前に日本の二十六歳の監督が日本の十五歳の主演女優に向けたキャメラは、こと雪の降り方に関するかぎり、世界一のイメージにおさまっているといっても過言ではない。実際、百二十年余の歴史を通して、映画にはあまたの雪が降っているが、これより繊細な舞い方で画面をいろどる雪は皆無だといってよい。これこそ、世界の映画史でもっとも美しい雪にほかならない。
(「蓮實重彦 まだ十五歳でしかない彼女の伏し目がちなクローズアップの途方もない美しさについて ──山中貞雄監督『河内山宗俊』 」『文學界』2月号 pp.194-195)

夜はホットプレートを出して、焼肉(牛肉、玉ねぎ、もやし)。ごはん、わかめスープ、しらすとミニトマトのグリーンサラダも添えて、ビールを飲む。

Sunday, January 17

午後は、ごぼうのピリ辛煮、蓮根の柚子胡椒炒め、紫玉ねぎのピクルス、もやしのナムルなど常備菜をいくつかこしらえ、わりと長い時間台所にいたのだけれど、日曜15時から18時までのラジオ番組「LHR – London Hit Radio-」(InterFM)が3時間、デヴィッド・ボウイの曲だけをかけて追悼特集をしてくれたので、それをずっと聴きながら作業をしていた。今週はもう、どの番組もデヴィッド・ボウイ一色だったな。夕食、ビーフステーキ、下仁田ねぎとタコのマリネ、しらすのグリーンサラダ、胚芽ブレッド、赤ワイン。