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Saturday, September 12

毎日毎日雨ばかりだ。きのうはやっとやっと晴れたが、今朝も、東北で続く大雨で河川が氾濫し、市街地が浸水するニュースを見聞きして、気持ちが塞ぐ。

支度をして出かける。フランクリン・アベニューで、アボカドバーガー、フライドポテト、グリーンサラダ、ビールをいただく。きょうはついに、初めて、窓際の特等席に座ることができなかった。開店間もない時間に行ったけれど、すでにお客さんがいっぱいいて、わたしたちは奥の一段上がったコーナーに案内された。でも案内された席の隣にはアップライトのピアノがあり、そのピアノの上には、フレッド・アステアとジンジャー・ ロジャースが舞い踊る写真が飾られていたので、そんな写真が飾られていることを知っただけでも、この席に案内されてよかった、と思った。

原美術館で「そこにある、時間 - ドイツ銀行コレクションの現代写真 -」を観る。ルイジ・ギッリ、カンディダ・へファー、佐藤時啓、杉本博司、ベッヒャー夫妻など、すでに知っている写真家の作品はやはり良いなあ、と思う。特に今回はルイジ・ギッリの作品が素晴らしいなと、あらためて見入った。あとシグマー・ポルケの写真作品を初めて観ることができたのは収穫だった。

次は目黒へ。庭園美術館で「アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS」展を観る。“当館所蔵のオリジナルの家具や調度品等を用いて、本来の邸宅としての空間の再現を試みる”内容。入ってすぐの大広間の片隅にひそやかに1枚の絵が飾られていて、近づいてみるとレンピッカの作品で嬉しくなった。だから3名のコレクターによるコレクションも期待したのだけど、油絵は展示されていなかった。バルビエと、先日のエリック・サティ展でもたくさん目にしたシャルル・マルタンのポショワールがあったのはよかった。鑑賞後、通りをはさんで美術館の向かいにある珈琲店、Jubilee Coffee and Roasterでアイスコーヒーを飲みながら休憩。

今週は、ウィリアム・トレヴァー『恋と夏』(谷垣暁美/訳、国書刊行会)、ロベルト・ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』(野谷文昭/訳、白水社)、島尾ミホ『海嘯』(幻戯書房)などを読み終えた。