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Monday, August 10

夕食後、『GF*BF』(ヤン・ヤーチェ監督、2012年)を観る。かつてTLで絶賛されていたのも頷ける、傑作だった。ベッドに入ってからもじわじわくるものがあり、なかなか寝付けなくて困った。

Wednesday, August 12

きのうの朝、目が覚めて、いちばんに『GF*BF』のことが頭に浮かんだ。観た直後よりも、後からあれやこれやと思い返して考えてしまう映画だ。

きょうは『6才のボクが、大人になるまで。』(リチャード・リンクレイター監督、2014年)を観た。えーとこれはパトリシア・アークウェットとイーサン・ホークの映画ですね。アークウェットが発する台詞のすべてが良い。

Thursday, August 13

Bunkamura ザ・ミュージアムで「エリック・サティとその時代展」を観る。展示ラストにあった、サティ作曲、シャルル・マルタン挿絵の楽譜集『スポーツと気晴らし』を映像化した作品が面白かった。ピアノ演奏は高橋アキ。

夜は渋谷のTharrosにて、前菜4種盛り合わせ、ムール貝とハモのマリネ、サラダ、カラスミのスパゲティ、ポテトの香草オーブン焼き、スプマンテ1杯、赤ワイン1杯、白ワイン1杯、食後酒(ミルトロッソ)1杯をいただく。何もかも大変美味しかった。ずっと気になりつつなかなか来ることができなかったお店だけど、お気に入りになった。ところで食後酒が何たるかを知らずに頼んだところ、アルコール度数30%のお酒が運ばれてきて仰天した。調べてみたら、ざっくり言って食後酒というのは強いか甘いかのお酒で飲食に疲れた胃を活性化させる働きがあるそうで、そうか、昔は何も知らずに食後にグラッパや電気ブランを飲んだりしていたけど、実際そういう効用があったのか。って、あったのかな? 酔っ払って帰宅。

Friday, August 14

銀座へ。gggで「ラース・ミュラー 本 アナログリアリティー」を、資生堂ギャラリーで「絵画を抱きしめて Embracing for Painting〈Part1: 絵画との出会い〉」を鑑賞。書物の装丁やブックデザインについては、いいなあと感じ入り、愛着がわくものももちろんあるけれど、その一方でそれほど情熱をもって愛玩したり追求したりしたいという欲望はない。だから、ミュラーのタイポグラフィやエディトリアルデザインは二の次で、たまたま手に取ったペーター・ツムトアの建築写真集が素敵だったため、その写真に見入ってしまった。

資生堂ギャラリーのほうは、大好きな3人の女性画家(阿部未奈子、佐藤翠、流麻二果)の展示。どれも素晴らしい。佐藤翠はクローゼットの作品、あれほど数多く描いているとは知らなかった(本人のサイト [1] でたくさん見られる)。そしてやはりどこかフランシス・ベーコンの絵を想起させるところがある。今度は流麻二果の絵をまとめてじっくり観てみたい。

その後、ソニービルにナディッフができたというので行ってみたが、なんと『ニァイズ』は置いてなかった! 尾仲浩二が6月にリトルプレス(本人は写真同人誌と言っている)『街道マガジン』を創刊していたことを知り、購入。

日比谷線で恵比寿に移動。恵比寿のナディッフで無事『ニァイズ』を入手する。夜、Rue Favartで、和牛生ハムとイチジク、ニース風サラダ、帆立のソテーラタトゥイユ添え、鴨のコンフィ、パテ、赤ワインを2杯。安定の美味しさ。帰り道、雨に街が冷まされて、意外と涼しかった。

Saturday, August 15

弥生美術館で「森本美由紀展」、文京区立森鴎外記念館で「鷗外を継ぐ―木下杢太郎展」を観る。森鴎外記念館(鴎外旧居跡地)は初めて行ってみたけれど、とてもモダンで美しい建物だった。森鴎外について資料をじっくり読み、できる限り頭に叩き込む。ラストの映像ルームでは、森まゆみ、加賀乙彦、安野光雅、平野啓一郎のインタビューを面白く観る。皆さん好きな作品を挙げていたのでそれらを参考にしよう。

「森本美由紀展」では、ジェーン・バーキン&セルジュ・ゲンズブールの映画『スローガン』のパンフ付録だった、ジェーンとセルジュのなれそめを描いたコミックの原画を見ることができて感激。家に帰ったら読み返そう! と思ったけれど、パンフは不覚にもどうやら実家に置いてきたらしい。

夜は稲毛屋で、ずっと食べたいと思っていた鰻についにありつく。鰻重、ししゃもこんにゃく、タコの甘辛胡麻和え、ホタルイカの塩辛、瓶ビール2杯。鰻重にはお吸い物とお漬物とオレンジがついている。古書ほうろうで古本3冊、映画パンフレット2冊買って帰る。

Sunday, August 16

午前6時起床。それほど暑くないので、クーラーをつけずに窓を開けて風を通す。もう6時台だというのに外の空気がひんやりしていて驚く。ソファに座ってしばらくぼうっとしているうちに蒸し暑くなってきたので窓を閉め、クーラーをつけた。ああ、夏よ、終わらないで。

『街道マガジン』1号(尾仲浩二責任編集、KAIDO BOOKS)を読み、洗濯物を干す。少し曇りがち。朝ごはん、ホットケーキ、ヨーグルト、珈琲。スーパーに食材の買い出しに出て、帰宅して買ったものを食卓に並べたらどこかの民宿の厨房か、と思うほどの量であった。常備菜として、もやしのナムル、きのこのナムル、蓮根の柚子胡椒炒めなどつくる。

ロベルト・ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』( 野谷文昭/訳、白水社)を読む。15時過ぎ、昼夜兼用というか、早めの夕ごはんというか、ホットプレートを出して、焼肉。牛肉、玉ねぎ、ズッキーニ、キャベツ、ししとう。ほかに、もやしのナムルときのこのナムルを添えて、ビール。

夜、『思い出のマーニー』(米林宏昌監督、2014年)を観る。原作が好き過ぎて、いちいち感じ入ってしまって、ラストシーンでは杏奈ちゃんの涙にもらい泣きしそうになった。もらい泣き?

  1. 佐藤 翠 Midori Sato – Home []