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Monday, June 22

近藤聡乃『ニューヨークで考え中』(亜紀書房)読了。絵が上手くて可愛い。手書きも文字も上手くて可愛い。とてもお気に入りの一冊になった。きょうは夏至でしたが、夏至という日に想いを馳せる間もなく終わってしまいました。

Tuesday, June 23

就寝前、雷雨。窓のそばで、クッションソファに頭をもたれかけさせて横になると、濡れた地面の匂いがした。このままずっと雨音を聴いていたかったけれど、疲れてしまったので窓を閉めてベッドへ。

Wednesday, June 24

夕方、道路の電信柱を結ぶ電線が眩しい西日を受けてキラキラ輝いていて、まるでクリスマスのイルミネーションのようで息をのんだ。驚くほどに美しかった。こうした光景を目にしたとき、あ、アンゲロプロスだ、アンゲロプロスがスクリーンに焼き付けたあの美しさに繋がってる、と思う。人生はアンゲロプロス的瞬間をいくつ見つけられるかにかかっている。

Friday, June 26

近藤聡乃『不思議というには地味な話』(ナナロク社)を読み終える。この本のなかで基本的に近藤聡乃は「怖い(恐い)」という話をしている。わたしはわりと、なんでこんなことを怖いと思うの? と自分でも不可解に感じるようなものやことに対して恐怖を抱くことがよくあるが、近藤聡乃が「怖い」と感じる対象やシチュエーションにはなんとなく共感できる気がして、嬉しかった。そうそう、こういうことってよく考えるとちょっと怖いよね、と大きく頷きながら読んだ。近藤聡乃はこれまでも画家、アニメーション作家としてとても好きだったけれど、『ニューヨークで考え中』に続いてとても面白く読めたこともあって、漫画家、文筆家としての近藤聡乃もあらためて好きになった。

夕飯は、ごはん、にんじんと長ねぎの味噌汁、焼いたカレイ、烏賊の塩辛、ローストポテト、もやしの塩胡椒炒め、パプリカとピーマンとベーコンの炒め物、ビール。わたしが会話のなかで「普通の会話」という言葉を出したら、夫が「“普通の会話”と言うなら、『オールド・ファッション【普通の会話】東京ステーションホテルにて 』(蓮實重彦×江藤淳)を読んでください」と言うので、そうだそうだ、これまだ読んでなかったわ、でも読もう読もうと目をつけていたから本棚のどこにあるかすぐわかります、と、いそいそと取り出して読み始めた。

Saturday, June 27

午前中はとにかく雑用をざくざくとこなし、午後、初台の東京オペラシティアートギャラリーで「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」を観る。ミヅマやスカイザバスハウスなどで観てきたおなじみの作品たちがズラリ。その中でもやはりわたしは、青山悟、塩保朋子、須田悦弘が強烈に好きだなあとあらためて認識した。とはいえそれ以外にも好きな作家を挙げたらきりがないのだけど。上階のproject Nコーナーでは、富田直樹という作家の作品を観る。こちらも点描画法の変奏という感じで、とても良かった。その後、fuzkueへ。テカテ、オリーブ盛り合わせ、定食(玄米ごはん、キャベツと麩の味噌汁、肉じゃが風煮物、ひじきと大豆の煮物、アスパラガスの酢味噌和え、きゅうりとおかか)をいただきながら読書。蓮實重彦×江藤淳『オールド・ファッション【普通の会話】東京ステーションホテルにて 』(中公文庫)を読み終える。