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Monday, October 13

夕べ夜更かししたので寝坊。午前7時起床。朝、クロワッサン、スクランブルエッグ、ほうれん草のソテー、ヨーグルト、珈琲。手帳に観たもの読んだもの食べたものなど記しているが、10月半ばともなると、残されたページはもはやほんのわずかしかなく、非常に心許ない。もうとっくに来年の手帳を用意しなければいけない時期であることに気づく。クリーニング店、図書館、銀行をまわる。途中で雨が降ってきて、不機嫌になった。傘は持っていなかった。コンビニに入り、レジで会計しながら外を見ると、道や建物が明るいオレンジ色に包まれていて、晴れたのかと思いきや空が変な色に染まっているだけだった。台風はまだ西に。

帰宅。『マルグリット・デュラス 生誕100年 愛と狂気の作家』を読む。まずはとにかく港千尋×塚本昌則の対談と保坂和志の頁を読み、それから冒頭に戻って清水徹と吉田喜重のテキストを読む。港千尋×塚本昌則の対談はデュラス作品と写真、物語と写真、あるいは言葉と写真がテーマで、凄く面白い。『アウステルリッツ』はもちろん、『仮面の告白』や『W あるいは子供の頃の思い出』『死都ブリュージュ』なども言及されている。ふと、堀江敏幸(ところで今回堀江敏幸書いてない!!︎)が『建築と日常 No.1』に書いた、デュラスの作品と建築をめぐるエッセイを読みたくなり、本棚から抜き出してそちらも再読。

お昼、タコとトマトとベーコンとほうれん草のパスタ、バゲットにレバーパテ、白ワイン。デザートにバウムクーヘン、珈琲。満腹で苦しいお腹をおさえつつ、ピクルス、大根、きゅうりを使って久しぶりにピクルスをつくる。少し多めに。でもきっと、最初から何もなかったかのようにぺろりとたいらげてしまうだろう。何か口に入れたいなあと感じる時には、だいたいいつもピクルスとか甘酢漬けとか、酸っぱいものを口にしたくなる。わりと昔から。午後もどんより暗く、じっとりと雨が降り続く。重い腰をあげて夏の旅日記を書き始める。2日分書けた。

夜になり、雨は絶え間なく降り続いているが、まだ風は吹いていない。窓を10cmほど開けている。冷たい風が入る。寒くはない。大阪は夕方から在来線が全面運休、と報じられている。夜は、ごはん、大根とわかめの味噌汁、豚キムチ、タコとベビーリーフとトマトのサラダ、ビール。昼食後のデザートが効いて、まったくお腹がすいてないと言ってもいいほどだったけれど、食べ始めれば美味しい美味しい、どんどん食べる。ビールもすごく美味しい。食べものを美味しく食べられるというのは本当に有り難いことだ。これは常に肝に銘じておくべきことだと思う。

Tuesday, October 14

夕べ、夜中に目が覚めた時は土砂降り。風はまあまあ強い程度だった。午前5時台には雨脚も弱まって、北西の空を見ると美しい朝焼け。すっかり台風一過だ。朝ごはんを食べながら、録音しておいた、J-WAVEの企画で開催されたレキシとEGO-WRAPPIN’のライブ番組を聴く。レキシのライブが楽しくて朝から爆笑。わたしは今年もレキシに私的ベストミュージック賞をあげたいなあ。レキシのライブにも行きたいなあ。武道館とかじゃなくてライブハウスでやる時に。

Wednesday, October 15

朝ごはん、バゲットにレバーパテ、ヨーグルト、珈琲。旅日記を1日分書き、支度をして出かける。街行く人はもうすっかり秋冬の装いだ。もうタートルネックを着ているのか。わたしは半袖ニットに七分袖のボレロジャケットで、暑くてたまらないくらいだ。有楽町で下車。雨は本降り。角川シネマ有楽町で、「フランソワ・トリュフォー映画祭」。『隣の女』(1981年)と『日曜日が待ち遠しい!』(1983年)の2本を観る。

トリュフォーの映画は、昔は『隣の女』が一番好きだったけど、今は『日曜日』のほうが好きだ。『隣の女』はちょっともういろいろ辛いというか、辛い、と感じる自分がすごく衰えた気がして、やっぱりいろいろと辛い。でも実際観たら心地よくのめり込めて、それはまさに作品の力なのだな。初めて脚本を書いた時、ある監督から「ちょっとトリュフォーの『隣の女』みたいだね」と評され、でも当時のわたしはまだ『隣の女』を観ていなかった。慌てて観て、なんて凄い映画なんだと打ちのめされて、それからはことあるごとに観た。たぶんトリュフォー作品の中で一番回数多く観ている。『日曜日』はサスペンスとして辻褄合ってるんだか合ってないんだかよくわからないけど、そんなこと吹き飛ばしてしまうくらい素晴らしいにもほどがある映画で、昔は『隣の女』のクライマックスで泣いたりしていたけれどいまは『日曜日』のラストシーンに涙する。

しかし両作品とも何度も観ているわりにはやはり覚えている台詞というのは限られていて、今回の映画祭では、山田宏一さんがほぼ全作品の字幕をつけているのだけれど、これまでの字幕との差異に気づくのは難しい。ただ『日曜日が待ち遠しい!』のラスト、「C’est “Vivement dimanche!”」を「『日曜日が待ち遠しい!』でした」と訳していたのは最高だった、秀逸だった、感激した。あれは以前とは違うのではないか。「でした」を付けていた記憶がないので。

Sunday, October 19

午前5時起床。身支度をして、ヨーグルトのみサササとかきこんで出かける。美容院。なんと8時から。結婚式でも成人式でもないのに8時から。わたしと美容師さんの共通点は朝早く起きられること、朝早くから活動すると一日有効に使えるからそうしたいこと、だから、8時から。きょうはちょこちょこと切りそろえてもらうだけだったから、終わってもまだ9時前。なんと嬉しい。しかし帰宅して着替えなどしていたら10時をまわってしまった。もう日曜日も暮れつつあるな。旅日記を少し書いて、花屋、図書館、クリーニング店とまわる。もうあれやこれや忙しすぎて本当に気が滅入るため、花をたくさん買った。赤いバラ5本とマトリカリア3本、白バラ2本、ちょっと変わった細身の蘭1本、それぞれ花瓶に生けた。花に助けられる日々。

お昼、ホットケーキ、レタスとトマトと玉ねぎのサラダ、珈琲。再び支度をして出かける。有楽町へ。角川シネマ有楽町で「フランソワ・トリュフォー映画祭」。『緑色の部屋』(1978年)を観る。上映終了後、Oさんが後ろの席で観ていたことが発覚、ロビーでしばし談笑。嬉しい偶然だった。会うもんですねぇ~。続けて『アメリカの夜』(1973年)を観る。『アメリカの夜』上映後、パラパラパラ…と拍手がおこった。永遠の愛され映画。やはりわたしのトリュフォー映画ベスト3は、『日曜日が待ち遠しい!』『アメリカの夜』『隣の女』だわ、これはもうそうそう変わらないかもしれない。帰宅して、夜は、タコとトマトとベーコンのパスタで赤ワインを飲む。