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Saturday, December 22

卓上の植物の葉がせり出してパソコンのモニタに向かうたびに視界をおびやかすのけれど、それは甘やかな侵略、葉身に妨碍されるとは。

お気に入りの図書館でゆっくり本を選ぶ。「週刊読書人」の2012年の収穫アンケートを読んだら、楠本亜紀さんが畠山直哉『気仙川』、北島敬三『ISOLATED PLACES』、そして藤原辰史『ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』の3冊を選んでいて、わたしにとっても先の2冊は今年極めて印象に残った本だった。『ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』は現在、読みかけ。

数日前、発売と同時に購入した『オチビサン』第5巻(安野モヨコ/著、朝日新聞出版)をじっくりじっくり読む。この漫画、最初はただただ可愛いな、色が綺麗だな、技法はポショワールというの、へええ、という感じだったけれど最近はもう、加速的に深い深いところにおりていく内容である気がしておののいている。

夕ごはんはベーコンとほうれん草のパスタ、じゃがいもと茄子と玉ねぎとにんじんのグラタン、赤ワイン。グラタンを久しぶりにつくったが、簡単かつ見栄え良く仕上がる献立として天下一品だわ、とつくづく。

Sunday, December 23

わたしは基本的に話すことが非常に不得手で、これといって話したいことがなければ話さないほうが自然だし、当然いくらでも黙っていることができる。どちらかというと人の話を聴いているほうが好きだし、「相槌上手」とも言われる。となると、とてもよくしゃべる人、しゃべることが好きな人にとってわたしは格好の話し相手(聞かせ相手)となる。それはそれでいいのだけれど、わたしは人の話を聴いているときのじぶんの表情が好きではない。これが問題だ。その一方で、話している相手に興味があったり、そのトピックに関心があったりする場合はけっこう食いついてうまいこと話を引き出す自信がわずかながらある。そうして攻めているときのじぶんの表情は、まあ、嫌いではない。