Monday, September 10
朝ごはん、ハムとサニーレタスのピザ、ヨーグルト、オレンジジュース、珈琲。きのう買ったオレンジジュースは色がとても薄く、味がとても濃い。『残響』(保坂和志/著、文藝春秋)を読む。夕ごはんはしらすのせご飯、油揚げとミョウガと大根の味噌汁、鰺の干物、小女子とクルミの佃煮を混ぜたくずし豆腐と水菜、キムチ、ビール。
Tuesday, September 11
朝5時前、空はもうすっかり暗い。秋分の日まであと数日。朝ごはん、くるみパン、冷製コーンスープ、オレンジジュース、珈琲。『みすず』(みすず書房)9月号を読む。みすずの表紙写真は7月号から原久路の「バルテュス絵画の考察」シリーズが続いていて、モデルがバルテュスの絵画に描かれた人物を模してポーズをとっており、それがなんとも不穏で怪しい雰囲気に満ち満ちていて、毎号怖いもの見たさでじっと表紙を見つめてから本編に入っていく次第。ベーコンと玉ねぎとほうれん草とパプリカのパスタとビールで夕ごはんを済ませたのちベルナルド・ベルトルッチ監督のデビュー作『殺し』(1962年、イタリア)を観る。前にも似たようなことを日誌に書いたかもしれないが、イタリア映画は登場人物たちがあまりに感情的に大声でまくしたて身ぶり手振り大きくふるまうため観ていて疲れてしまうことが往々にしてある。こちらはできるだけ口数少なく、テンション下げたままあまりエネルギーを消費せずに日常を送りたいと思っているのであるから、とそれはともかくモノクロ映像が紡ぐ、室内からのぞむ雨の光景が陰惨で美しくて魅せられた。
Thursday, September 13
『現代思想の20年』(池上善彦/著、以文社)を読む。夜、ご飯、鶏肉と茄子のハーブソルトソテー、グリーンリーフとパプリカとマッシュルームのサラダ、コーンポタージュスープ、ビール。コーンポタージュスープ、いままでに何度つくってきたか知れないが、いちばんよく出来たかも。
Saturday, September 15
朝8時、パン屋でクロックムッシュを買い、クリーニング屋に洗濯物を出し、コンビニでオレンジジュースを買う。2年前の夏はトマトジュースを、1年前の夏は烏龍茶を、今年の夏はオレンジジュースをよく飲んだ。
きょうは馬喰横山/清澄白河の倉庫ギャラリー弾丸ツアーなのでまず馬喰横山駅で下車し歩いて2分のフクモリでだだ茶豆と山形牛のほくほくコロッケ定食をギネスビールとともにいただいたうえでTARO NASUにて「松江泰治 jp0205」、ギャラリーαMで「2012『絵画、それを愛と呼ぶことにしよう』vol.4 浅見貴子展」。新日本橋に移動して、SATOSHI KOYAMA GALLERYで「「風景考」スザンヌ・ムーニー “Experiences of place”」。清澄白河に移動して、キドプレスで「-gilding- 土屋裕介」、AI KOWADA GALLERYで「福原寛重 Recursion」、OVER THE BORDERで「岡田洋坪 WARPED」、Terra Tokyoで「OVER THE REALITY」、SPROUT Curationで「三木仙太郎 身に余る皮」、小山登美夫ギャラリーで「ライアン・マッギンレー Reach Out, I’m Right Here」、Taka Ishii Galleryで「榎倉康二 記写」、シュウゴアーツで「池田光弘 location/dislocation」、MIYAKE FINE ARTで「原口典之 Double Tone」。ライアン・マッギンレーはいつのまにこんなに人気者になったの? たしかに非常にインパクトを与える作品だけど……と時勢に追いついていないわたしはAI KOWADA GALLERYの福原寛重の展示がとても印象に残った。寡聞にして福原寛重の名を知らなかったが、AI KOWADA GALLERYのサイトによれば「黒の支持体に黒い鉛筆で描く」のが代表的なスタイルとのことで、それに加えて新たな技法である「銀箔もしくはステンレスを用いた支持体にドローイングから起こした版をスクリーンプリントした」作品が並び、銀色の画面をよく見ると「端から端まで描き尽くされた、葉や花、波や馬など、福原らしいモチーフが浮かび上がります」とあるようにモチーフの面でも興をそそる。同様に植物や馬や魚がモチーフとなった黒い陶器作品にも華があり、床に敷かれた玉砂利の白と彫刻の黒に二極化される展示空間にも潔い迫力が満ちている。
たびたび行列に遭遇する人気のカフェ、Sacra Caféで窓ごしに一席だけ空いていることを安堵の思いで確かめてから入店し、フランボワーズのロールケーキと冷たい緑茶で一服。それほど珈琲が得意な体質ではないので朝食に挽きたての珈琲を一杯飲めば十分で、たまにお昼か夜に一杯いただくこともあるけれど、たびたび立ち寄るドトールやスタバやら、いくつかのコーヒーショップに緑茶がないのがちょっと辛い。紅茶を飲むとトイレが近くなるし、毎回水やペリエというのもどうかという感じだし、小休止のたびにビールやワインを飲むわけにはいかないし、などとけっこう困っているわりにはドトールやらスタバやらに行く。先日、数年ぶりに舌を噛みそうな類いの飲み物(たしかクランチーキャラメルマキアートだったか)を頼んだらとても美味しかったのだけれど、次に頼むのはまた数年先のことだろう。
しまぶっく、eastend TOKYO BOOKSに続き、深川資料館通り沿いに3つめの古本屋「EXLIBRIS <エクスリブリス>」ができたとの情報を得たのでのぞきに行く。ますます清澄白河が「一日遊べる街」に。
夕ごはんは家で軽く、豆腐、枝豆、烏賊の塩辛、キムチ、烏龍茶。
Sunday, September 16
東京都写真美術館で「田村彰英 夢の光」、NADiff A/P/A/R/Tで「東恩納裕一 FL」、G/P galleryで「うつゆみこ ばらまど」、TRAUMARISで「ダニエル・マチャド + 森山大道 TANGO」を観る。森山大道の「ブエノスアイレス」にまた会えて感激した。2005年に東京写真美術館で開催された森山大道の「ブエノスアイレス」シリーズが大好きだ。 夜は友人のYさんと、地下に潜ってベルギービールとドイツビールのお店で楽しい密会。素晴らしいプレゼントをいただいた。トートバッグから落ちたりするわけもないのだけれど、ちゃんとバッグのなかに入っているか、たしかめたしかめ帰る。そんな気分で帰る夏の終わりの夜。