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Friday, February 3

きょうの菊地成孔の「粋な夜電波」は一月三十一日に亡くなった川勝正幸の追悼放送。献花メッセージを菊地成孔が読み、献花ソングを絶えずかけ続けていくという無駄のない粋な、あまりにも粋な夜電波。大西順子と滝本誠のメッセージにのけぞり、渡辺祐のメッセージにぐっときて、そのままdigの「川勝正幸ってどんな人? とにかくパーティーを続けよう」になだれ込む。結局最後まで聴いてしまった。次から次へと出てくる爆笑エピソードに笑わせ、しみじみ亡き人を偲ぶいい番組。わたしは「川勝正幸」という名前の字面もとてもかっこよくて好きだった。 ラジオを聴きながら豆まきをして豆を食べた。

Saturday, February 4

日仏学院で『労働者たち、農民たち』(ストローブ=ユイレ監督、2000年、フランス/イタリア)を鑑賞。日仏学院ホールの椅子に久しぶりに座ったら座り心地が良くてびっくりした。こんなに良かったかしら。日仏学院の庭では紅い実をたくさんつけた大木があり、風に揺れる実を見ていたらどことなく、先日死去したアンゲロプロスの映画のワンシーンが浮かんできた。すぐそばのミヅマアートギャラリーで「オ・チギュン展」。とてもよかった。青空を背景に描かれた柿の木の絵3枚が並んだあの壁面を少し距離をあけてしばし見つめていた。そののち初めて訪れたクラシコ書店で『エイゼンシュテイン 生涯とその思想』(山田和夫著、紀伊國屋新書)を購入。九段下に移動し、成山画廊で「松井冬子大下図展」を鑑賞したのち渋谷へ出て、夜、ユーロスペースにてボリス・バルネット特集『騎手物語』(1940年、旧ソ連)。なんていい映画なんだろう、観てよかった。蓮實重彥いわく、

四十年の『騎手物語』など、フォードの『香も高きケンタッキー』のソ連版リメイクともいうべき感動的な競馬映画(『映画狂人万事快調』河出書房新社、p.21)

と。 それにしても朝のユイレと夜のバルネットの落差が激しすぎる件。

Sunday, February 5

きのうに続きストローブ=ユイレを。『アン・ランシャン』(1982年、フランス)、『ロートリンゲン!』(1994年、ドイツ/フランス)。