Monday, April 3
報道によると坂本龍一は3月28日に逝去されたのだそうだ。あの冷たい雨の日だ。夫と坂本龍一のことについてあれこれ話すが、わたしも夫も「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で浜田雅功にシャープペンを投げ渡す坂本龍一が大好きなので、ついついその話になってしまう。
Friday, April 7
近年、毎週日曜日のラジオは16時から22時まで片寄明人(NHK-FM)〜松浦俊夫(InterFM)〜ピーター・バラカン(同)〜野村訓市(J-WAVE)〜草野マサムネ(Tokyo FM)という黄金ラインが築かれていたのだけど、このたび松浦俊夫の番組が金曜日23時に異動になってこのラインが崩れてしまった。残念に思っていたのだけれど、なんと金曜日22時から同じくInterFMで沖野修也の番組(「Tokyo Crossover Radio」)が3年ぶりに始まると知りめちゃめちゃ嬉しい。この2つの番組を金曜夜に続けて聴ける喜びよ。ということでネイルを塗り直しながら聴いた。
Saturday, April 8
品川駅でハムカツサンドと珈琲を買い、早朝のこだまに乗り込む。小田原で降りて、箱根登山鉄道に乗って箱根湯本駅経由で強羅駅まで。強羅駅周辺は外国人観光客が大勢いて驚く。強羅って人気なの? 渋いチョイスだ。そしてついに、3年ぶりに、夫が外国人観光客からスマホを渡されて写真撮影を頼まれた。夫はパンデミック前、観光地が外国人観光客であふれていた時代にやたらと写真撮影を頼まれていて、もうそれは夫婦の間で旅行における風物詩となっていた。あー懐かしいこの感じ! もしかしてコロナ禍前に戻ったんですか?
強羅から、右へ左へカーブを曲がるバスに揺られて、ポーラ美術館に到着。開館より15分くらい早く着いてしまった。箱根はよく晴れているがひんやりして、乾いた風が心地よくて最高だ。車が走る音と駐車場で車を誘導する係員の声のほかは、鳥の声しか聞こえてこない。耳を澄ますと無数の鳥が鳴いているようで、鳴き声に溺れてしまいそうだ。
開館した美術館に一番乗りして「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」、コレクション展の「ポーラ美術館の名作絵画」「ゲルハルト・リヒター」「シュルレアリスムとエコール・ド・パリ 近代化に抗って」、現代美術ギャラリーの「HIRAKU Project Vol.14 丸山直文 水を蹴る―仙石原―」を鑑賞する。
「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」は会場構成も素晴らしく、展示室の仕切りの壁に窓のような格子が設置されていて、そこから隣の部屋の絵が見えるようになっておりまさに部屋を模している。わたしも皆と同じように、街に出たり旅に出たりするのと同じくらい部屋に篭ってじっとしているのが大好きで、自分ひとりの隔離されたintimateな空間をこよなく愛している。ベルト・モリゾ、ハマスホイ、ボナール、ヴュイヤール、マティス、草間彌生、ティルマンス、髙田安規子・政子による部屋を題材にした作品、どれもこれもよかったけれど、佐藤翠+守山友一朗の作品がいちばん好きだった。二人が出した作家ステートメントは全文書き写したいくらい共感しかないというか、こうでありたい、というような制作と生活の姿が映し出されていて、特に何も創作していないわたしでも感じ入るところがあり、何度も読み返してしまった。
休息と創作は隣り合わせです。
私達は高台に立つ家の、一階をそれぞれのアトリエ、二階を住居スペースとして暮らしています。アトリエの隣には小庭があり、そこでは15種類ほどのバラを中心に、クレマチスやビオラなどを育てていて、ここで制作の合間に、草木を眺めながら紅茶を飲んで休憩を取ります。二階の部屋には見晴らしのよい窓があり、空を大きく見渡すことができます。ここでも、窓の外を眺めながら紅茶を飲んで一息つきます。季節や天気、時間の経過によって幻想的に変わって行く空の様子は、たくさんのインスピレーションを与えてくれて、雲の世界や遠い景色のことを想像させてくれます。
(佐藤翠+守山友一朗 作家ステートメントより)
美術館併設のレストラン、アレイで企画展特別メニュー(白身魚のカルパッチョ、ポテトのポタージュスープ、子羊のローストなど)と赤ワインをいただく。
美術館を出て、森の遊歩道を散策してからバスに乗って「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」へ。以前『メトロポリターナ』で紹介されていて興味を持った施設だ。30分ほどかけて庭園内を散策する。手入れされた森の中で、ところどころに設置された花や植物のオブジェによるインスタレーションに出会う。園内のカフェでカプチーノを飲み、今使っている園芸バサミのキレが非常に悪くなってきたのでショップで新しいものを買った。
帰りは新横浜で途中下車して、駅構内にかかげられたのるるん&そうにゃんの東急線&相鉄線直通の開業祝いの垂れ幕を見学する。やっと見れたー! このたび新設された新綱島駅などを経由して緑ヶ丘まで出て、三藤で醤油ラーメンとビール。2019年最後の外食はここ、三藤だった。それ以来なので3年と3か月ぶり。