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Saturday, March 9

目黒のJubilee Coffee and Roasterで、チョコレートケーキと珈琲をいただく。ここで使われているカップ&ソーサーがとても好きだし、大通りに面した大きな窓も、店内の雰囲気もよくて、大好きなコーヒーショップなのだけど、人気店なため入れないこともある。今回は幸運にも入ることができた。

東京都庭園美術館で「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」を観る。見応えのある展示。コラージュという技法は昔から好きになれないけれど岡上淑子は例外かもしれない。モチーフの基盤にモードと現代都市のリアリティがあるからだと思う。旧朝香宮邸の書斎にディオールの黒いデイ・ドレスを配置した展示は、岡上淑子の作品世界と共鳴していてとてもよかった。

きょうは東京で春一番が吹いたらしい。

Sunday, March 10

東京都写真美術館で、「志賀理江子 ヒューマン・スプリング」、「写真の起源 英国」を観る。「写真の起源 英国」を展示しているのは、入り口に少し段差のある展示室なのだけれど、そこに今回は「MIND THE GAP」と書かれているのがとても嬉しかった。4ヶ月前のロンドンの断片に出会えた。

14時から志賀理江子のアーティスト・トークを聴いた。スタンダードなトークではなく、映像とスライドと語りによるパフォーマンス。志賀理江子の朗読は上手いなぁと感心する。何かを説明する時、あまりにテーマが大きすぎて説明し切れない時、物語として語るという方法を取れば道が拓けるのではないかと考え、この方法を取ったとのこと。言葉を持たない写真と、豊饒に語られるテキスト、この両面性が志賀理江子なのだけど、それによってさらに、志賀理江子にとっての写真とは何なのかという謎が大きくなる。