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Sunday, June 3

今週観たもの、SCAI PARKで「ジャン・ピゴッツィ POOL PARTY PHOTOS BY JEAN PIGOZZI」、KOSAKU KANECHIKAで「鈴木親 晴れた日、東京」、『七年目の浮気』(ビリー・ワイルダー監督、1955年)、『お熱いのがお好き』(ビリー・ワイルダー監督、1959年)。

今週読んだもの、磯部涼『ルポ川崎』(サイゾー)、ジョゼフ・チャプスキ『収容所のプルースト』(岩津航訳、共和国)。

わたしは感動して、コルク張りの部屋でびっくりしているプルーストの顔を思い浮かべた。まさか自分の死後二十年経って、ポーランドの囚人たちが、零下四十度はざらに下回る雪の中で一日を過ごしたあとに、ゲルマント夫人の話やベルゴットの死など、あの繊細な心理的発見と文学の美に満ちた世界についてわたしが覚えていたことの全部に、強い関心を寄せて聞き入ることになるとは、さすがの彼も思わなかっただろう。(p.17)

わたしたちにはまだ思考し、そのときの状況と何の関係もない精神的な事柄に反応することができる、と証明してくれるような知的努力に従事するのは、ひとつの喜びであり、それは元修道院の食堂で過ごした奇妙な野外授業のあいだ、わたしたちには永遠に失われてしまったと思われた世界を生き直したあの時間を、薔薇色に染めてくれた。(p.17)