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Sunday, April 15

今週読んだもの。
ケイト・フォックス『イングリッシュネス』(北條文緒訳、みすず書房)。

イギリス的ユーモアの大部分は、たぶんアンダーステートメントも含めて、実際にはたいしておかしくはないーー少なくとも耳にしただけではおかしくなく、吹き出すようなおかしさではなく、これは確実に言えることだが、他の文化の人びとにとっては全然おかしくない。アンダーステートメントを実践するイギリス人でさえ、腹の底からおかしいわけではない。せいぜいタイミングのよい、巧みなアンダーステートメントが、かすかな微笑を誘うくらいである。だがそれこそが肝心なのだ。それはおかしいが、抑制のきいたおかしさであり、ユーモアではあるが、控えめで洗練された微妙なユーモアなのだ。

今週観たもの。Bookmarcで「ケイト・バリー写真展 “ACTRICES”」、ラットホール・ギャラリーで「アンディ・ホープ 1930 Where did it come from!」、CASE TOKYOで「中平卓馬 氾濫」。