Monday, January 1
午前5時前に目覚める。ベッドのなかでじっとしたまま、しばらくいろいろ思いをめぐらす。初日の出は何時だったっけ。午前6時に起床し、身支度、掃除をして、お雑煮をつくる。新年の食卓は、おせち料理、お雑煮、日本酒。今年のおせちは、紅白なます、たつくり、卵焼き、うずらの卵と絹さや、紅白かまぼこ、鮭の昆布巻き、黒豆とチョロギ、伊達巻、蓮根と筍の煮物、いくらの柚子釜、結びこんにゃくで、昨年と同じ。本当は新しい品目にも挑戦したかったけれど、そんな余裕はなかった。
近所の神社にお参りに行く。今年の元旦もよく晴れた。帰宅して、夫に今年初めての珈琲を淹れてもらい、いただきもののマロンブランデーケーキとともにおやつ。食べながら毎年恒例の年始映画。『バズビー・バークリーの集まれ!仲間たち』(バズビー・バークリー監督、1943年)、『ラ・ラ・ランド』(デミアン・チャゼル監督、2016年)のミュージカル映画2本立て。前者はあたりまえながらバズビー・バークリー節満載でとても楽しい。バズビー・バークリーについて詳述されていた鈴木晶の舞踏に関する連載を月刊『みすず』で毎月読んでいたのは2014年のこと。後者はドリーマー的な生活を一度でもした人には大変切ない物語であると思う。映画自体はかなり楽しめた。
夜、ポークステーキ、トマトとポテトのグリーンサラダ、シャンパン。元旦が無事に終わってホッとする。
Tuesday, January 2
今朝も、おせち、お雑煮、日本酒で朝ごはん。毎年恒例、1月2日は東京都写真美術館初め。美術館の入口でもらえる新年のプレゼントは鉛筆だった。これ、なんらかの特典としてもらってばかりで、うちに何本もある。「TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」 、「無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol. 14」、「生誕100年 ユージン・スミス写真展」 を鑑賞。新進作家、吉野英理香、金山貴宏、片山真理の作品に力があり、よかった。気になっていた吉野英理香をやっと観ることができて嬉しい。鑑賞後、「とっぷ雅楽」を最後の1曲だけ聴いた。近くでひとりの男性が演奏者たちをさらさらとスケッチしていた。
美術館を出て駅に向かっていたらちょうど建物から獅子舞が出てきたところで、先導の男性に「どうぞ頭を噛んでもらってください」と言われたので、噛んでもらう。わー、初めて噛んでもらったぞ。安泰でありますように。
Saturday, January 6
朝、パン、バター、目玉焼き、ハムとミニトマトとほうれん草のグリル、ヨーグルト、珈琲。
支度をして出かける。恵比寿。キッチン・ボンにてボルシチと黒パンを食べる。黒パンの大きさにびっくり。ボルシチは、それほど何度も食べたことはないけれど、いままで食べたボルシチのなかでいちばん美味しかったと思う。その後、ギャラリーめぐり。NADiff a/p/a/r/tで「石川直樹 Svalbard」、G/P galleryで「磯部昭子 LANDMARK」「細倉真弓 JJuubbiilleeeee」を鑑賞。恵比寿駅から中目黒にバスで移動する。防衛省の研究所の敷地の植え込みに赤やピンクの椿の花が咲いていた。昼間のバスは長閑で好きだが、すぐに着いてしまった。POETIC SCAPEで「尾仲浩二 Slow Boat」を観る。『街道マガジン』vol.5を買う。今年もたくさん尾仲浩二の写真を観たい。その後、はす向かいのwaltzでレコードを1枚買う。
またバスに乗って目黒へ。東京都庭園美術館で「装飾は流転する – 『今』と向きあう7つの方法 – 」を鑑賞。装飾好きなのでこのテーマは楽しみにしていた。なかでも2014年のMOTアニュアルで知った髙田安規子・政子の作品がとても楽しみで、その期待は裏切られることはなかった。テーブルクロスの刺繍が床に零れてしまうなんて、クローゼットの洋服が樹木に繋がるなんて、なんて素敵なんだろう、寂しげで儚くて美しい。洗面台の中にはローマの古代遺跡が、本のない本棚の中には高所の本を手に取るための梯子が潜む。糸巻きが変身した展望台もよかった。ミクロとマクロの操作を楽しむだけでなく繊細さに眼を見張るだけでもない、それ以上の魅力があるのはやはり作品がどこか寂しさを纏っているからだろうか。旧朝香宮邸の建築とこれほどうまく調和した展示はもしかしたら2004年の田原桂一展以来かもしれない、とも思った。ほか、山縣良和、アラヤー・ラートチャムルーンスックが際立っていた。山縣さん、変わらぬ迫力。この方、いろんなインタビューを読むとくり出される言葉がほんとに面白い。キワキワな作品もよいが、箱の中に花が陳列された静的な作品がとても気に入った。
買い物して帰宅。おやつ、ベルンのミルフィユ、豆煎餅。夜、スモークサーモンとケッパーのパスタ、サニーレタスとハムのサラダ、ビール、赤ワイン。