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Wednesday, November 15

インターネット界隈を散策して確認したところ2001年放送の「タモリ倶楽部」で紹介されているので好事家のあいだでは周知なのかもしれない、ミセス・ミラーという「歌手」の存在を最近知った。「歌手」と括弧付きで書いたのは歌手と呼ぶにはあまりにも下手だからで、このミセス・ミラーという人物は下手すぎる歌で有名なのであった。ラジオから流れてきたミセス・ミラーの歌声はビートルズの「A Hard Days Night」のカバーで、これがすごい。

これもじゅうぶん下手だが、YouTubeで検索して「A Hard Days Night」よりもすごいと思ったのは「The Girl From Ipanema」で、ちゃんとしたバックの演奏に比してミセス・ミラーの歌声が強烈すぎる。無駄に声量があるのも衝撃を増幅させている。

Thursday, November 16

マガジンハウスの雑誌とムックを買う。『Hanako』(特集:いま絶対に行きたい店)と『Casa BRUTUS特別編集 音のいい部屋』。食とレコード。

Friday, November 17

オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(神吉敬三/訳、ちくま学芸文庫)を読了。

そのことの善し悪しは別として、今日のヨーロッパ社会において最も重要な一つの事実がある。それは、大衆が完全な社会的権力の座に登ったという事実である。大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することもできなければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである。したがってこの事実は、ヨーロッパが今日、民族や文化が遭遇しうる最大の危機に直面していることを意味しているわけである。こうした危機は、歴史上すでに幾度か襲来しており、その様相も、それがもたらす結果も、またその名称も周知のところである。つまり、大衆の反逆がそれである。

Saturday, November 18

読書。椹木野衣『震美術論』(美術出版社)、藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』(中公新書)、橋本明子『日本の長い戦後 敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか』(山岡由美/訳、みすず書房)。

Sunday, November 19

新宿の「UNITED ARROWS」でボトムスを買ってから小田急線で梅ヶ丘駅に移動。羽根木公園を散歩してから「寿司の美登利」の梅丘本店で昼食ののち、恵比寿で買いもの。