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Saturday, October 22

古くからその存在は知っていたものの訪れたことがなかった五反田の洋食屋、グリルエフ。ここ数年、平野紗季子が複数の媒体でおすすめしているのを見て、いよいよ時が来た、と行ってみることに。夫は名物メニューのハヤシライスを、わたしは大好物のカニクリームコロッケをいただく。野菜サラダも頼んで、赤ワインを一杯。あまりの美味しさにうっとり。紗季子先生ありがとうございました。

東京都庭園美術館で「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス -さざめく亡霊たち- 」、「アール・デコの花弁 -旧朝香宮邸の室内空間-」を鑑賞。賛否両論のボルタンスキーはいわば概念の展示というものであり、これはこれでとてもよかった。もう少し作品数が多くてもよかったけれども。ボルタンスキーのインタビュー映像を見て初めてボルタンスキーの顔を知ったのだが、ジョージ・カックルに似てるな。

目黒駅からバスに乗ってBlitz Galleryへ。「テリ・ワイフェンバック&ウィリアム・ウィリー As the Crow Files」を観る。来年の春、IZU PHOTO MUSEUMでテリ・ワイフェンバックの個展をやるとのこと。わー、ついに! テリ・ワイフェンバック始まった? とはいえ川内倫子と2人展をやり写真集も出しているのだからすでに始まっているのかもしれない。CLASKA Gallery & Shop “DO”、SUNNYBOY BOOKS、サテライト、流浪堂をまわり、新宿へ。

コニカミノルタプラザで「石井保子写真展 特急電車64号」を鑑賞。ご本人に撮影方法を伺ったら、窓辺にカメラを置いて、ファインダーを覗かずに5秒ごとにシャッターを切っていったらしい。自分でタイミングを測ったり画角を選ぶのではなくまったくの受容の体であることが、電車に乗車し身体が車両に運搬され移動され、視点も限定的なものになること、つまり主体としては何もできなくなるということに通底する。いい展覧会だった。帰りの電車で、畠山直哉×大竹昭子『出来事と写真』(赤々舎)読了。