Saturday, March 12
朝一番で美容院を済ませた後、品川へ移動。AUX BACCHANALESで昼食。ツナとアンチョビのオムレツ、ニース風サラダ、フライドポテト、バゲット、赤ワイン。昼間からごくごくと赤ワインを流し込む。周りのみんなも飲んでいる。お昼を外で食べる場合、飲酒しているのはわたしたちだけという状況が多々あり、常々寂しい思いをしていた。ここなら寂しくない。ヨーロッパ、まあ代表例はパリだけれど、そこではどんな時間帯でもしっかりお腹が膨れる食事とお酒を出すお店がスタンダートであるのに対して、日本ではそういうお店が少なすぎる。11年前に初めて海外へ行ったときからわたしのその印象は変わっていない。あ、でも銀座ライオンはAUX BACCHANALESに少し雰囲気が近いな。
キャノンギャラリーSで「本城直季写真展:東京」を鑑賞。空撮写真というとどうしてもすぐに松江泰治の写真群が思い起こされる。松江泰治の作品は太陽光がまったくの順光になるように撮影されており、一種異様な美しさがあるけれど、今回の「東京」は、早朝か夕暮れ時の撮影なのか、ビルの壁面が薄いバラ色に染められていて、それもまた儚い美しさがあった。と同時に、びっしりと隙間なく林立するビルや家などの建造物はあたかも墓石のようにも見えて、そこでまた松江泰治が世界の墓地を撮った作品『LIM』を思い出すことになる。併映されていた空撮映像も面白かった。上空からの眺めフェチなので、ウハウハと3回くらいくり返して見てしまった。
上野へ移動し、上野の森美術館で、毎年恒例「VOCA展 2016」を鑑賞。今年からなんと選考委員に高階秀爾と酒井忠康がいないのだという。寂しい。出展作品もまた、それほど好感の持てるものには出会えず、いちばん良かったのは村上友重で、村上友重は昔から好きなので村上友重の素晴らしさを再確認したというだけのことだった。