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Monday, January 19

晴れ。朝食、目玉焼き、鶏肉のグリルと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。高階秀爾『近代絵画史 上 ロマン主義、印象派、ゴッホ』(中公新書)を何度目かの再訪。昼食、弁当。夕食、豚肉と長葱と小葱と玉子を添えた温かいうどん。読書。上巻から下巻へ。高階秀爾『近代絵画史 下 世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム』(中公新書)を読む。

政府の領袖による決断で、衆議院の解散総選挙が実施されるというので、ふと先日読んだ下記の文を反芻する。

繰り返し指摘してきたように、そもそも民主制は絶えず批判と試練にさらされてきた。一方では大衆による支配の非合理性、情動性、非効率のゆえに批判され、他方では自由の実現や人権の擁護における不十分さ、あるいは代議員選挙における一票の格差や選挙区割りの不当性といった公正の論点から批判されたりした。前者と後者では制度の評価と改革の方向性においては正反対であっても、民主制そのものを否定するものではない。多くの現代人にとって、統治のシステムとしての民主制は議論の余地なき前提であるばかりか、一度確立されるとめったなことでは崩壊しないと考えられてきた。少なくとも欧米の民主主義国家では漠然としてではあるが、それが通念となっていた。ところが今世紀になると、旧植民地や旧社会主義諸国にとどまらず、その通念に疑問符がつく事態が散見されるようになったというわけである。(小倉充夫『民主主義の躓き 民衆・暴力・国民国家』東京大学出版会)

民主制の機能要件が全世界的に弱体化しているように見受けられるという事実はそのとおりであるが、とはいえ、どれほど権威主義的であろうと大衆迎合的であろうと、大抵の場合、権力の正統性の担保として、いまだ一応は「民主的な手続き」に依拠としているのは、興味ぶかいところだと思う。その事実が「希望」なのかどうかは、わからない。

Tuesday, January 20

洗濯。朝食、目玉焼き、鶏肉のグリルと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。高階秀爾『ヨーロッパ近代芸術論 「知性の美学」から「感性の詩学」へ』(筑摩書房)を読む。二度目の繙読。昼食、弁当。会社からの帰り道、吹き荒ぶ冷たい突風を前に、真っ直ぐ歩くのにも難儀する。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、豚肉と小松菜の塩胡椒炒め、長葱と生姜と刻み海苔を添えた冷奴。

集合の時刻に少し遅れて高階秀爾先生が入ってこられる。ステッキをつき背中が丸まり、足取りにも少々覚束ない風情がある。さすがの高階先生ももう九十過ぎだ、無理もないなという思いが当方の頭を一瞬よぎる。ところが次の瞬間、背をぐんと伸ばした彼がいったんマイクを手に喋り出すや、その朗々たる声の張り、その流麗な言葉の明晰と冴えに圧倒されざるをえない。わたしは先生の晩年、そんな場面に何度も立ち会った。
(松浦寿輝「平凡社ライブラリー 私の一冊」)

Wednesday, January 21

冷え込んだ朝。天気予報は雪の可能性を示唆する。朝食、目玉焼き、鶏肉のグリルと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。熊野純彦『カント 美と倫理とのはざまで』(講談社学術文庫)を読む。今年に入ってから、通勤の往来でのBGMとして、前の晩にNHKFMで放送された「ベストオブクラシック」を聴いている。本日の曲目は、ユッカ・ペッカ・サラステ指揮、ウィーン交響楽団の演奏で、シベリウスの交響詩「フィンランディア」。昼食、弁当。夕食、豚肉とほうれん草のパスタ。

正統的な哲学の世界では、精神分析はタブーであり扱うことが禁じられている。最近は減ってきたように思うが、かつては精神分析や無意識が学びたくて哲学科を目指す学生もいた。そして精神分析は心理学においても禁じられている。精神分析が似非科学だとは言わない。それもまた多くの真理を含みながら、人の心、特に若い人々の心を戻りえないような混乱に陥れてきたことは確かであり、自分自身の心の悩みの解決といった問題意識を体中に纏わりつかせて哲学を学び始めると、不幸なすれ違いが生じる。哲学は個人的な問題を解決する枠組みではない。個人の次元を離れて客観的に無慈悲かつ無情念的に扱わなければならないのに、無理難題を哲学に求める人は多い。
(山内志朗『流れることへの哲学 存在の花を訪ねて』慶應義塾大学出版会)

この生は、生きるにあたいするのだろうか。世界はそもそも、人間にとって意味ある生を可能とするようなしかたで組みたてられているのだろうか。
哲学的思考こそ、こうした問いに対して答えを与えるものである。ひとがそう考え、期待するとすれば、その希望はたいていのばあい手ひどく裏切られることになるだろう。ひとびとが哲学にもとめるものと、哲学が与えることとは、いつでもすこしずつ食いちがっている。あるいは、まったく擦れちがってしまう。
(熊野純彦『カント 美と倫理とのはざまで』講談社学術文庫)

Thursday, January 22

朝食、目玉焼き、鶏肉のグリルと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。熊野純彦『カント 美と倫理とのはざまで』(講談社学術文庫)を最後まで。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、刺身の盛り合わせ(鮪、鮭、烏賊、海老)、大根のつま。主として本と雑誌の整理に費やす部屋の片付け。

Friday, January 23

朝食、目玉焼き、鶏肉のグリルと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

本日は有給休暇を取得。窓の外は澄んだ青空が広がる。終日自宅にて。「1988 CAFE SHOZO」の豆を挽いて、珈琲を淹れる。読書。そのむかし図書館で借りた本を、四半世紀以上の月日が経過したのち、このたび「みすず書房」の謝恩企画を利用して購入。山本義隆『磁力と重力の発見 1 古代・中世』『磁力と重力の発見 2 ルネサンス』『磁力と重力の発見 3 近代の始まり』の全三巻を読む。

昼食、弁当。夕食、小葱と玉子を添えた麻婆豆腐、白米。映画鑑賞。『野いちご』(イングマール・ベルイマン/監督、1957年、スウェーデン)を見る。筑摩書房のPR誌『ちくま』2月号が届く。

Saturday, January 24

洗濯。朝食、目玉焼き、ソーセージと粒マスタード、サニーレタスとトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。書架から畠山直哉『Terrils』(Light Motiv)を引き抜く。

外出。京浜東北線に乗って上野駅下車。開館時刻の30分前に訪れるも、「国立西洋美術館」の前には既に行列ができている。「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」展を見学。混雑による人の流れの錯綜緩和を目的に、美術館に入る通常の入口ではなく、裏口からの入館を案内される。開館前から並んだのが功を奏し、「それなりに混んでいる」程度で鑑賞できた。印象派の歴史において重要な絵画が複数出品されており見応えはあるものの、作品の展示数自体はそれほど多くはないので、最後の部屋に向かう前にもう一度初めから見返そうとルートを逆流してみたところ、数多の鑑賞客でとうに芋洗い状態。

上野を後にし、日比谷線と東西線を乗り継いで、木場駅で下車。穏やかな冬晴れに包まれる「木場公園」を歩いて、「東京都現代美術館」に向かう。展示の内容からして、こちらはきっと空いているだろうと予想した「東京都現代美術館」は、想定どおり閑散としていた。人の少ない美術館は素晴らしい。美術館併設のカフェ「二階のサンドイッチ」で昼食。トマトタルタルのフィッシュサンド、冬のピクルスとグリルチキンのサンドイッチ、珈琲。「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」「Tokyo Contemporary Art Award 2024–2026 受賞記念展「湿地」」「MOTコレクション マルチプル_セルフ・ポートレイト / 中西夏之 池内晶子 弓形とカテナリー」をじっくりと見学する。なにより人が少ないのが素晴らしい。

清澄白河駅まで歩く。途中で紅茶専門店の「TEAPOND」に立ち寄る。半蔵門線で渋谷駅まで。「東急フードショー」内の「Bricolage bread & co.」で農民パンを買う。「渋谷スクランブルスクエア」内の「KINOKUNIYA」で飲料を買う。東横線で田園調布駅まで。「DAIICHI-ENGEI」でシネラリアと雪柳を買って、「マツモトキヨシ」で日用品を買って、「Precce」で食料品を買う。

アイロンがけと常備菜づくりと夕食の支度。夕餉は、白米、絹ごし豆腐と白菜の味噌汁、辣油と小葱を添えた豚肉と萌やしの炒め物、南瓜と菜の花の蒸籠蒸し。「一保堂茶舗」の大福茶を飲む。

Sunday, January 25

洗濯と掃除。朝食、目玉焼き、ソーセージと粒マスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、キャロットラペ、農民パンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

読書。ジェームズ・M・スコット『ブラック・スノウ 東京大空襲と原爆投下への道』(染田屋茂/訳、みすず書房)、島崎今日子『富岡多惠子の革命』(中央公論新社)、五十嵐彰『可視化される差別 統計分析が解明する移民・エスニックマイノリティに対する差別と排外主義』(新泉社)を読む。途中、昼食としてお汁粉を食べる。図書館への本の返却と貸出。スーパーマーケットで食料品の調達。お八つに「泉屋」のクッキーと「TEAPOND」の紅茶。

夕食、レモンを添えた蛍烏賊と長葱と芽キャベツのパスタ、サンペレグリノ。