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Monday, March 1

話を東京に限定すれば今季の冬は寒い日が少なかった印象。三月がはじまる。朝の音楽、The Dave Brubeck Quartet「Time Outtakes」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食は職場にて持参のお弁当を食べる。

読書。芥川龍之介『地獄変・偸盗』(新潮文庫)を読む。帰宅途中、本屋に寄り道して近藤聡乃特集の『ユリイカ』3月号(青土社)を買う。何年ぶりなのか記憶にないほど久方ぶりの購入と相成った『ユリイカ』。青土社の刊行する雑誌『現代思想』と『ユリイカ』に掲載されている文章ほとんどに目をとおしていた酔狂な大学生時分から遠く離れて、この二冊の雑誌がいま何をしているのかまるで把握していない。

暖かい一日だったが賞味期限切れの迫る出汁を使い切るために本日の夕餉は鍋。豚肉と白菜とうどんの鍋、大根と柚子の漬物、麦酒。

Tuesday, March 2

いつもどおりの午前4時45分起床。Nancy Sinatra「Start Walkin’ 1965-1976」を聴きながら朝食と弁当の準備。目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

朝の出勤時、雨に降られて足元がびしょ濡れになり辟易しつつも、在宅勤務がつづいた身にはこの感覚は久しぶりとの感慨もあり。通勤電車で座って読書。いま電車の車両は換気のために窓を開けているので、雨風がそれなりだと文庫本めがけて雨粒が飛んでくる。芥川龍之介『羅生門・鼻』(新潮文庫)を読む。

夕食、イクラと炒り卵と蓮根とさやえんどうと刻み海苔のちらし寿司、絹ごし豆腐のお吸い物、麦酒。夜、近藤聡乃特集の『ユリイカ』を読む。窓の外は暴風。

Wednesday, March 3

朝の音楽、Carwyn Ellis & Rio 18「Mas」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昨晩の強風の影響で、沿線のマンション工事の足場が倒壊したらしく東急東横線が止まっている。昼食、お弁当。

読書。先日届いた『みすず』3月号(みすず書房)を読む。『みすず』の内容はほぼ連載もので成りたっているが、ときどき酒井啓子による小論が掲載される。しかし酒井啓子は結構な頻度で登場するのでこれは事実上連載とおなじなのでは。

夕食、ローストチキンと粒マスタード、トマトとほうれん草のコンソメスープ、麦酒。夜も読書。沢山遼『絵画の力学』(書肆侃侃房)を読む。

Thursday, March 4

朝の音楽、Katy Kirby「Cool Dry Place」とaimi「Changed 4 Good」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、焼豚と茹で卵とほうれん草と蓮根をのせた味噌ラーメン、麦酒。

会社で会議がつづいて疲れる。読書。芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫)を読む。芥川龍之介の短編は「今昔物」「切支丹物」「開化物」などと分類されるが、心境小説と形容される晩年の短編に対する評価は概して低い。抜群の知的膂力によって精緻に構築された芥川の作家人生前半の小説群のほうが、晩年の諸作品と較べて作品として優れているのは、文学的感性というものをまるでもちあわせていない私にもわかる。しかし、小説としてあまりうまくいっていないと思われる自殺直前の短編たちを、芥川を読み始めた当初からずっと好んでいる。

夜、映画鑑賞。『みな殺しの拳銃』(長谷部安春/監督、1967年)を見る。

Friday, March 5

朝の音楽、Mouse On Mars「AAI」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、無印良品のスパイシーチキンカレー。

午後半休を取得して歯医者に向かう。右下の親知らずを抜く。自宅に戻ってエリック・ロメールの映画を再見。『飛行士の妻』(1980年)と『パリのランデブー』(1994年)の二本。

夕食、白米、小松菜と絹ごし豆腐の味噌汁、しらす、焼き魚(鯖)と生姜、加賀棒茶。抜歯の影響で身体が怠くなって早めの就寝。

Saturday, March 6

身体の怠さは取れず。朝の音楽、Deep Vally「Digital Dream」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

歯医者で昨日の抜歯の消毒を済ませてから街にでる。山手線の原宿駅下車。WITH HARAJUKUのスターバックスでコーヒーフラペチーノを買ってから、人通りの少ない裏道を歩きながら表参道方面に向かう。agnès b. galerie boutiqueで「agnès b. 5 days in Moscow in 1987」を見学。アニエスベーがモスクワを訪れた際に撮影した写真がならぶ。青山通り沿いを歩いて渋谷駅方面へ。渋谷ヒカリエに立ち寄って豊島屋、銀座ウエスト、CHEF’S PRESSで買いものをして帰る。

自宅に戻ってCHEF’S PRESSで買ったフルーツサンドと珈琲をお供にYouTubeの動画を視聴。BEAMSの中村達也の話が興味ぶかいのでYouTubeにあがるたびに確認しているのだが、BEAMS公式番組のトレンド解説とあわせて見た、「CHANNEL KOTARO」にゲスト出演した回がとてもおもしろかった。洋服の話というよりいかにナポリが危ない街かという話 ((
https://www.youtube.com/watch?v=h–imlLo_UA))。

洋服にかんする動画を見たので洋服の整理をしたくなり、クローゼットを片付ける。夕食、白米、油揚げと小松菜の味噌汁、しらす、冷奴と生姜、豚肉のにんにく塩炒め、加賀棒茶。

夜、ミラノとパリの秋冬コレクションの動画を視聴。「Prada」「Giorgio Armani」「Chloé」「Dries Van Noten」「Nina Ricci」「Fendi」「Mame Kurogouchi」。新型コロナウイルスの影響でショーができないので、各ブランドは趣向を凝らしたイメージ動画を作成しているのだが、本来のランウェイのもつ熱量は欠落している。傍にギャラリーがいるなかを新作の服を着たモデルが歩いているだけという単純な舞台装置のほうが魅力的である不思議。

Sunday, March 7

朝の音楽、Big Animal Theory「However Well Known, Always Anonymous」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

午前中、近所のドラッグストアとスーパーマーケットで買いものを済ませる。知らぬ間に自宅に存在した「北欧、暮らしの道具店」で販売しているホットサンドメーカーをつかって、食パンと鶏ハムとチーズをつかってホットサンドの午餐。午後は自転車に乗って外出。図書館に寄ってから池上線の久が原駅あたりまで赴いて、La splemdeurでモンブランのケーキを購入。近くの花屋でドライのミモザを買って帰る。

自宅にてケーキと珈琲とラジオと読書。『UP』3月号(東京大学出版会)と山本貴光+吉川浩満『人文的、あまりに人文的 古代ローマからマルチバースまでブックガイド20講+α』(本の雑誌社)を読む。夕食、ロールキャベツ、ライス、ブロッコリーと人参のサラダ、麦酒。