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Monday, April 3

新年度。サントリーの新聞広告で伊集院静が新社会人に向けたメッセージを書いている。あんな中身のない文章を書いて原稿料が貰えるのだから羨ましい。

加藤陽子『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)を読了する。前作『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』につづき加藤陽子が中高生に向けて講義するという体裁なのだが、今回もまた、参加している生徒たちが優秀。

夜、『みすず』4月号(みすず書房)を読む。

Tuesday, April 4

日本経済新聞が小池百合子東京都知事にインタビューを実施しているのだが、小ネタ以上の価値をもたないどうでもいいような問答を紙面に掲載している。

−−郷ひろみのファンだったと聞いている。
「その情報はかなり古いですね」

これ、わざわざ活字にする必要あるのか。かたや、日経新聞の傘下であるファイナンシャル・タイムズ紙は、トランプ大統領へのインタビューで、北朝鮮問題について中国が解決しなければアメリカによる単独行動も辞さないとする見解を引き出している。新聞としてのあからさまなクオリティの差が虚しい。

ロシアのサンクトペテルブルクで地下鉄爆破テロ。テロの翌日、「今朝もいつものように地下鉄に乗った。恐ろしいことだが、動かないのはもっと困る」とコメントするロシア市民。テロより、地下鉄が動かないほうが困る。さすがロシアである。

武井彩佳『〈和解〉のリアルポリティクス ドイツ人とユダヤ人』(みすず書房)を読む。

Wednesday, April 5

シリアのアサド政権軍による反体制派が支配する地域への空爆で、化学兵器(サリン)が使用された疑い。想定される死者数は、メディアによって80人だったり85人だったり100人だったりするが、サリンがばら撒かれた状況で100人程度の死者で終わるとは思えない。

池田嘉郎『ロシア革命 破局の8か月』(岩波新書)を読む。

Thursday, April 6

大統領選挙期間中は親ロシアをアピールし、シリア問題についてアサド大統領の退陣にはこだわらない姿勢を示していたトランプだが、アサド政権による化学兵器を使用した空爆をうけて、態度を変えるような発言をしている。あっさり意見を変えるのがトランプの十八番になりつつあるような。トランプにはそもそも譲れない主義主張など存在せず、あまり深く考えずに意見を言っているようにも思うが、それに較べて、現況においてもなお、アサド政権を支持する姿勢を崩さず、国連の安全保障理事会による非難決議案を拒否する、まったくぶれないロシア=プーチンの一貫性はすごい。

『沖縄問題 リアリズムの視点から』(高良倉吉/編著、中公新書)とトーマス・シェリング『ミクロ動機とマクロ行動』(村井章子/訳、勁草書房)を読む。

Friday, April 7

月初の土日に労働力を企業体に捧げたので、本日はその代休。

新宿にて。HMVでレコードを買って、IDÉEで黒のバブーシュを買って、SmithでiPhoneケースを買って、SHIPSでシャツを買う。買いもの三昧。

アメリカがシリアのアサド政権軍の基地に巡航ミサイルを発射したとの報道。共和党保守派の抵抗があるので、はじめから無理筋と思われていたトランプの夢見たアメリカとロシアの接近は、こうなると夢物語として終わりそうである。トランプの語る、シリアの子供がかわいそうだから攻撃したというのはほとんど感情論だし、攻撃がアメリカの安全保障上有益だというのも唐突すぎる。内政の膠着状態の嫌気から外政に向かったであるとか、北朝鮮問題をめぐる中国への牽制だとかの意図であれば、一応の理屈は通るけれども。しかし、孤立主義を嘯いていた姿勢は一体どこにいったのかと唖然とするようないきなりのシリア攻撃は、情勢が正常化に向かうどころかさらに泥沼化するような予感。

Saturday, April 8

スウェーデンの首都ストックルムでトラックが人混みに突っ込むテロが発生。Google Mapで場所を調べたら、ストックルムを旅したときに泊まったホテルの目と鼻の先だった。

田園調布からバスで砧公園へ。桜は満開だがあいにくの曇天で、小雨が止まない。そして肌寒い。世田谷美術館で「花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼」を見る。大政翼賛会宣伝部に在籍して時局に加担した戦前から、人びとの暮らしに基点をおく編後の編集者としての活動にいたるまで、一貫していると思ったのは、花森安治はずっとアジテーションをやっているということ。思想の態度は真逆だが、世間に向かってアジりつづけるという意味では、戦前も戦後もおなじことをやっている。

ふたたびバスで田園調布に戻って、目黒経由で五反田で下車。フランクリン・アベニューで遅めの昼食。ハンバーガーとビールののち、目黒川の桜を見にいく。

夜、近所の公園で、屋台のたこ焼きを食べながら夜桜を見る。昼間よりも夜のほうが暖かい。

Sunday, April 9

歩き回った昨日の疲れが残って、いつもの4時44分には起きられず、6時半に起床。

窓の外は、ずっと雨。家から一歩も出ることなく、京都小旅行の事前調査として、『Hanako』の京都特集と『& Premium』の「テーマをめぐる、京都、街歩きガイド。」を参照する。