168

Saturday, July 19

朝、ピザトースト、ヨーグルト、珈琲。食材の買い出し。帰り道、ポツポツと雨に降られる。昼、タコと水菜のパスタ、白ワイン。このパスタはいつ食べても本当に美味しい。久しぶりに飲んだコノスルの白ワインは、なにやらプレミアム扱いの品だったらしく、たしかにいつも以上に美味しいような気がした。なるべく日持ちのするよう、煮込み系の常備菜、じゃがいもの土佐煮やらにんじん・セロリ・玉ねぎ・ミックスビーンズのコンソメ煮やらつくったら汗だくに。夏の台所は常に酷暑だ。

Sunday, July 20

東京都写真美術館で「フィオナ・タン まなざしの詩学」を鑑賞。まず、展示の前に1階のホールでフィオナ・タンが制作した『興味深い時代を生きますように』(1997年)、『影の王国』(2000年)の2本のドキュメンタリーを観る。『影の王国』は作者の写真論・イメージ論ともいえるドキュメンタリーだった。「世界がアーカイブなら、自分はどのイメージを選ぶだろう」とナレーションでフィオナ自身が問うている。どのように見る対象を選ぶのか、見る行為を通して何を得ようとするのか、写真家たちに尋ね、考察を重ねていく。「イメージはそれを見る眼なくしては存在し得ない。ゆえに、鑑賞することは、創造的な行為なのだ」(ナレーションより)。大変面白かった。こういう作品を観るのが、いまはいちばん愉しい。その後、アーティストトークを聴いた。フィオナ・タンはまるで少女のような雰囲気だった。受け答えに真面目な人柄をみる。あと通訳の横田佳世子さんという方が、仕事ぶりも、声も、ルックスも、雰囲気も、とても素敵な方で少しばかり衝撃を受けた。もし自分が十代の頃に彼女の通訳場面に出くわしたら、本気で翻訳者という職業を目指してしまったかもしれない。最後に展示会場で写真と映像作品を観て、今日は一日フィオナ・タン三昧。

POST/limArtで「細倉真弓 Transparency is the new mystery」、G/P galleryで「細倉真弓 クリスタルラブスターライト」、MEMで「北野謙 いま、ここ、彼方」、TRAUMARISで「石井宏史展」を観る。またガーデンプレイスのほうに戻ってきて、Rue Favartにてパテ、ニース風サラダ、煮込んだ牛すじの入ったチーズグラタンのようなもの(ちょっと濃厚過ぎたけれど、とても美味しかった!)、赤ワインで夕ごはん。お酒は少しひかえめに。食事の間ずっと雷鳴が轟いていた。