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Monday, December 16

野口真紀『きょうのサラダ』(主婦と生活社)を読む。いい本。参考になる。野菜は眺めていても、調理をしても、食べても、楽しい。野菜は偉大だ、と毎日思う。

Saturday, December 21

朝から美容院。一番乗りだったため店内が温まっておらず、足元が寒い寒い。最近身体のあちこちが調子悪くて……と年寄り話を始めると、でもいつも元気そうですよ、と言われる。違うんですよ全然元気なんかじゃなくて、美容院という場所が好きで来るとワクワクするし美容師さんが話しやすいし質問上手だからペラペラペラペラペラペラペラペラしゃべってるだけなんですよ、本当はテンション低いしすぐ疲れるし元気という元気すべてカラ元気なんですよ、と説明したかったが一言、いやそんなことないんですけどねぇ、とだけ言っておいた。

美容院の後、時間つぶしのために立ち寄ったブックオフで松浦寿輝の『半島』が100円で売っていたので迷わず買う。函から出せばハンマースホイの絵が現れる。ずっと所有したいなあと思っていたので嬉しい買い物だ。

お昼ごはんは、今年最後の「ももちどり」でパンケーキ。いつものようにスープとサラダのセットを頼む。ももちどりのスープは本当に美味しくて、もうなんと言えばいいのか、非の打ち所がないスープとはこのことではないのだろうか。食後、新宿ブックファーストをひやかす。欲しい本が数冊あるが、荷物が重くなるのできょうのところは我慢しておく。

五反田に移動して、洋書専門の古書店「GOOD DAY BOOKS」に初めて足を運ぶ。夫の付き添いで行ったのに彼は何も選ばず、わたしのほうが入ってすぐの棚に並んでいた、世界の名画や写真のなかから本を読む女性が描かれた作品を選んだアンソロジー画集? 写真集? に心惹かれてしまって、一冊お買い上げ。また部屋に本が増えてしまう……と思いつつ、レジでお会計をしてもらう。

原美術館で「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」を観て、大崎駅近くのTSUTAYAで旅行ガイドブックを立ち読みしてから、フランクリンアベニューでアボカドバーガー、リングポテト、ビールをいただいた。この辺りに来たらフランクリンアベニューに寄らずには帰れない。

Sunday, December 22

きのう、原美術館のyoshitomo nara’s roomに飾られていたクリスマスツリーがいい感じだった。豪勢すぎなくて、ほどよい感じで。あれくらいの高さのツリーがほしいな。来年探してみようか。

朝ごはんは食べず、お腹をすかせたまま外苑前まで出向き、「World Breakfast Allday」でお昼ごはんを食べる。11月・12月はフィンランドの朝ごはんを食べられる。ミートボールにはジャムがついている。サラダに使われている赤い野菜はビーツかな。サーモンのスープ、とても美味しかった。ディルがいい仕事してる。1月・2月はベルギーの朝ごはんですって! まあ楽しみ。何が出るのかな。

ワタリウム美術館で「宝箱 — 齋藤陽道写真展」を観る。これほど切実に世界とコミットしようとする写真を久しぶりに観た気がする。その意識と情熱を、写真の巧さが支えている。これだけいろいろな被写体をいかようにも撮れるというのはすごいことだ。すべての作品に溢れていた光と、あの空を飛ぶイルカの表情をずっと覚えていよう。オン・サンデーズでクリスマスカードを購入。買った後によく見たらチェコ製らしかった。

ギャラリーときの忘れもので「ジョナス・メカスとその時代」を観る。サミュエル・フラー、ニコラス・レイ、スタン・ブラッケージ、ケネス・ブラナー、ロベルト・ロッセリーニ、ピエル・パオロ・パゾリーニなどの同時代を生きた人々の姿がメカスの“静止したフィルム”の中に息づいている。ずっと欲しくて、いい加減そろそろ買おう、と思っていた『ジョナス・メカス―ノート、対話、映画』(せりか書房)を購入。

いつ行ってもすいてる外苑前駅そばのスタバは、1階はやはりきょうもすいていた。2階は満席だったが、注文を待つ間に席が空いた。ジンジャーブレッドラテを飲む。スタバで普通のコーヒー(ブレンド?)以外を飲むの、いつぶりだろう、1年ぶりくらいかな。また1年後に飲もう。それにしてもこのスタバ、人がみっちみちに詰め込まれてる感がなくて余裕があって、雰囲気がすごく良くて、東京のスタバの店舗の中でいちばん好きかもしれない。ノートパソコン使用率も高い。わたしもMacBookAir持っていきたいなあ。

時間をつぶしつつ、青山ブックセンターをうろうろうろつく。本に囲まれ、ポール・マッカートニーとダニー・ハサウェイのクリスマスソングも流れ、ああ何という至福の時。そして、ついに買ったよ、金井美恵子エッセイ・コレクション。『夜になっても遊びつづけろ』『猫、そのほかの動物』 『小説を読む、ことばを書く』を。第4巻の『映画、柔らかい肌。映画に触る』はまだ発売前だった。金井美恵子は出すものほぼすべてを読みたいと思っていて、それなりに持っているので今回のコレクションをどうしようかずっと迷っていたのだけれど、これはこれで、やっぱり欲しい。欲望に抗えなかった。全巻そろえるのが待ち遠しい。

きょうの最終目的地、赤坂見附へ。今夜は紀尾井ホールで「ゴンチチのクリスマス2013」を聴く。ゴンチチのコンサートは初めてだ。NHKのラジオ「世界の快適音楽セレクション」は大好きで毎週録音して聴いているが、きょうまでずっと、おふたりの顔と声を逆に認識していた。松村さんの顔を思い浮かべながら、ああ、三上さんがしゃべってる、と思い、三上さんの顔を思い浮かべながら、ああ、松村さんがしゃべってる、と思っていたのだった。大変失礼しました。きょうでばっちり、目に焼き付けました。もちろん音楽も素晴らしく、もっとも印象に残ったのは「枯葉」で三上さんが奏でたソプラノギター。心の歪みが消えて平かになり、すうっと遠くまで見晴るかせるような、冴えた心持ちになった。素晴らしいコンサートだった。