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Monday, May 12

小雨がぱらつく朝。朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、豚肉とキャベツのお酢炒め。

読書。秋尾沙戸子『京都占領 1945年の真実』(新潮新書)を読む。GHQ占領下の京都の街を活写するとても興味ぶかい内容だったが、京都に関する本を面白く読めるようになったのは、京都の地理をある程度把握できるようになったから、という要素も大きい。

夜、フランスの赤ワインを飲みながら、岸本千佳『もし京都が東京だったらマップ』(イースト新書Q)を読み返す。

Tuesday, May 13

朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、鶏の唐揚げ、蛸と若布と胡瓜の酢の物。

読書。秋元康隆『その悩み、カントだったら、こう言うね。』(晶文社)を読む。一見軽い読みもの風の体裁だが、後半は、「カント倫理学」をめぐる込み入った議論をしている。

Wednesday, May 14

今週末に訪れる地域の天候を逐一確認しているのだが、天気予報のアプリを閲覧するたびに、予報がコロコロと変化する。世の中で、これほど「前言撤回」が許容されているサービスは珍しいかもしれない。

朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、豚肉とほうれん草のお酢炒め。

読書。黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』(講談社選書メチエ)を再訪する。

Thursday, May 15

朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、豚肉とほうれん草の塩胡椒炒め、林檎。

読書。山川方夫『目的をもたない意志 山川方夫エッセイ・コレクション』(高崎俊夫/編、ちくま文庫)を読む。

Friday, May 16

京都へ。今回の旅行はいつもとは趣が異なり、非直系尊属の親族と同行する旅で、「水先案内人」かつ「タイムキーパー」の任務を担う。行きたい場所の希望を事前に募り、行程を組み立てる。

近頃の京都旅では、午前6時始発の東海道新幹線に乗り込むのが通例となっているが、今回の出発時刻は随分とゆったりで、10時46分品川駅発の新幹線で京都に向かう。昼食は、品川駅構内の「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」で買った弁当を車内で。

午後1時前に京都駅着。このたびの宿泊先は東山にある「THE HOTEL HIGASHIYAMA KYOTO TOKYU, A Pan Pacific Hotel」。京都駅八条口から送迎バスが運行されているので、そのサービスを使ってホテルまで移動。チェックインの手続きを済ませる。

タクシーに乗って「南禅寺」まで。三門、法堂、水路閣を見学する。「南禅寺」から歩いて「無鄰菴」を訪れるも、いつの間にか予約制になっており庭に入れず。「蹴上インクライン」を少し歩いてから、タクシーに乗り込んで「青蓮院」を目指すも、山道を登って「青蓮院門跡大日堂」まで連れて行かれる。京都を一望できる景色は素晴らしいが、訪れたかったのは東山山頂ではなく平地にあるほうなので、ふたたびタクシーに乗って「青蓮院」に向かう。受付終了時刻の夕方4時半ぎりぎりに到着すると、それまで外国人観光客ばかりを相手にしていたらしい窓口の女性に、「Five o’clock closed」と言われる。思わず「Yes, I understand.」と応えそうになるも、「あと30分なのは知ってます。日本語で大丈夫です」と返す。前回訪れたのは紅葉の時期だったが、新緑の季節の「青蓮院」もとてもよかった。

一旦ホテルに戻って少し休憩してから、タクシーに乗って食事処に向かう。夕食は「馳走いなせや」にて。

Saturday, May 17

早朝から雨模様。朝食はホテルにて。エントランスに置いてあった「京都新聞」に目をとおすと、きのう訪れた「琵琶湖疏水」が国宝に指定されるとの報道が一面を飾っている。

昨晩のアルコール摂取量が閾値を超えていたらしく、体調は低空飛行。雨脚が落ち着くまで、ホテルで休憩。午前11時を過ぎたあたりで、二日目の旅程を開始する。雨が降ったり止んだりの空模様なので、傘をささずに済むように、ホテルからタクシーで「エースホテル京都」まで向かってから、「新風館」の内部を通って烏丸御池駅に向かうルートを選択する。烏丸線に乗って北山駅まで。昼食の目的地である「よしむら北山楼」を訪れる。

雨が止む。タクシーを捉まえて「大徳寺」まで。「龍源院」と「興臨院」を見学してから、「今宮神社」まで歩いて「一文字屋和輔」であぶり餅を食べる。

タクシーに乗って南下。「辻和金網」で買いもの。急須を買う。近くの「Kurasu Ebisugawa」で珈琲豆を買って、丸太町駅から烏丸線で京都駅まで。「ジェイアール京都伊勢丹」での土産物の物色に付き添う。

送迎バスを利用して、一旦ホテルまで戻り、少し休憩してからタクシーで祇園四条まで。鴨川沿いの賑わう京都の街を眺めてから、夕食は「東華菜館」にて。久しぶりの4階の部屋で北京料理。

胃が悲鳴をあげていたので、昼も夜もほとんど食べていないのだが、好きな飲食店に案内できたので満足。食べることそれ自体に対する執着が薄いというのもあるが。

Sunday, May 18

「梅雨の走り」で雨模様、との数日前までの天気予報をひっくり返して、曇りのち晴れ。薬局で購入して飲んだ「半夏瀉心湯」が効いたようで、体調は快復傾向。

午前6時45分、ホテルで朝食を摂る。ビュッフェ形式の朝食会場は、きのうは日本人の高齢者ばかりだったが、本日は外国人観光客ばかり。客層がやや謎である。荷物をまとめて、チェックアウト。送迎バスを利用して、ホテルから京都駅まで。コインロッカーにスーツケースを預けて、本日の行程を開始する。

京都駅からタクシーに乗って「東福寺」まで。境内の「通天橋」からの眺めは、秋の紅葉も美しいが、新緑の時期の素晴らしさを推したい。紅葉の季節の大混雑と打って変わって、拍子抜けするほど人がまばらなのもよい。併せて「本坊庭園」も久方ぶりに訪れる。「東福寺」からタクシーに乗って北上。

「京都八百一本館」に立ち寄り店内を見物してから、「イノダコーヒ本店」を訪れる。丁度昼どきなので、行列に並ぶ羽目になるかもしれないとの心配は杞憂に終わり、中庭を臨むいい席に案内される。京都のオーバーツーリズムをすり抜ける旅。昼食はフルーツサンドと珈琲。洒落た服装の初老男性が隣の席に座ったのだが、手にもっていた雑誌が『Casa BRUTUS』と『GISELe』で、その瀟洒な佇まいを注視してしまう。

タクシーを捉まえて「京都御苑」の「乾御門」付近まで。「京都御苑」のなかを軽く歩いてから、「虎屋菓寮 京都一条店」を訪問。こちらも並ぶことなく、するっと入店。羊羹と煎茶。休憩後、すぐ傍の「本田味噌本店」を訪れるも、日曜日は定休日だった。

「京都御苑」附近からタクシーで京都駅まで。「ジェイアール京都伊勢丹」の食料品売場で買いもの。「田中長奈良漬店」の奈良漬、「満月」の阿闍梨餅、帰路の新幹線車内で食べるためのおにぎりを買う。複数の修学旅行生の集団で溢れかえる京都駅構内を辿り、予定どおりの東海道新幹線に乗って帰途に就く。

車窓の外はまだ明るい。西を旅して、日が暮れる前に東京に戻るのは珍しく、新鮮な気分。午後5時半前に品川駅着。品川駅東口のタクシー乗り場に向かうためのエスカレーターが工事中という罠に嵌るも、無事に全員生きて帰る。