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Monday, June 19

ロンドンの北部でムスリムを狙ったテロ。過去数十年を俯瞰した統計上においてはテロ事件が増加傾向にあるわけでは必ずしもなく、イギリスについていえばむしろ一時期よりも減っているので、テロで死ぬより浴槽で死ぬ蓋然性のほうがはるかに高いとエコノミスト誌は書いていたと思うが、確率論的にはそうだとしても、昨今のラマダンの時期の欧州は、浴槽も危ないが路上もそれなりに危ない。この時期、ヨーロッパのいちばんいい季節なのに。

金沢を旅したときにオヨヨ書林で買った『淀川長治 自伝』(中公文庫)、その上巻を読む。

Tuesday, June 20

イスラム国がラマダンの時期にテロを呼びかけているので、イスラム教徒でもないのにラマダンの期間が気になる。一般のイスラム教徒にとっては迷惑千万な話であるが。昨夜、パリのシャンゼリゼ通りでテロ。

本日入手した二冊のフリーペーパー、東急線で配布している『SALUS』と東京メトロで配布している『メトロミニッツ』を読む。『SALUS』のほうは、まあフリーペーパーだったらこんなものだろうと思う程度の内容なのだが、スターツ出版が編集している『メトロミニッツ』の情報量が相変わらず尋常じゃない。なんで無料で成立するのか不思議に思う取材量である。スターツの力か。今月号の特集はウイスキー。

Wednesday, June 21

夏至。ブリュッセル中央駅でテロ。正確にいえば未遂。自爆テロを企てた男が兵士に撃たれて死亡したらしい。ほかの被害はなし。これではただのアホである。こんなアホに対してもイスラム国は犯行声明を出すのかが気になる。

Thursday, June 22

平松洋子『焼餃子と名画座 わたしの東京 味歩き』(新潮文庫)を読む。巻末に併録されている東海林さだおとの対談のタイトルがいい。「最初からご飯を出せ」。ご飯を出せといっているのは著者の平松洋子ではなく、東海林さだおだが。

Friday, June 23

暑い日。日本銀行のホームページに青森でおこなわれた岩田規久男による講演と記者会見の模様が掲載されている。原油価格の下落や消費税導入の影響を考慮しても、現状において日銀の政策が極めて良好に機能していると評定する人は稀だと思うが、黒田東彦日銀総裁をはじめリフレ派の面々は、沸きあがる批判に対して頑強に反論し続けている。原田泰にいたっては昨年反論本まで出した。リフレ派の攻撃的な理論武装はけして嫌いではないのだが、しかしリフレ派にとって痛いのは、あまりにも現実世界が「冷酷」であるところである。出口戦略の出口は見えない。

日銀のことはさておき、本日の注目すべき三面記事はつぎのニュース。

福島県警は23日、飲食店で冷めたあんかけ料理を部下の頭にかけた他、バリカンで頭を丸刈りにするなど11人にパワーハラスメントをしたとして、双葉署の男性警部補(36)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。
http://jp.reuters.com/article/idJP2017062301001697

これはもう、東野さんの頭ってかた焼きそばみたいですよね、と言って東野幸治の頭部にあんかけをかける「ダウンタウンのごっつええ感じ」の模倣以外のなにものでもない。これが世にいうバラエティ番組の影響ってやつだろうか。しかしずいぶんとまた、年月を重ねてからの影響である。

Saturday, June 24

谷口吉生の「私の履歴書」を読んでいたら、ニューヨーク近代美術館の増改築設計の担当に決定したことをうけての祝賀会で、当時大統領夫人であったヒラリー・クリントンのことが書いてある。

当時ファーストレディーだったヒラリー・クリントンさんがいらして、スピーチ前の5分間で私自身の経歴などを、別室で簡潔に説明するように頼まれた。その後の彼女のあいさつにびっくり。私のこともコンペについてもずっと以前から詳しく知っているかのような口ぶりなのだ。

悪くいえば厚顔、よく言えば政治家として有能といった印象だが、ドナルド・トランプにはとてもできそうにない芸当である。ヒラリーとトランプで、どちらが腹黒い悪人かと問われればそれはヒラリーに決まっているが、どちらに投票するかとなればヒラリーだろう。と思っていたのだが、アメリカの投票者の半数はトランプを選んだ。

東京駅からバスでDIC川村記念美術館へ。美術館に併設されたレストラン「ベルヴェデーレ」で昼食。パスタのコースを頼んだが、最後のデザートとコーヒーで胃が重くなる。レストランでコースを注文するのはやめよう。最後のデザートと飲みものを赤ワイン2杯に変更できるようなプランがあればいいのに。目当ての企画展は「ヴォルス 路上から宇宙へ」。ヴォルスのつくりあげたミクロコスモスをじっくりと観察する。

千葉から東京に戻る。銀座メゾンエルメスフォーラム、ギンザ・グラフィック・ギャラリー、シャネル・ネクサス・ホール、ポーラ・ミュージアム・アネックス、ギャラリー小柳をめぐってから家路につく。

Sunday, June 25

梅雨空。

蓮実重臣がS状結腸がんで亡くなったとの昨晩の報せに驚く。古書ほうろうのtwitterで知ったことだが、『唄えば天国 ニッポン歌謡映画デラックス』(メディアファクトリー)という本のなかで、『鴛鴦歌合戦』の「全楽曲徹底解説」を蓮実重臣が書いているらしい。読みたい。

天気が悪いので終日自宅で過ごす。『MONOCLE』の7/8月号を読む。毎年恒例の住みやすい都市ランキングは今年も東京が一位。このランキングでいつもロンドンは圏外なのだが、それなのに『MONOCLE』編集部の拠点がロンドンにあるというのはなんとなく辻褄が合っていなような気がするのだが。