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Saturday, August 8

ひどく体調の悪かった一週間。夜中に何度も目が覚める。朝起きたときのあの身体の怠さが憎い。

きょうもやっぱり夜中に目が覚めて、午前2時前に起きて、なんとかふたたび眠り、その後、午前4時半に目覚めたときには起き出して、ラジオとクーラーをつけてソファに深く身を沈めて涼んだ。それにしても日の出時刻が遅くなった。寂しい。夏至の頃は午前4時半頃にはもう明るかったはず。パソコンで日の出時刻を調べてみる。暑さのピークの8月は、本当はもうずっとずっと、深い季節なのだ。

「ATELIER NOVA」(J-wave)に鈴木理策が出て40分ほど話すということで、いそいそと聴く。今回、展示を観て、図録も買って隅から隅まで読んで、インタビュー記事もいくつか読んで、いろいろなことを考えたけれど、鈴木理策が、8×10カメラで撮影するにあたって、レンズをのぞくと磨りガラスに目の前の景色が逆さまに映ってとてもきれいなんです、と語るその言葉がいいなあ好きだなあ、と思っていたらまたその話をしていた。鈴木理策、いつかは1本くらい、映画も撮りたいそうだ。「Saskia」みたいな映画撮ってくれないかなあ! 絶対観る。

夕方、新宿で、夫とわたしの友人の3人で会う。ひとつ歳下の、とても優しい友人とはもう20年近い付き合いになる。彼がこのたび結婚するので、お祝いもかねて。話がはずんではずんで食べることもままならない。しゃべって笑って夜更けまで。

Sunday, August 9

夜、早稲田松竹で『フルスタリョフ、車を!』(アレクセイ・ゲルマン監督、1998年)を観る。ひとつの家になぜあんなに多くの人がいるのか、病院内部がなぜあんなに入り組んで迷宮のようになっているのか、世界はこんなに音に満ち溢れているのか、すべてが過剰で目眩のするような世界にすっかりやられる。かっこいい。すぐまたもう一度観たい。冒頭、夜、降り積もった雪を照らす灯りの連なりが映し出される。窓の外にはしんしんと降り続く雪が描写される。終盤、黒い鳥が雪の上を舞う。人間世界の猥雑さに比べて、あの雪の美しさは何だろう。映画のほとんどを夜のシーンが占めているのも、怖くて美しい。