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Friday, May 29

乃木坂のギャラリー・間で「藤本壮介 未来の未来」を観てから、国立新美術館に移動して「マグリット展」鑑賞。マグリットは、観る前にはだいたいこんな感じだろうなって想像つくのだけど、じっくり観てみるとやっぱり新しい発見があって、やっぱり面白い。水色の空の模様の鳩がキャンバスいっぱいに羽ばたく絵はみんな知ってるマグリットの代表作だけれど、バリエーションがいくつかあって、有名なのはおそらく海の波の上に浮かぶ鳩。今回の展示ではもうひとつ、青緑の夜空に羽ばたく鳩の絵《空の鳩》があり、そこで驚いたのが、右下にちょんちょんと絵の具がのせられていたこと。これはきっと飛行場のランプだ、少なくともわたしにはそう見える、いままで気づかなかった! なんていい絵なんだろう。もうひとつ気になったのが、海の見えるこぎれいな部屋に、部屋いっぱいにゴツゴツの岩石が置かれた絵。窓からの光と岩石の影、室内の陰影がやけに写実的に描かれた異様なこの作品のタイトルは《記念日》。なぜこんなタイトルにしたのだろうか?

Saturday, May 30

渋谷のポスターハリスギャラリーで「寺山修司のラブレター展」を観る。このたび『寺山修司のラブレター』という本が出たのでその記念展示ということで、同書のアートディレクションを手がけた増田セバスチャンが会場の装飾も担当していて、スパンコールや硝子玉やレースや羽根がショーケースの中に飾られていて、ガーリーな雰囲気でまとめられていて素晴らしかった。それにしてもわたしは寺山修司の書く字が好きなので、彼の書いた字を見るために展示に足を運んでいるようなところがある。ギャラリーを出て歩きながら、夫と、寺山の「剽窃」問題について書かれた本は何だっけ、と話す。

マークシティのBikini TAPAで腹ごしらえをしてから、渋谷クラブクアトロで、吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERSのライブ。きょうのゲストは人見元基。いつもと変わらず楽しいライブだったけれど、後半、メンバー紹介の途中で大きめの地震が起きて怯えた。観客は年齢層が高いこともあっていたって冷静。しかしそういえば、昨年1月の吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERS新年会ライブの日には記録的な大雪が降った、ということもあった。