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Friday, May 29

午後は有給休暇にして、Soup Stock Tokyoでカレーとスープのセットを昼ごはんとしてから、六本木に移動する。天候は曇りのち雨。移動中、しばしば折り畳み傘をかばんから取り出すはめになる。TSUTAYA TOKYO ROPPONGIのスタバでしばし休息。ストロベリークリームフラペチーノを飲みながら『MONOCLE』6月号を読む。

夕方、TOTOギャラリー・間で「藤本壮介展 未来の未来」を見学。ギャラ間を訪れた際は、2階の建築関連の本が揃った書店を覗くのがいつものパターン。驚いたのは15,000円+税もする『TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三』(TOTO出版)が売行きランキングの第2位になっていたこと。欲しいけど買えない。

小雨の降る中を移動し、国立新美術館で「マグリット展」を鑑賞。出品数が多くてマグリットの画業が概観できるよい内容だったと思うけれど、ベルギーのマグリット美術館から来ている絵画作品はそれほどなかった。ベルギーを旅行した際、本当はスケジュールに組み込んでいなかったのだが、閉館1時間前に強引にマグリット美術館へ滑り込んだのは懐かしい思い出。

国立新美術館はきょうも冷えていた。冷房効きすぎ。美術館の入口付近に「国立新美術館は節電に取り組んでいます」と宣言文が掲げられているが、あの冷房のなかに身をおくとまったく説得力がなくてすごい。

夜、近所の蕎麦屋で鴨南蛮とビール。

Saturday, May 30

5時起床。パンケーキと珈琲の朝食。ラジオ。初夏のような陽気のなか、午前中、美容院で髪を切る。昼食は素麺。まだ5月なのに生活のスタイルが夏模様。

渋谷まで赴き、マークシティからキノハウス方面に向かって歩いて、ポスターハリスギャラリーで「寺山修司のラブレター」展を見学。人懐っこそうな寺山のあの字で書かれた、九條映子宛のラブレターが展示されている。ギャラリーを後にして、渋谷マークシティに戻る道を歩く。歩きながら、寺山の「剽窃」問題について書かれたいちばん最良な文献は何だろうという話になる。

マークシティ内にあるスペイン料理の店「Bikini TAPA」で早めの夕食。16時すぎに訪れたこの時間帯はいちおう「ティータイム」らしいのだが、ビールにワイン、各種料理をどんどん注文する。食後、17時開場、18時開演のライブ会場へ。

渋谷クラブクアトロで、吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERSのライブ。ゲストに人見元基。「齢には勝てないぜ」の演奏中に観客のひとりが倒れちゃったり(貧血?)、メンバー紹介の途中で大きな地震が起きたりと、ハプニングありのライブだった。吾妻さんはちょっと飲みすぎなんじゃないかと思うほどMCで呂律がまわってなくて、まあ何を喋ってもこの人はおもしろいからいいんだけど。でもMCはぐだぐだでも、歌いだすとピリッとするのがさすがだ。

ライブ終了後、山手線で帰ろうとしたら地震の影響で動く気配なし。華麗なる都市生活者としてはJRが止まっても地下鉄を駆使して移動すべしと意気込んだが、銀座線の赤坂見附で南北線の永田町乗り換えという、歩行距離がとんでもない最悪のルートを選んでしまった。

Sunday, May 31

きのうのライブの疲れで、早朝の5時と6時に設定してあるiPhoneのアラームをどちらもすっ飛ばし、起きたのは8時。窓の外は、雨の可能性を予告した天気予報を裏切って、晴天。朝食は抜きで珈琲だけを淹れて、MacBookに向かう。本日で5月が終了なので一ヶ月の家計簿を見ていたらあまりの出費に焦躁する。近所のスーパーで食材と日用品を調達。きょうの出費は6月扱いにしよう。問題の先送りである。

ワイシャツのアイロンがけと靴磨きを済ませてから、ジュディ・シルを聴きながら餃子をつくって蒸籠にならべ、昼食の準備。蒸し餃子、春雨ときゅうりとハムの中華風サラダ、ビール、紹興酒を少し。食後、畠山美由紀を聴きながらMacBookに向かって日記を書く。

大澤昭彦『高層建築物の世界史』(講談社現代新書)を読んでいたら、1899(明治32)年の元旦の新聞に、正岡子規が「四百年後の東京」と題した一文を寄せている話があって、子規は400年後の御茶ノ水周辺は3階から5階建ての「高層ビル」が屹立しているだろうと書いたらしい。400年後に対して夢がなさすぎである。

夜、ローストポテト、かぶとズッキーニと新玉ねぎのマリネサラダ、白ワイン。