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Wednesday, April 8

上田岳弘『太陽・惑星』(新潮社)。おもしろく読んだが、しかし「意欲的な小説」を書こうとしている現代日本の作家に共通してみられる、書いている人間が利巧そうなのが滲み出ている感が『太陽・惑星』にもあって、ビシビシ伝わってくるその作為が物語の奥行きを消し去ってしまっているような気が。平行して読んでいたハリ・クンズル『民のいない神』(木原善彦/訳、白水社)もまた、フィンションを形作るための技術的な思惑をつよく感じるのだが、一方でとても俗っぽい物語性も混ざり込んでいて、そこが小説というものの豊穣さにつながっているように思えた。ピンチョンだって俗っぽい物語全開だったりするわけだし。

Thursday, April 9

体調を崩す。PL配合顆粒、ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)、トランサミン錠500mg、イソジンガーグル液7%、クラリスロマイシン錠200mg。