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Saturday, July 12

東京国立近代美術館で「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 —ヤゲオ財団コレクションより—」を観る。先日の「映画をめぐる美術」同様、攻めの企画でとても面白かった。ザオ・ウーキー、リヒター、杉本博司、アンゼルム・キーファー、ベーコン……馴染みの名前がずらり。なかでも昨年、神奈川県立近代美術館鎌倉でジゼル・ツェランの銅版画を観たり、『みすず』で「アンゼルム・キーファーとパウル・ツェラン」と題された関口裕昭の連載をじっくり読んだりしたところだったので、キーファーの《君の金色の髪マルガレーテ》を間近で観られたのはとても嬉しかった。2Fの常設展示では、1Fの企画に合わせて杉本博司、野口里佳、楢橋朝子の作品が展示されていた。中西夏之も3点ほど。リヒターも。そして河原温も。楢橋朝子の写真を観ながら、写真も文章も素晴らしいエッセイ併録のフォトブックのような写真集を観直したいと考えていた。

続けて東京ステーションギャラリーで「ジャン・フォートリエ展」も鑑賞して帰宅。夜は、ごはん、油揚げと玉ねぎとわかめの味噌汁、いただきもののコロッケとチキンカツ、野沢菜の漬物、ビール。

Sunday, July 13

早朝、楢橋朝子のエッセイ併録のフォトブックのような写真集『とおすぎてみえたこと』(photographers’ gallery)を観ようと本棚を探索するも、なぜだか見つからなくて泣きそうになったが、午前中のうちに夫が在処を思い出し、無事発掘。ただ、わたしの記憶は誤っていて、写真集ではなく、エッセイ風に綴られた撮影記録のようなもので、オリジナルのプリントが一枚付いているものだった。久々に読んだけれど、やはりいい文章だった。