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Saturday, March 1

きのう朝食を食べていた時、先月と今月、まだWORLD BREAKFAST ALLDAYで朝ごはんを食べていないことを思い出した。1月・2月はベルギーの朝ごはんを出してくれるということで早々に足を運ぼうと思っていたのに、ノロやら雪やらにペースを乱されてしまい、すっかり失念していた。というわけで、朝9時頃、外苑前に到着。お店をのぞいたらなんと満席、あららーということで近くのスタバで時間をつぶし、9時半過ぎに再度行ったみたらばまたもや店内は人でぎゅうぎゅう。なんちうことだ。あきらめきれず、近くの本屋(リブロ)で時間をつぶし、ついでに料理の本を一冊買い、わたしもようやるわ、と思いつつ三たび入店を試みたらお客は3名しかおらず、無事、ベルギーの朝ごはんを食することができた。美味しかった。世界の食事を見たり食べたり調べたりするのは楽しい。特にヨーロッパの食事は。来月からはブルガリアの朝ごはんだそうだ。

気持ちもお腹も満たされた後、初台まで移動し、東京オペラシティアートギャラリーで「さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds」を観た。非常によかった。もう、どうにもよかった。近年観た映像系の展示のなかでも、断然よかった。今回はさわひらき自身が会場構成も手がけたそうだ。わたしは好評だった神奈川県民ホールギャラリーでの展示を観ておらず、資生堂ギャラリーとオオタファインアーツで観た限りかと思うので、今回はまず多くの作品を一度にじっくり観られる喜びをかみしめた。これまで部屋の中を小さな飛行機が飛び交う作品《dwelling》や、コップややかんに足が生えて歩きまわる作品、夜景のなかを小さな馬が行進していく作品、などミニチュア的、箱庭的な側面を感じることが多く、それらに関してはめちゃめちゃ心酔してしまうというほどではなかったが、今回は“人の身体”が扱われた作品をいくつも観ることができて、これらにすっかりやられてしまった。記憶を喪失した友人のことを題材にした《Lineament》(これは資生堂ギャラリーで観ていたのだけれど、今回のほうが沁みた)、少女が部屋の中をかけめぐる《For Saya》、窓から差し込む光の中、くるくるまわる女性の残像をおさめた、目眩を誘うような《Souvenir IV》。そして3つの鏡とともに展示された《Envelope》、特にこれはなかなか席を立てず、続けて3回も観てしまった。

いまこうして、スクリーンに表象されたものをわたしが認識し、これこれこういう作品、ととりあえず説明してみたものの、さわひらきの作品は言語化されることを拒絶するようなところがある。それでも、彼の作品を観て多くの人が口にする「夢の中の風景みたい」という感想よりもっとふさわしい言葉をそっと添えてみたい想いにかられる。ところでさわひらきがラジエーターに注目するのはつくづく面白い。ヨーロッパの室内に必ずある、セントラルヒーター。実はわたしもなぜか、あれが大好きなのだ。だからとても嬉しい。会場で配られるペーパーによると、さわひらきはそれに対して「配管を通じて別の部屋に繋がっていく構造や、境界を作りながらも反対側を覗き見ることができるという特徴を」意識しているとのことだった。

新宿まで戻ってきて、本屋を2軒はしご。『BRUTUS』の今号がラジオ特集だと知って驚いた! ノーチェックだった。しかも5年ぶりの第2弾。第1弾を熟読したのがもう5年前だなんて……。平凡社から出る金井美恵子エッセイ・コレクションを探すも見つからず。また発売延期だろうか。3月に岩波から出るのを楽しみにしていたジュリアン・グラック『シルトの岸辺』と、あとなんとなく所有しておきたくなって松浦寿輝『青天有月』を買う。

帰宅して少し休んでから、小雨のなか体力気力を振り絞ってスーパーに買い物に行く。あまりお腹がすかないので夕ごはんはゆかりのおにぎりとおかかのおにぎりだけにしておく。ただしお腹がすいていない人とは思えぬ分量で(ふたつ合わせてたっぷり一合。お米好きなもので)。すっかり疲れてしまい、22時に床に就く。

Sunday, March 2

今年に入れば少しは体調が上向くかと期待していたけれどなかなかそうもいかず、夜は起きていられないし、朝も早く起きられない日が増えている。今朝はひさしぶりに7時半起床というねぼすけで、なんと9時間半寝たことになるのだけれど、あーよく寝た、疲れがとれた、という爽快感はゼロ。相変わらず怠い。

今週は『みすず』2014年読書アンケート特集号をやっと読み終えた。一昨年熱中していた家庭内精読ゼミは、昨年すっかりさぼってしまい、今年はぜひまたやりたいのでそのならし運転として『みすず』読書アンケートをじっくり読んでいったのだった。長い時間かけて。って、うーん、何やってるんだろう。