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Tuesday, September 10

今月、みたびシネマヴェーラにて、「ロシア映画傑作選」から「短篇集」として『殺し屋』(アンドレイ・タルコフスキー監督、1956年)、『エレジー』(アレクサンドル・ソクーロフ監督、1986年)、『ピロスマニのアラベスク』(セルゲイ・パラジャーノフ監督、1986年)、そして『炎628』(エレム・クリモフ監督、1985年)を観る。

帰宅してビールを1本飲み、おつまみを食べながらきょう観た映画を反芻する。眠いくせに何をするでもなくぼーっとしてしまい、午前2時就寝。

Wednesday, September 11

ここ数年、夜遅くに寝ても翌朝早く目覚めることはできる。それなりにはっきりした頭で。しかし昼下がりには怒涛のごとく睡魔が押し寄せてくる。当然といえば当然だが。

カナダ大使館高円宮記念ギャラリーで「水辺の風景 —カナダ大使館収蔵アート—」を観る。メインビジュアルになっていたワンダ・クープの作品3点、素晴らしかった。事前にギャラリーのサイトで見ていた限りでは、写真作品かと思っていたが、絵画なのだった。でもそれは極めて写実的だということではなく、単純な線による描画なのに、なぜか写真ぽいのだ。ほかにも心惹かれる作品がいくつかあったけれど、見事にどのアーティストも知らない。まったく知らない。会場内はほかに誰もおらず、プライベート・ミュージアム状態。まったく贅沢なことだ。

帰宅。夜、ごはん、しらす干し、大根と長ねぎの味噌汁、焼鮭、蒸し鶏のにんにく長ねぎソースあえ、フジッリとコーンと紫玉ねぎのパスタサラダ、烏賊の塩辛、ビール。

Saturday, September 14

関東に台風接近の報。上陸の可能性もあるとのことでそわそわ。湿気がすごい。暑さよりも湿気で疲れてしまう。目の調子も悪く、憂鬱だ。もうずっと、長時間パソコンに向かうのが苦痛だ。

東京駅からブリヂストン美術館まで歩いて「追悼 ザオ・ウーキー」を観に行ったら、同一料金内でメイン展示の「色を見る、色を楽しむ。—ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…—」も観れたので、観る。ザオ・ウーキー、やはりとても、よかった。人の感情というものを表出させるとしたら、こんな画になるだろうか。それにしても群青、黄、緑といった色の美しさに息をのむ。《07.06.85》という作品、これは倉橋由美子『完本 酔郷譚』(河出文庫)の表紙に使われていたのではなかったか。ザオ・ウーキーの文献はなかなか無いので、2004年に同美術館で開かれた個展の図録はきっと貴重だ。バッグが重くなること必至だったが、ここは買っておかなければ。ということで、購入。バッグが重いよう。

前から行ってみたかった、銀座一丁目のインドカレー店カイバルでランチの後、満腹ぷくぷくのお腹をさすりながらてくてく歩いてLIXILギャラリーへ。「中谷宇吉郎の森羅万象帖展」、奥村昂子「あれをつくる」、薄井歩「陶—パライソ—」を鑑賞。楽しみにしていた中谷宇吉郎の展示を熱心に観る。

LIXILギャラリーとはなんとなく相性が良いような気がする。ここに来るととても集中して展示にのめり込めるのだ。あっという間に時間が経ってしまうことがしばしば。最近だと2009年春の「チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925—ホホル、ゴチャール、ヤナーク—」、2010年秋の「夢みる家具 森谷延雄の世界」、2012年春の「鉄川与助の教会建築—五島列島を訪ねて—」などがとても印象に残っている。LIXILギャラリーの隣にあるLIXILブックギャラリーも大好きで、ここでも長居をしてしまう。中谷宇吉郎展の図録と、先日、迷った末買わずじまいだった「鉄川与助の教会建築」の図録を買う。

ギャラリー小柳でジャネット・カーディフ+ジョージ・ビュレス・ミラー「嬰ヘ短調の実験」、シャネル・ネクサス・ホールでカイディン モニック ル=ウエラー「JEUX DE MAINS メゾンを紡ぎだす手」、メゾンエルメスでスミルハン・ラディック + マルセラ・コレア「クローゼットとマットレス」、銀座ニコンサロンで瀬戸正人「Cesium/Cs-137」、資生堂ギャラリーでミン・ウォン 「私のなかの私」、と銀座一帯のギャラリーを回遊する。途中、銀座ライオンのビアホールでビールを一杯。

夫のスーツ購入に付き合う。メンズショップの店員さんは付き添いの女性に対して本当に優しいなあ。財布の紐を握ってると思われているからだろうか。家計のことなんかこれっぽっちも把握してないのだけど、わたしは。無印でもいくつか日用品を買い込んで帰宅し、夜は枝豆、梨、ビール。

Sunday, September 15

台風、きのうよりさらに接近。ムシムシムシムシ、気がふれてしまいそうな蒸し暑さだ。

家事を片付け、雨が小止みの時を見はからって出かける。飯田橋から日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)まで歩く、ほんの数分の間にも雨は降ったりやんだり。受付でチケットを買ってから、神楽坂のカドに向かう。ちょいと久しぶり。縁側に面した席につくとどーっと汗が吹き出してきたけれど、涼しい風が吹き込んできたのでどうにか凌ぐ。空はみるみる晴れてピーカンの快晴に。豚バラ炊き込みごはんのオムライスをいただく。相変わらず美味しい。店を出ると日傘がほしくなる陽射しだった。

アンスティチュ・フランセ東京で開催中の「地中海映画祭2013」から『マルメロの陽光』(ビクトル・エリセ監督、1992年、スペイン)を観る。Bunkamuraザ・ミュージアムでの「アントニオ・ロペス展」を観た後では、印象がだいぶ変わる。いずれにせよ何にせよ、圧倒的に素晴らしい映画だ。

帰り道も雨は降らず、傘をぶらぶらさせながら歩き、いつもの花屋でバラと小さな花瓶を買って帰宅。夜は豚肉、長ねぎ、豆苗を具材に素麺チャンプルー、そしてビール。