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Friday, September 6

渋谷のシネマヴェーラで「今さら観てないなんて言えない!ロシア映画傑作選」から、『女狙撃兵マリュートカ』(グリゴーリ・チュフライ監督、1956年)と『スタフ王の野蛮な狩り』(ワレーリー・ルビンチク監督、1979年)を観る。わたしの記憶が正しければ、『女狙撃兵マリュートカ』はかつて、千石の三百人劇場でこれでもかというほどかかりまくっていて、でもそのたびに逃していて、やっと観ることができた。アグファカラーの独特の色彩とスタンダード・サイズの端正な美しさが強烈で、海や空、砂浜がこれほどぐいぐいぐいと胸に迫ってくるのは初めての体験で、思わず息をのんだ。内容はアクが強いけど、脚本は“脚本のお手本”と呼んでもいいような、きっちりしたつくり。驚きの結末も、タイトルや冒頭のシーンにより、説得力があるというものだ。これはまた近々観直したい映画だなあ。ダイナミックな映画体験、爽快だ。『スタフ王の野蛮な狩り』は、好みというわけではないけれど、目をみはるような美しいシーンが見事だった。

帰宅後、またまたカップ麺とビール。旅行から帰ってきてからもう幾日か経つのに、なんだかすっかり料理欲が失せてしまって冷蔵庫には何もない。ビールの缶を何本か開け、なんとなく夜更かし。

Saturday, September 7

午前6時起床。土曜日なのに寝坊。最近さぼり気味だった日常の雑用あれやこれやを片付ける。きょうは体調良好。朝昼ごはん兼用で、バタートースト、ハムと小松菜のソテー、目玉焼き、ヨーグルト、珈琲。

旅行後、とんと料理をする気がおきず冷蔵庫の中が見事にからっぽだったので、スーパーに出かけてカフェでも開くのかってくらいの大量の食材を買い込む。きょうは気力をふりしぼって、鶏肉と大根の煮物(煮卵添え)、フジッリとコーンと紫玉ねぎのサラダ、蒸し鶏などをこしらえた。

夕方、近所のいつものカフェで届いたばかりの『花椿』10月号(資生堂)を読む。夜、ごはん、海苔、玉ねぎとわかめの味噌汁、鶏肉と大根の煮物と煮卵、冷やしトマト、ビール。

Sunday, September 8

午前4時59分、ぱっちり目が覚めた。早速Twitterのタイムラインを見て2020年のオリンピック開催地を確認する。東京だとか。世界は謎に満ちている。

早朝に降り出した雨はほどなくしてやんだ。少し台所仕事をしてから朝一番で美容院へ。美容師さんに、ヘルシンキの空港で買った北欧土産を渡す。きょうは追加でリラクゼーションメニューもやってもらう。ああ、気持ち良い。美容院大好き。

池袋駅構内のいつ行っても満員のキャンプエクスプレスでカレーライスを食べ、西武池袋線に乗って練馬区立美術館へ。「鹿島茂コレクション3 モダン・パリの装い —19世紀から20世紀初頭のファッション・プレート」を観る。

渋谷に移動して、ふたたびシネマヴェーラで「ロシア映画傑作選」から『ピロスマニ』(ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督、1969年)と『田園詩』(オタール・イオセリアーニ監督、1975年)の二本立て。『ピロスマニ』は2度目の鑑賞。この映画はときどき、無性に観たくなる映画だと思う。『田園詩』は東京での上映情報を得るたびに観に行っていると言っても過言ではないくらいだから、もう5、6度目の鑑賞だろうか。鑑賞後、映画館を出たら激しい雨。すぐそばのGoodbeer FAUCETSまで走って、クラフトビールで喉を潤す。おつまみはフライドポテト、タコとセロリのマリネ。店内はずいぶんと欧米人が多い。

帰宅。クラフトビールとおつまみだけではちょっと足りず、あさりのパスタをつくって白ワインとともに食べる。疲れた。ぐったり、バタンQ。