110

Friday, July 5

月曜日の夜遅くから胃腸に激痛が走り七転八倒、翌日はずっと寝ていて、きょうまで口にするものはお粥とぬるくしたポカリのみ、という悲しすぎる状況だったのだけど、きのうからようやく復活してきた。当然、今週も美味しいごはんつくって食べるぞ! という意気込みだったので大ショックだった。悲しすぎる。とにかく胃が痛くて痛くて辛かった。夕べから、パソコンに向かう気力や冷蔵庫の食材をチェックする気力が戻ってきた。

今夜はやっとお粥以外のものを口にする。大根おろしと長ねぎを入れた素うどんを食べながら、日曜日に録音した菊地成孔の「粋な夜電波」を聴く。今回は「真夏の秋冬コレクション!菊地成孔のファッションショー入門」ということで、2013A/Wのパリ・ミラノ・ニューヨーク・ロンドンコレクションで実際にかかった音楽を菊地成孔の解説付きで聴こうという、わたしにとってはなかなかの神回である。菊地成孔が、じぶんがファッションに関する文筆業を始めたのは音楽評よりも先(!)で2003年頃、その頃はコレクションの紙焼き写真を見てDATで録音したガヤ付きの音声を聴きつつ執筆したわけだけど、今はといえば各メゾンのランウェイ映像が翌日にはサイトに流れてる、10年のうちに考えられないくらい状況が変わった、という話をしていて心からホントになあ、と思った。MARNIが可愛くて切なくて優しくて音楽もとても良くて、この音楽にのって可愛い洋服たちが出てくるのを見るのは感動的だった、と成孔さんが言うのを聴いて早速MARNIのサイトへいってコレクション映像を観た。いや〜本当に可愛い。やっぱりコレクションもすべて押さえておかないと駄目だな! 洋服はわたしの生き甲斐です。

ラジオといえばきのうは吉岡正晴さんが「Soul Searchin’ Radio」のなかでクインシー・ジョーンズの「Soul Bossa Nova」が51年前の曲だなんて信じられませんね、と言っていて、本当に、本当に、そう思う。いろんな意味で。最近、何につけても「時間」というものが思われて、少し感傷的になってしまっている。

Saturday, July 6

午前4時半、空はまだ茜色。少しずつ日の出が遅くなっている。きょうは35℃を超えるだか超えないだかの暑さで熱中症に注意、ウェザーニューズの予報には急ぎの用事以外は夕方にしましょうなんて忠告まで出ていて恐ろしい。朝ごはんに5日ぶりにパンを食べる。まだときどき胃の痛みがあるが、ほぼ回復。にしても、今週は美味しい食事をつくって食べるという生活をすっかり棒に降ってしまった。でもわたしはじぶんのつくるお粥は好きだ、なかなか美味しいから。

食材の買い出しから帰ってきてラジオをつけたら、関東甲信地方が梅雨明けの報。いくらなんでも早過ぎる。平年より15日早く、去年より19日早いとのこと(しかも西日本より先)。秋も早くやってくるのかな。もう今年も暮れるな。

じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、キャベツをざくざく刻んで鍋にドバドバ入れて、水、酒、コンソメブイヨンでひたすらコトコト煮込んで野菜スープをつくる。オイルは使わず塩胡椒で味を整えて、野菜のエキスをたっぷりいただくこの野菜スープは、体調が悪いときにつくって食べると元気になる、と信じている。信じることが大切。

それにしても今年上半期は、また、いろいろ頑張ろう、と気持ちをひとつ更新できたことがよかった。読書と料理に対する情熱を少なからず取り戻せたことがよかった。人生何がきっかけになるかわからない、わからないが、端的に言えば、わたしにとっていつだってそれは言葉、書かれたテキストによるものだ。

渋谷に出て、久しぶりに古書サンエーをのぞくも、渋谷古書センター、Flying Booksともに購入に至るものはなかった、残念。センター街のブックオフをのぞくも、以下同文。18時からはブックオフと同じビルの上階、渋谷クアトロで「Shibuya CLUB QUATTRO 25th Anniversary “QUATTRO QUARTER” ~CENTRAL AVENUE BLUES~ 吾妻光良&THE SWINGING BOPPERS × Bloodest Saxophone + 伊東ミキオ」を愉しむ。Bloodest Saxophoneについてはまったく知らなかったが、全員アイボリーのスーツでキメてかっこよい。そして演奏がとにかく上手くてパワフル、音がつぶつぶ粒立っていた。達者なグループだ。吾妻光良&THE SWINGING BOPPERSはいつもと変わらない安定感で、楽しい楽しいステージ。わたしは彼らのコンサート、4度目か5度目だろうけれど、きょうの盛り上がりがいちばんだったような。次回はぜひ「150〜300」をやってほしいなあ、一緒に歌いたい。

帰宅して、午前中につくった野菜スープをあたためて食べる。あしたはもう少しいろいろ食べられたらいいな。

Sunday, July 7

朝ごはんは思い切ってピザトーストと珈琲にしてみたけれど、胃の痛みはなかった。ホッとした。午前中からお昼過ぎにかけて、黙々と常備菜づくりと家事に勤しむ。お昼は、ごはんに柚子昆布、じゃがいも・にんじん・玉ねぎ・わかめの味噌汁、しゃぶしゃぶ豚肉、茹でキャベツのポン酢がけ。以上、食べてもやっぱり胃の痛みはなし。嬉しい。

『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』(多和田葉子/著、岩波現代文庫)を読了し、いつもの花屋で深紅のバラと、見ようによってはちょっと安っぽくも見えるピンクのバラを買う。夕方、見事なお天気雨。ほんの数分、地面に叩きつけるように降って、さーっと晴れ上がる様子を窓越しに見ていた。そのあとまた雨雲がやってきて雷が鳴り、クリーニング屋に出していた洗濯物を取りに行くタイミングを逃した。