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Tuesday, January 24

会社帰りにユーロスペースで『国境の町』(ボリス・バルネット監督、1933年、旧ソ連)。昔、毎晩のようにレイトショーに通っても翌朝ケロリとしていたじぶんの体力が信じられないくらいのレイトショー疲れ。でもバルネットならば仕方ない。

Saturday, January 28

根津美術館はおそらく一度も行ったことがない。「百椿図 椿をめぐる文雅の世界」展を観に出かけた。花はあらゆる花が好き、薔薇も、梅も、木瓜も、桜も、クロッカスも沈丁花もノースポールも白木蓮もライラックもクレマチスも、とほんとにきりがないけど椿も相当に好きで、すべての花は造形に優れていることを承知しつつ、これほど造形に優れた花もそうないだろうと思われ、絵画やデザインだけでなく小説などにも椿はよく登場するので言葉でも創作欲を刺激する存在なのかもしれない。川端康成の『一草一花』にはとても好きな描写があるし、先日読んだ加能作次郎の一編にも出てきた。「百椿図」は松平忠國が企画し、皇族や大名、俳人、歌人ら江戸時代前期を代表する知識人・文化人たちが詩歌を寄せ、狩野山楽が描いたとされる賛椿絵巻。椿はみなただ木の枝に咲いている様子ではなく、茶碗や硯箱にいけられたり、ふろしきに包まれたり、扇に描画されたりといったかたちで表現されている。観ていて飽きない。日当りのよい席でお昼をいただいたあと、庭を散策。まだ少し雪が残っている。庭を歩いていると、前にこの場所を訪れたような感覚にとらわれた。もしかしたらやはり幼い頃に一度来ているのかもしれない。

国立新美術館にて「未来を担う美術家たち DOMANI・明日展」。印象深かったのは、横澤典、津田睦美、元田久治。横澤典のビルの夜景写真はDRIES VAN NOTENの2012SSコレクションでテーマとなったジェームズ・リーヴの写真を想起させる。明るい写真は『北北西に進路を取れ』のあのオープニングを思い出させる。ビル、ビル、ビル。津田睦美は、昨年話題を呼んだホンマタカシの展示が「ニュー・ドキュメンタリー」の衝撃であるならばこちらもまた「オールド・ドキュメンタリー」の迫力、ということか。

今夜のボリス・バルネットは、『青い青い海』(1935年、旧ソ連)を。ユーロスペースにて。毎回仕方なく予告編に付き合う。

Sunday, January 29

今週、アマゾンからやっとシャルロット・ゲンズブール『Stage whisper Special Edition』が到着。CD+DVDの3枚組。セルジュとつくった『魅少女・シャルロット』(邦題)のことを思うとつくづく隔世の感あり。これほどシンガーとしていい具合にいくとは思わなかったので、とても嬉しい。シャルロットの声はあまり甘くないことに気づく。