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Saturday, November 12

平日読んだ本、『紙の民』(サルバドール・プラセンシア、白水社)、『やわらかなレタス』(江國香織、文藝春秋)、『中野本町の家』(後藤暢子/後藤文子/後藤幸子、住まいの図書館出版局)、『百年文庫 87 風』(漁師の娘/徳冨蘆花、土佐源氏/宮本常一、みなかみ紀行/若山牧水、ポプラ社)など。

もう何度来たかわからない恵比寿。ガーデンプレイスでは水色の空を背景にクリスマスツリーが飾られていて、クリスマス大好きなのでいよいよこの季節がやってきた、と心が躍る。バカラのシャンデリアも、今年もある。世間的には主に、このシャンデリアはデートのコースメニューのひとつとして組み込まれるのだろうが、わたしにとってはいつも東京都写真美術館あるいはいまはなき恵比寿ガーデンシネマの帰りに眺めるものであり、どうやら1999年からこのシャンデリアの展示が始まったようで、映画館や美術館に足しげく通うようになって間もない頃なので、たしかにだいたいその頃だったかと思われて懐かしさも加わってくる。東京都写真美術館にて「畠山直哉 ナチュラル・ストーリーズ」、ナディッフ・ギャラリーで「朝海陽子 Northerly wind」を鑑賞。朝海陽子の写真を見るまで青森県では道路の電子標識に風向きや風速が表示されることを知らなかった。そののちこちらも何度来たかわからない銀座。メゾンエルメスで「墜ちるイカロス 失われた展覧会」→資生堂ギャラリーで「ダヤニータ・シン展 ある写真家の冒険」→ポーラミュージアムアネックスで「Chic and Luxury モードの時代」→ギャラリー小柳で「クリスチャン・マークレー Scrolls」。

このところのわたしの食欲が旺盛すぎるからというわけではないけれど、以前からないよりはあったほうがいいだろうと考えていた体重計を購入した。昨今の体重計のコンパクトっぷりに驚いてしまった。

*今日の一枚  Yasuaki Shimizu & Saxophonettes/Bach Cello Suites

Sunday, November 13

『百年文庫 93 転』(黒い小屋/コリンズ、割符帳/アラルコン、神様、お慈悲を!/リール、ポプラ社)を読みながら西荻窪へ向かう。満腹と微かな酩酊できっと帰り道には読まずじまいだろうなあと思いながら読む。西荻窪を訪れるのっていつぶりだろうか。伊藤まさこが『東京てくてくすたこら散歩』(文藝春秋)のなかで「西荻といえば、ピンドットしか知らなかった私。」と書いているが、まさにそのピンドット(布地屋)を目指して西荻に降り立ち、結果、お店が休みかなにかで目的を果たせないまま帰路についたとき以来かと思うので、そうするともう十五年くらい前のことになるのだった。

今回の目的はフランス料理のお店、こけし屋で毎月一回開かれている朝市で、朝市というだけでわくわくしてしまうのだけど、出されるものはフランス料理で、とっても盛況らしくて、朝だというのにお酒まで出るそうなのだから本当にわくわくしていて、名物のオムライス、蛤のスープ、キッシュ、コロッケ、赤ワインをお腹いっぱいいただいて、ほろ酔い。こういう朝市もあるんだなぁ。本当に世の中知らないことだらけです。

下高井戸に移動し用を一件済ませ、帰宅。ちょっとだけ読書してキッチンへ。じぶんの手際の拙さを嘆きつつ、朝市でのオムライスをつくっていたシェフたちの手際の良い動作ひとつひとつを思い出す。長いこと列に並ぶので手さばきをつぶさに見ることができるのだ。

*今日の一枚  The Bird & The Bee/A Tribute To Daryl Hall And John Oates