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Friday, September 2

自称ショートスリーパー(気味)を気取りながらも頗る疲れやすく持続力に乏しく虚弱な体質でありながら真夏の由比ケ浜をうろうろするという過失を犯した当然の報いとして今週、かなり体調優れず、八月二十九日の月曜日の夜に意気揚々とアルフレッド・ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』(1959年、アメリカ)を鑑賞し特典映像まで堪能し心地よく眠りについたのがうそのように翌日は、朝起きられず、夜起きていられず、夜起きていられないなんていったらわたしの存在理由なんてどこにもないじゃないの貴方、と繰り言を申したくなるようなウイークデイをなんとか乗り切ったのだけど、ねむい、とかだるい、というのは本当に憂うべきことでただでさえ茫と思考停止状態になりがちな己の意識を無理矢理鼓舞し、駆動させ、日々をやり過ごしているわたしとしては不必要な負の拍車はかけたくない。

Saturday, September 3

ウィークエンドシネマ3本立て。アンドレイ・タルコフスキーの『サクリファイス』(1986年、スウェーデン/イギリス/フランス)、ベルナルド・ベルトルッチの『革命前夜』(1964年、イタリア)、フランソワ・トリュフォーの『アメリカの夜』(1973年、フランス)。初めて観たトリュフォー作品はおそらく『大人は判ってくれない』かと思うけれど、それはトリュフォー作品としてというよりもフランスの名作という位置づけで観ていたはずで、トリュフォーという監督を意識するようになり、監督作品一覧を眺めて最初に観ようと選んだのが『アメリカの夜』だったので、多少思い入れがある。先日アテネフランセ文化センターで観たジャック・ロジエの「ジャック・ロジェのバカンス」パンフレットに山田宏一のテキストが掲載されており、最後は

なお、ジャック・ロジエが発見して育てた俳優、とくに『オルエットの方へ』で映画デビューをしたベルナール・メネズがフランソワ・トリュフォー監督の映画づくりを描いた映画『アメリカの夜』(1973)に起用され、忘れがたい魅力的な小道具係の役を演じることになることも付記しておきたいと思います。

と結ばれている。そのせいもあって今回は彼に注目して観てみたところ、以前はそれほどに思わなかったこの小道具係の役は実はこの作品になくてはならない大切な役だったことがわかり、こういう役をやりたいと思う役者は多いのではないかと思われた。1971年にベルナール・メネズが映画デビューし、1985年にジャック・ロジエの『メーヌ・オセアン』に出演し、1990年代半ばになにも知らずにわたしが『アメリカの夜』を観て2010年に『メーヌ・オセアン』を観て2011年に幾ばくかの知見を得たわたしが再び『メーヌ・オセアン』『アメリカの夜』を観る。ベルナール・メネズは特典映像のインタビューにも登場していた。もう初老のメネズ。スクリプターのジョエル役で登場していたナタリー・バイは映画のなかでも可愛いが、歳をとった今でもめちゃめちゃ可愛くて素敵だ。こういう60代になりたい。なれないだろうけど。

Sunday, September 4

週末少し体力回復し、早速昨夜、あまり眠っていないままに朝からジャン・ユスターシュの『ママと娼婦』(1973年、フランス)220分を完走。こういうだらだらだらだらだらだらだらだらした映画は好きだけど、ただだらだらだらだらだらだらだらだらしているばかりではない映画でもある。

夕方、景気づけに代々木公園で行なわれているブラジル・フェスティバルに行った。代々木公園で開催される世界のフードフェスティバル、実は今回が初めてだ。タイフェスの人出はこの数倍だとか。ブラジル人男性×日本人女性というカップルは多いけれど、日本人男性×ブラジル人女性というカップルはほとんど見かけないという話になる(あくまでも推定)。

帰宅して、冬瓜の鶏そぼろあんかけと鰹のなまり節をつくりおきしておく。冬瓜の鶏そぼろあんかけは煮るときにちょっと水分多すぎて、お弁当にはもっていけそうにない。

*今日の一枚  Les Ann+Es 60/Chantal Goya